
メタバースを活用したバーチャルコラボレーションツール「MEs(ミーズ)」を展開するO株式会社、リコーと資本提携
メタバースを活用したバーチャルコラボレーションツール「MEs(ミーズ)」を展開するO株式会社は、株式会社リコーのCVCファンド「RICOH Innovation Fund」を通じた資本提携を発表した。デジタル空間における創造的な働き方の実現に向けて、両社の連携が本格始動する。
多様な働き方に対応するための次世代ツール「MEs」
ハイブリッドワークの浸透により、場所に縛られない働き方が一般化する一方で、チーム内の情報共有や創造的なコラボレーションの難易度は増している。Oが開発する「MEs」は、思考過程やアイデアの可視化、共有を可能にするメタバース型プラットフォームで、画像・音声・映像・地図など多様な形式のデータをリアルタイムで統合し、直感的にナレッジを整理・共有できる。
これにより、ユーザーは深い集中状態(フロー)に入りやすく、他者との発想の接触によって新たな気づきを得られる。既にアーティストや大学、企業など幅広い層に利用されており、慶應義塾大学SFCではバーチャルキャンパスの構築にも活用されている。
資本提携の背景と狙い
今回の資本提携により、Oとリコーは「創造力の発揮を支援するワークプレイス」の実現に向けた共同開発・実証実験を進めていく。リコーは現在、空間デザインやテクノロジーを掛け合わせた会議ソリューション「RICOH PRISM」の展開を進めており、リアルとデジタルを融合させた新たなワークプレイス体験の可能性に注目している。
リコー 経営企画センター 事業開発室 室長の伴野仁治氏は、「MEsが提供する“脳内見学”のような視覚的な体験や、アバターを通じた心理的安全性の確保といった特徴は、創造性を支える基盤となる。単なるメタバースの流行ではなく、本質的な働き方の変革に資するツールと捉えている」とコメントしている。
エンタープライズ領域への展開も視野に
今後Oは、3Dデータを多用する不動産、自動車、製造業などの企業向けに、MEsをベースとしたカスタマイズ型ソリューションの提供を強化する方針だ。既存の3Dデータ資産を「体感できる形」に転換することで、設計・開発・営業の各プロセスにおけるコミュニケーションや創造性の質を高めることが狙いだという。
今後の展望
O株式会社のCEO・a春氏は「私たちは、“amplify human creativity”というビジョンのもと、人が深く思考し、つながり、有意義な協働ができる場づくりを目指している。リコーとの連携は、その世界をより広く、より具体的に社会へ届けるための重要な一歩」と語る。
今回の資本提携を通じて、両社は教育、建築、デザイン、研究など、クリエイティブな分野での新しい働き方のモデルを共に探求していく構えだ。
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(TOMORUBA編集部)