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TERASS、シリーズCで総額31億円を調達 AI活用とM&A・採用強化で“不動産仲介の3つのNo.1”を目指す

TERASS、シリーズCで総額31億円を調達 AI活用とM&A・採用強化で“不動産仲介の3つのNo.1”を目指す

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不動産仲介関連サービスを手がける株式会社TERASSは、シリーズCラウンドにおいて総額31億円を調達した。農林中金キャピタル、みずほキャピタル、ブーストキャピタル、Z Venture Capitalなど計10社が引受先となり、内訳は第三者割当増資20億円、既存株主による株式譲渡11億円。シリーズA以降の累計調達額は42.6億円に到達した。

同社は今回の資金を活用し、AIを中心としたテクノロジー強化、金融・資産形成サービスの拡充、エージェントや本部社員の採用、さらにM&Aを推進。「独立系不動産仲介会社としての売上高」「不動産仲介営業職の人数規模」「資産形成関連サービスの充実度」という3分野で2027年までに国内No.1を目指す。

調達資金の活用と「カクテルディール」

調達した資金は主に、エージェントの生産性を飛躍的に高めるAIシステムや不動産取引関連サービスの強化に充てられる。また、金融事業やオルタナティブ投資領域への展開も視野に入れる。今回の資金調達では、第三者割当増資とセカンダリー取引を組み合わせた「カクテルディール」を採用。株主企業とのシナジーを深め、中期的な成長基盤を固める狙いだ。

エージェント規模800名、累計取扱高は約4000億円

TERASSは2019年の創業以来、「いい不動産取引は、いいエージェントから。」をミッションに掲げ、独立系エージェントが顧客に寄り添えるプラットフォームを構築してきた。2025年7月時点で所属エージェントは約800名、累計取扱高は約4000億円に達する。AI活用による効率化で、1日9時間以上稼働するエージェントの割合は前職比で▲54%減少。一方で、契約顧客の満足度は98%に上昇しており、働き方と顧客体験の両立を実現している。

同社はすでに契約書作成やチェック業務をAIで自動化しており、今後はさらに適用範囲を広げる計画だ。また、住宅購入を検討する顧客の初期段階の相談に応える「AI不動産エージェント」を開発中。24時間365日対応で、顧客の悩みに寄り添いながら、エージェントが人ならではの提案に専念できる環境を整える。

投資家の声

リード投資家の農林中金キャピタル代表取締役社長 和田透氏は、「不動産仲介業界には依然効率化の余地が大きく、TERASSはテクノロジーと支援体制で生産性と顧客体験を両立させている」と期待を寄せる。また、TERASS 代表取締役の江口亮介氏は「日本の不動産業は米国と比べて生産性が約4割低く、営業ノルマや顧客接点不足が課題だった。今回の調達は当社のビジョンと成長性が評価された結果。優秀なエージェントとテクノロジーで、顧客の暮らしと資産形成に貢献していく」とコメントした。

今後の展望 

同社は今後、エージェント数を2000名以上に拡大し、国内最大規模の不動産仲介人材ネットワークを構築する方針だ。さらに、住宅ローンや不動産投資をはじめとする資産形成サービスを拡充。M&Aやエンジニア採用を通じて事業領域を広げ、顧客の暮らしと資産形成をトータルで支援する。TERASSは「DX×エージェントファーム」という独自モデルで、従来の不動産仲介業の課題を解決してきた。今回のシリーズC調達は、同社が“不動産の未来”を描く上で重要なマイルストーンとなる。今後、2000名規模のエージェントネットワークとAI技術の浸透が、どこまで業界を変革するか注目される。

関連リンク:プレスリリース 

(TOMORUBA編集部) 

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