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アドダイス×T2、自動運転トラックで眠気リスクを検知する本格実証実験を実施

アドダイス×T2、自動運転トラックで眠気リスクを検知する本格実証実験を実施

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人工知能を用いた業務管理サービスの提供および導入コンサルティングを行う株式会社アドダイスと自動運転トラック幹線輸送サービスの開発を行う株式会社T2は、自動運転トラックにおける運転者の「眠気リスク」をAIで予測・可視化する実証実験を、2025年3月から5月にかけて実施した。

両社がそれぞれ開発・提供する予兆制御AIと自動運転トラック技術を掛け合わせたこの取り組みは、完全自動運転(レベル4)時代を見据えた幹線輸送の先端事例として注目を集めている。

長距離輸送における“人の限界”と“AIの可能性”

物流業界はかねてよりドライバー不足が深刻な課題となっており、自動運転技術の導入はその打開策のひとつとされてきた。T2は自社開発の自動運転トラックによる幹線輸送を推進中で、2027年にはレベル4の無人走行サービスを開始する計画を掲げる。今回の実証では、有人運転を含むレベル2の段階において、ドライバーの健康状態、とりわけ眠気によるリスクの検知と予防を目的に、アドダイスの「予兆制御AI」を導入した。

予兆制御AIは、ドライバーが装着するスマートウォッチから取得されるバイタルデータ(心拍数など)をもとに、「30分先まで」の眠気リスクをスコアとして予測・表示する。スコアが閾値を超えるとアラートが発報され、運行管理者とドライバーに通知される仕組みだ。関東~関西の一部高速区間(約500km)にて行われた本実証は、幹線輸送の現場における“眠気の兆候”を捉える初の試みでもある。

“眠気スコア”が示す、安全運行の新たな指標

今回の実証実験により、T2は運行中のドライバーの眠気リスクの有効な検知手段として、AIの有用性を確認する。眠気が予測された場合の最適な対応策や、運行ルートや時間帯による影響をデータ化し、より安全な運行計画策定に活かせる可能性が示唆された。

また、アドダイス側でも、AIによる眠気スコアの精度検証や、ドライバーの主観との乖離を埋めるモデルの最適化に取り組んだ。時間帯や個人差といった要因によるスコア補正の可能性も視野に、さらなる技術向上を目指す。T2の管理者からは「30分先の眠気が予測できれば、事故を未然に防ぐ行動が取れる。安全輸送を支える大きな武器になる」と評価されている。

“予兆制御AI”とは何か──未然に防ぐ新たな技術

アドダイスの「予兆制御AI」は、生成AIのようなコンテンツ創出型AIとは異なり、「まだ言語化や自覚がない状態」に潜むリスクを、センサーデータ等をもとに予測するAI技術(特許取得済)。同社代表の伊東大輔氏は、「自動運転技術は物流の未来を担う基盤。この分野における人の健康や安全にも、AIで貢献したい」と語る。

人とAIが共に走る未来へ──幹線輸送の次なる一手

T2が構想する自動運転輸送モデルでは、高速道路の区間は無人で運行し、集約・切替拠点間は有人で対応するというハイブリッド型が想定されている。このモデルでは、ドライバーの存在が依然として重要であり、体調管理やリスク予測の仕組みは不可欠となる。

アドダイスとT2の今回の実証は、先端技術の掛け合わせによって、従来の“人に頼るしかなかった”部分にテクノロジーの光を当てた好例である。物流業界が直面する構造課題に対し、安全・効率・人の健康を両立させる新たな手法として、今後の展開に大きな期待が寄せられる。

関連リンク:プレスリリース

(TOMORUBA編集部) 

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