
ANA×セコマ×野嵩商会×DNP 北海道の乳製品を沖縄へ即日空輸 「DNP多機能断熱ボックス」で輸送量を2倍に拡大
全日本空輸株式会社(ANA)、株式会社セコマ、株式会社野嵩商会、大日本印刷株式会社(DNP)は協働し、北海道で製造された牛乳・ヨーグルト・デザート類を新千歳空港から那覇空港まで即日空輸し、翌日には沖縄県内で販売する新たな取り組みを2025年7月7日に開始した。従来の輸送量を大幅に拡大し、北海道の新鮮な乳製品をスピーディに届ける地域間物流の新モデルとして注目される。
北海道から沖縄へ 新鮮な味を翌日に提供
対象商品は、セコマが北海道豊富町および札幌市で製造する「サロベツ牛乳」や「北海道生乳100%とよとみプレーンヨーグルト」、「とよとみミルクコーヒー」、さらに「たまごプリン」「ミルクプリン」など、いずれも地元で長く親しまれてきた定番商品だ。
これらの商品は空輸により、新鮮な状態のまま沖縄県の消費者に届けられる。販売は野嵩商会が運営する「フレッシュプラザユニオン」で実施され、現地の人々が翌日から手に取れる仕組みを整えた。
新千歳空港から大型機材での輸送に切り替え
ANAはすでに2024年1月からセコマ商品の一部を稚内空港経由で沖縄へ空輸してきた。しかし今回の取り組みでは、大型機材が就航する新千歳空港から発送する体制へ移行。これにより、輸送をコンテナ単位で行うことが可能となり、輸送回数や総量、取扱商品数の拡大が実現する。
さらに、昼間帯の国内旅客定期便における貨物スペースを活用することで、物流の「2024年問題」への解決策にもつながる。旅客便の床下貨物スペースを有効利用することで、安定的かつ効率的な長距離輸送体制が構築された。
DNPの「多機能断熱ボックス」で輸送効率を向上
今回の物流革新を支えるのが、DNPが開発した「DNP多機能断熱ボックス」である。高性能な断熱材を採用し、気密性の高い構造を備えたこのボックスは、電力を使用せずに内部温度を長時間一定範囲に維持することが可能。冷蔵・冷凍が必要な食品の航空輸送に適している。
さらにパレットがそのまま収まるコンテナ型のため、輸送効率が飛躍的に高まり、従来比で約2倍の輸送量を実現した。これにより、北海道の乳製品をより多く、より確実に沖縄へ届けられるようになった。


▲DNP多機能断熱ボックスを活用した航空輸送の様子
今後の展望
この取り組みは単なる物流の効率化にとどまらない。北海道と沖縄という日本の両端を結び、新鮮な食の魅力を届けることで、地域産業の活性化や観光需要の喚起にも寄与する。生産者・物流・小売が連携することで、地域を超えた食文化の交流が促進されると期待される。北海道から沖縄への「鮮度の架け橋」は、今後の地域創生・まちづくりの事例としても注目を集めそうだ。
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(TOMORUBA編集部)