
脳科学を軸にしたスタートアップ・ニューラルポートと山本光学が資本業務提携を締結
脳科学を軸にしたスタートアップ・株式会社ニューラルポートと、老舗アイウェアメーカー・山本光学株式会社が資本業務提携契約を締結した。これにより、両社は「ブレイン × ビジョン」という未踏領域での革新を本格的に加速させる。
ブレインテックとアイウェア、それぞれの強みとは
兵庫県芦屋に拠点を置くニューラルポートは、視線計測と脳科学を掛け合わせた独自のブレインテック領域で注目されるスタートアップだ。わずか3分で脳疲労を可視化できるVRシステム「ZEN EYE Pro」や、アスリートの集中状態「ZONE」を科学的に再現する「ZONE-Z」といったプロダクトの開発を手がけている。
一方、1911年創業の山本光学は、産業安全用の保護具やスポーツ用アイウェアの分野で確かな実績を持つ老舗企業だ。「目を護る」を使命に掲げ、常に安全性と快適性を両立させた製品開発を追求してきた。
「ZEN EYE Glass」開発へ、技術と知見を融合
今回の提携では、視線計測技術を搭載した次世代型アイウェア「ZEN EYE Glass」の共同開発が大きな柱となる。これにより、ユーザーの視線や脳のコンディションをリアルタイムで可視化し、スポーツ現場や医療、さらには産業安全の現場における新たな支援ツールとしての展開が見込まれている。
また、「ZEN EYE Pro」の実証実験も両社の協力体制のもと進められ、科学的エビデンスに基づいた脳疲労測定の社会実装が期待されている。
海外市場、特に米国展開にも視野
提携の意義はプロダクト開発にとどまらない。両社のネットワークを活用した販売チャネルや実証フィールドの確保を通じ、国内外へのスムーズなスケールアップも視野に入れる。特にニューラルポートにとっては、今後の米国市場進出に向けて、山本光学の豊富な製造・販売ノウハウが大きな後押しとなる。
100年以上の歴史を持つ山本光学と、2020年創業のニューラルポート。時代も業種も異なる両者が手を組むことで、これまでになかった新たな視点から、人間の「目」と「脳」に向き合うプロダクトが生まれようとしている。ブレインテックとアイウェアが交差するこの試みは、単なる業務提携の枠を超え、次世代のウェルビーイング社会の鍵となるかもしれない。
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(TOMORUBA編集部)