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バイオエタノール由来のプロピレン製造へ――iPEACE223、プレシリーズA2で約3億円調達

バイオエタノール由来のプロピレン製造へ――iPEACE223、プレシリーズA2で約3億円調達

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ゼオライト触媒技術を用いたグリーンプロピレン製造に挑むiPEACE223株式会社は、プレシリーズA2ラウンドにて約3億円の資金調達を実施した。引受先には三菱重工業株式会社、ジクシス株式会社、およびUMI3号投資事業有限責任組合(ユニバーサル マテリアルズ インキュベーター株式会社運営)など、脱炭素領域に注力するプレイヤーが名を連ねる。

iPEACE223は、石油化学原料に依存せず、バイオマス由来のエタノールから化学品原料であるプロピレンおよび燃料であるプロパンを製造する技術の開発に取り組むスタートアップだ。その中核技術となるのが、エチレンからプロピレンを製造可能とする独自のゼオライト触媒である。従来は石油を原料とした高温・高圧のプロセスが不可欠だったが、iPEACE223の技術は原料とプロセスの両面で脱炭素化を可能にする。

2025年、技術実証フェーズへ本格移行

iPEACE223はすでに、神奈川県川崎市の「テクノハブイノベーション川崎(THINK)」内にて、触媒を活用したベンチスケールのプラント建設を進めており、2025年中には本格的な技術実証を開始する予定だ。

三菱重工業は長年のプラント設計・建設ノウハウを提供し、プロセスの商用化を後押しする。さらに、LPガスの販売企業であるジクシスは、バイオエタノールの調達および製造されたプロパンの市場展開など、供給・販売の両面での連携を視野に入れている。

資金調達を通じた実用化フェーズへの加速

今回の資金調達は、CE型新株予約権の発行という形式で行われた。これにより、スタートアップとしての柔軟性を保ちながら、長期的なパートナーシップの構築を狙う。iPEACE223は、バイオプロピレン製造技術の社会実装に向けて、研究開発・設備投資・パートナー連携の各領域でスピードを加速させていく方針だ。

今後は、触媒性能のさらなる向上とともに、量産に向けたスケールアップ、そして商用プラントの設計へとステップを進める。カーボンニュートラルが世界的な課題となるなか、石油化学産業に対する持続可能な代替技術として、同社の動向には引き続き注目が集まる。

関連リンク:プレスリリース

(TOMORUBA編集部) 

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