島根県松江市のサカタ×Tisch×しするが、島根発の“不動産の健康診断”SaaS「とぶひ」提供開始 土地情報とオーナーの想いを「カルテ」として資産化
島根県松江市にある不動産事業を行う株式会社サカタ、データ関連ビジネスを行うTisch合同会社、事業開発・マーケティング支援を行うしする株式会社の3社は、土地情報とオーナーの“想い”を一体で管理・活用できる不動産会社向けSaaS「とぶひ」を共同開発し、2025年12月8日より提供を開始した。
「不動産の健康診断」をコンセプトに、相続や資産相談の現場で取得される課税明細書の情報と、土地に込められた想いを“カルテ”として可視化・蓄積。不動産会社における顧客獲得やLTV(顧客生涯価値)の最大化、営業の仕組み化を支援する。
“土地”と“人”を一体で管理する新しい不動産データ活用モデル
「とぶひ」は、相続・資産相談時に顧客が持参する課税明細書をAIで解析し、土地情報をカルテとしてデータ化するSaaSだ。加えて、オーナーが語る土地への想いや家族へのメッセージといった定性的な情報も紐づけて管理できる点が特徴となっている。
蓄積された「土地×顧客」のデータは、自社専用の“地図”データベースとして活用可能だ。データが増えるほど独自資産としての価値が高まり、将来的には大型開発や地権者マッチング、リフォーム・建替え提案など、事業の横展開にもつなげられるとしている。
潜在層との継続的な接点創出と営業の脱・属人化を実現
同サービスでは「不動産の健康診断」を起点に、売買ニーズが顕在化する前の潜在層とも早期に接点を持つことが可能だ。定期的な診断を通じて関係性を構築することで、将来の相続や売却検討時に最初の相談先となることを目指す。一括査定サイトへの依存低減や販促費削減にも寄与するとしている。
また、ベテラン担当者のノウハウをAIプロンプトとテンプレートに落とし込み、診断レポートを自動生成。経験年数に左右されず、誰でも一定品質の提案ができる営業体制の構築を後押しする。
「想いが残らない」現場のもどかしさから生まれたSaaS
開発の背景には、サカタが日々の相続・不動産相談の中で感じてきた課題がある。顧客が語る土地への想いや家族の記憶は、担当者の記憶に留まるだけで、組織的な資産として残らない——。
こうした問題意識を、Tisch・しすると共有し、「土地に込められた想いを次の世代へつなぐ不動産会社向けSaaS」という構想が具体化した。
サービス名の「とぶひ」は、出雲国に由来する烽(のろし)から着想を得たものだ。土地オーナーの想いや願いを確かに受けとめ、つなぎ、伝えていく存在でありたいという思いが込められている。域発・現場起点の不動産SaaSとして、今後の展開が注目される。
関連リンク:プレスリリース
(TOMORUBA編集部)