1. Tomorubaトップ
  2. ニュース
  3. 寺田倉庫の共創プログラム「Creation Camp TENNOZ」が第2期生の募集を開始!――スタートアップの新たな聖地を目指す天王洲の街づくりとプログラムの魅力に迫る
寺田倉庫の共創プログラム「Creation Camp TENNOZ」が第2期生の募集を開始!――スタートアップの新たな聖地を目指す天王洲の街づくりとプログラムの魅力に迫る

寺田倉庫の共創プログラム「Creation Camp TENNOZ」が第2期生の募集を開始!――スタートアップの新たな聖地を目指す天王洲の街づくりとプログラムの魅力に迫る

  • 14164
1人がチェック!

「モノだけではなく、価値をお預かりする」という理念に基づき、ワイン・アート・メディア保管を軸に事業を展開する寺田倉庫株式会社。宅配型トランクルームサービス「minikura(ミニクラ)」など倉庫業界のイメージを超えたビジネスも展開している同社は、スタートアップの成長を支援するインキュベーション事業「Creation Camp TENNOZ」に参加する第2期生の募集を開始した(※)。

「Creation Camp TENNOZ」とは、東京・天王洲にスタートアップ・ベンチャーを誘致し、水辺とアートの街をビジネスイノベーション拠点とするプロジェクト「Isle of Creation TENNOZ」の一環として推進されている事業だ。

音楽、アニメ、自動車整備、工事現場、ゴミ処理、家具、NFT、子育て、更年期など、個性豊かなテーマの事業に取り組む第1期生のスタートアップ9社は、昨年10月より資金調達やプロダクト開発、サポート企業との事業連携など、本プログラムの様々な支援を受けながら事業を加速させている。

TOMORUBAでは「Creation Camp TENNOZ」第2期の企業募集に先立ち、本プログラムの運営を担う寺田倉庫・月森氏へのインタビューを実施。同社がスタートアップのインキュベーション支援に取り組む背景、本プログラムの開催意図、採択企業への支援内容、求めているスタートアップ像などについて話を聞いた。

※「Creation Camp TENNOZ」第2期生の募集の詳細はこちらよりご確認ください。

(2025年4月4日:早期応募締切、5月9日:最終応募締切)

▲寺田倉庫株式会社 執行役員 CEO付ミライ創造室 室長 月森正憲氏

1998年寺田倉庫に入社後、約7年間倉庫現場にて庫内オペレーションに従事。その後、営業を経て企画担当へ。2021年より、宅配型トランクルームサービス「minikura」のリリースなど、様々な新規事業創出を担当。また、スタートアップの支援にも注力し、2社の社外取締役を務める。2022年よりミライ創造室室長として、スタートアップ支援と街づくりを融合させた活動を開始。

天王洲をスタートアップが集まる街にするために

――まずは、寺田倉庫がスタートアップ支援を実施するに至った背景をお聞かせください。

月森氏 : 寺田倉庫は人々のライフスタイルを豊かにする様々な事業を展開しています。また、私たちと共に新たな価値を創出する仲間を社外にも広く求めるべく、これまでも互いの思いに賛同した多くのスタートアップと深く関わってきました。

ただ、その仲間が一つにまとまる、という事がなかなか出来ずにおりました。

私たちは「天王洲をクリエイティブな街にしたい」という想いを持って活動しており、現在は「天王洲に世界一のアートシティを作ろう」という文脈の中、アート分野での様々な取り組みを進めています。

今回の「Creation Camp TENNOZ」はインキュベーションに特化したプログラムですが、水辺とアートの街をビジネスイノベーション拠点とするプロジェクト「Isle of Creation TENNOZ」の一環として実施しているため、天王洲の街づくりを意識した取り組みの一つであることに違いはありません。

アート分野のアーティストやクリエイターたちがクリエイティブに活動しているように、スタートアップやベンチャーも「事業を創る」「事を起こす」という意味では彼らと同じクリエイターです。私たちは天王洲というフィールドを舞台に、若いアーティストやクリエイターが集まるような街づくりを行い、様々な新しいものを発信できる場所にしていきたいと考えています。

――確かに近年の寺田倉庫は「街づくり」や「アート」に関する事業を積極的に展開している印象を受けます。その理由についてもお聞かせいただけますか?

月森氏 : そもそもの寺田倉庫の事業は、不動産や倉庫のような場所・スペースを提供することで成り立っています。そのため、場所・スペースのさらなる有効活用を目指すという事業目線での理由が大きいです。もともと美術品をお預かりする事業は長年に渡り展開しておりました。今ではお預かりするだけでなくアートに関連する様々な事業を展開しており、その一環としてアーティストの支援・育成にも注力しております。

このような当社のスタンスは、スタートアップの支援・育成についても同様です。アートにしてもスタートアップにしても「新たな変革を生み出す土台となる場所を作っていきたい」という想いが、私たちの考え方のベースとなっています。

▲「Creation Camp TENNOZ」の舞台となるのは、水辺とアートの街、天王洲(東京・品川区)。羽田空港や品川駅からも近く、空路・陸路のアクセスも良好。募集するスタートアップの拠点エリアは問わないため、全国どの地域からでも応募が可能だ。

JALやコクヨなど、大手サポート企業とも接点を持てる様々な機会を提供

――今回が2期目となる「Creation Camp TENNOZ」の特徴について教えてください。

月森氏 : 私たちはスタートアップの誘致だけではなく、スタートアップの創造・育成から行うべきだと考えています。クリエイティビティが引き出せる水辺とアートの街、天王洲にあるインキュベーション施設は2年間無償で利用することができます。

スタートアップの育成に関しては、専門性と実績を備えたメンターが全面的にサポートするほか、私たちも一緒になってスタートアップの事業成長・企業成長に関わっていきます。また、スタートアップの為の街づくりという観点では、寺田倉庫一社の力だけでは不十分です。そのため採択スタートアップに対しては、天王洲に立地するサポート企業各社と関わりを持てるような様々な機会と場を提供していきます。

たとえば「Creation Camp TENNOZ」のサポート企業である日本航空さんは、天王洲で事業開発とオープンイノベーションのオフィス「JAL Innovation Lab」を運営しています。同じくサポート企業のサツドラホールディングスさんも「EZOHUB TOKYO」というリージョナルインキュベーションオフィスを天王洲に開設しています。天王洲という小さな島の中に、大企業とスタートアップが交流できる施設が次々とオープンしていることもあり、各社と協力・連携することで様々な取り組みを実施できると考えています。

――昨年10月から第1期の採択企業9社(※)への支援がスタートしていますが、昨年度のプログラムの所感について教えてください。

月森氏 : 昨年度のプログラムでは210社からのご応募をいただきました。全体感としては、エンタメ、業務改革DX、ヘルスケア、教育、育児といった事業を手掛ける企業が多かった印象です。

最終的に採択させていただいた9社に関しても、アニメ、音楽、育児、ヘルステック、自動車、家具など、幅広い領域のスタートアップが揃っています。プレシードやシードのスタートアップを募集しましたが、採択企業の皆さんは、それぞれに豊富な経験を持った上で起業されていると感じました。

※第1期採択企業は、Creator’s X、Mobility Dock 、BetterDays、KNOTTER、My Fit、JOYCLE、HKSK(ハクシキ)、OIKOS MUSIC、verbal and dialogueの計9社となる。

▲採択企業は、倉庫をリノベーションしたインキュベーション施設を2年間無償で利用可能。定期的なイベントや勉強会なども開催されている。

――採択スタートアップ各社から好評を得ている支援内容などはありますか?

月森氏 : 1000万円の出資はもちろんですが、場所の提供についても感謝いただけることが多いです。当社の代表(代表取締役社長 寺田航平氏)も月に1回ほどインキュベーション施設を訪問してスタートアップの方々との壁打ちを行っていますし、私たち事務局スタッフもスタートアップの方々の要望をお聞きした上で企業や人をつなぐといったサポートを実施しています。

また、天王洲で実施している様々なアートイベントにスタートアップを招待し、アートの世界を感じる体験を提供するなど、天王洲という立地ならではのサポートも非常に喜ばれています。

――先ほどサポート企業との連携についての話がありましたが、すでに取り組まれていることはありますか?

月森氏 : 日本航空さんとは今年から「JALナイト」というイベントを定期的に実施しています。採択スタートアップ9社が参加し、日本航空さんの事業内容や取り組み内容についての説明を聞いたり、スタートアップ側から日本航空さんにアイデアを提案するなど、様々なセッションを行いました。

また、今度は日本航空さんと同じような座組でサポート企業の一社であるコクヨさんとセッションを行う「コクヨナイト」を実施する予定です。今後もこのような形で、採択スタートアップとサポート企業との様々な接点を作っていく予定です。

寺田倉庫やサポート企業と共に、天王洲を盛り上げてほしい

――2期目を迎える「Creation Camp TENNOZ」の企業募集に際して、ジョインしてほしいスタートアップのイメージをお聞かせください。

月森氏 : 第1期の採択スタートアップ9社の事業がバラエティに富んでいるように、今回も事業領域の制限はありません。また、応募企業の現時点での所在エリアも不問です。ただし、冒頭でもお話したように「Creation Camp TENNOZ」は、天王洲の街づくりと密接に結びついているインキュベーションプログラムです。

だからこそ、この天王洲の環境を好きになっていただき、寺田倉庫やサポート企業と一緒になって「天王洲を盛り上げていこう」という想いを持っていただけるスタートアップを歓迎したいです。また、アートや物流の領域に限らず、私たち寺田倉庫やサポート企業とタッグを組んでの共創を想像できる企業の応募にも期待しています。

――JALやコクヨとのコラボレーションの話がありましたが、寺田倉庫との共創やコラボレーションも可能でしょうか?

月森氏 : はい。当社のリソース・アセットを活用することで拡大が望めるような事業をお持ちのスタートアップに関しては、各事業部との連携をサポートします。実際に第1期の採択企業に関しても、アニメ関連のサービスを行うスタートアップ(Creator's X)と当社の事業部門との連携をサポートしました。

――「Creation Camp TENNOZ」への応募を検討している企業に向けてのメッセージをお願いします。

月森氏 : 天王洲は、事業創出に必要な思考を巡らせつつ、クリエイティビティを引き出せる魅力的なエリアであり、サポート企業も集積しています。皆さんには、天王洲という場所を存分に活用して事業創出や実験に取り組んでほしいと考えていますし、私たちも全力でサポートしていくつもりです。

また、インキュベーション施設には、すでに9社のスタートアップが利用しており、2期以降は20社の仲間が集まることになります。スタートアップ同士で協力し合ったり、刺激を与え合ったりできる環境も整いつつあるので「他企業と一緒に成長していきたい」「新しい価値観を一緒に作っていきたい」と考える方々にとっても最適な場所になるはずです。皆さんからのご応募を心よりお待ちしています。

取材後記

インタビューに際して月森氏は「天王洲は小さな島に過ぎない。ただ、小さな島だからこそ企業間連携がしやすく、屋外の空間を使ったイベントなども進めやすい環境がある。天王洲という島全体にスタートアップ連携・育成の取り組みが広まっていけば、全国の中でも稀有な特徴を持った地域になる」と語っていた。

「Creation Camp TENNOZ」の採択企業となることで、寺田倉庫からの出資(1社1,000万円)、インキュベーション施設への2年間の無償利用といった様々な参加メリットが得られるが、天王洲というポテンシャルの高い街の一員となり、様々な刺激を受けながら事業を磨き上げられる環境面での魅力も大きいことは間違いない。寺田倉庫が中心となって進める天王洲の街づくりに自社の事業成長をリンクさせたい方は、ぜひ今回のチャンスを活かしてほしい。

※「Creation Camp TENNOZ」第2期生の募集詳細はこちらをご確認ください。

(編集:眞田幸剛、文:佐藤直己、撮影:齊木恵太)

新規事業創出・オープンイノベーションを実践するならAUBA(アウバ)

AUBA

eiicon companyの保有する日本最大級のオープンイノベーションプラットフォーム「AUBA(アウバ)」では、オープンイノベーション支援のプロフェッショナルが最適なプランをご提案します。

チェックする場合はログインしてください

コメント1件

  • 眞田 幸剛

    眞田 幸剛

    • eiicon company
    0いいね
    チェックしました