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船の自動運転技術を手がけるエイトノット、米E-Force Marineと自律航行の共同実証へ 米国フロリダで検証、北米進出の足がかり

船の自動運転技術を手がけるエイトノット、米E-Force Marineと自律航行の共同実証へ 米国フロリダで検証、北米進出の足がかり

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船の自動運転技術を手がける株式会社エイトノットは、米国の電動推進機メーカーE-Force Marine Inc.と、自律航行プラットフォーム「エイトノット AI CAPTAIN(以下、AI CAPTAIN)」の共同実証を行うことで合意した。両社は7月31日、協業に関する合意書を締結し、米国フロリダ州の実験場において実証を開始する。

電動ボートにAI CAPTAINを搭載

今回の共同実証では、E-Force Marineが保有する電動ボートにAI CAPTAINを搭載し、自律航行の機能や性能を検証する。エイトノットとE-Force Marine双方のエンジニアリングチームが連携し、システムの調整、稼働データの収集、UI/UXの検証を行う予定だ。さらに、実証期間中にはE-Force Marineの従業員や顧客を対象とした試乗も実施。米国市場における自律航行プラットフォームへの期待や課題を把握する狙いがある。

北米進出と次世代海洋モビリティの実現を目指す

2021年に創業したエイトノットは、小型船舶向け自律航行技術の開発を軸に事業を展開するスタートアップだ。高性能センサーやカメラで周囲の状況を把握し、AIが自動で最適な航路を選定するAI CAPTAINを中心に「海のDX」と「船舶のロボット化」を推進。これまでに国内での導入事例を積み上げ、技術の信頼性を高めてきた。2027年の北米市場参入を目標に掲げており、今回の実証はその第一歩となる。既に国内でもAI CAPTAINの導入を進めており、乗組員の業務支援や安全性向上、運航コスト削減といった効果を実証してきた。代表取締役・木村氏は「北米での実証を通じ、グローバル展開の加速につなげたい」と意気込む。

一方、E-Force Marineは電動推進技術の開発を通じて、船舶業界の脱炭素化をリードしている。両社は「電動化×自律航行」の融合による次世代海洋モビリティの実現を共通の目標に掲げ、今回の取り組みを契機に米国市場でのパートナーシップ強化を進める。

電動推進技術で脱炭素化を推進するE-Force Marine

E-Force Marineは2022年に設立された新興企業で、フロリダ州マイアミを拠点にカスタム設計の電動・ハイブリッド推進システムを提供している。既存のガソリン船を電動化する「e-craft」ソリューションや、自社開発の電動推進システム「Aurora E-Drive」により、燃料コスト削減とCO₂排出ゼロを実現。静音性やメンテナンス性にも優れ、持続可能な船舶運航の実現を後押ししている。今回のエイトノットとの協業は、同社にとっても「電動化に自律航行を掛け合わせる新たな挑戦」となる。

今後の展望

米国では電動ボート市場の拡大が進む一方、熟練乗員不足や運航効率化といった課題も浮き彫りになっている。AI CAPTAINのような自律航行プラットフォームは、こうした課題を解決する有力なソリューションとされており、北米での市場ニーズは高まると予想される。今回の実証を通じて得られるフィードバックは、両社の技術開発のみならず、海上モビリティ産業全体の進化に資する可能性がある。エイトノットとE-Force Marineは、実証結果をもとに更なる共同開発や商用化に向けた協議を進める予定だ。両社の協業が実を結べば、電動推進と自律航行を兼ね備えた次世代船舶が、近い将来、水上を走る日が来るかもしれない。

関連リンク:プレスリリース 

(TOMORUBA編集部) 

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