
微細藻類の研究開発を手がけるガルデリア、4億円の資金調達を実施—製品開発と研究領域を拡大へ
微細藻類の研究開発を手がける株式会社ガルデリア(以下「ガルデリア」)は、荒川化学工業株式会社(以下「荒川化学」)および新日本電工株式会社(以下「新日本電工」)からの出資を受け、J-KISS(新株予約権型投資契約)を活用した総額4億円の資金調達を完了した。これにより、製品開発・事業開発の加速に加え、研究領域のさらなる拡大を目指す。
極限環境に適応する微細藻類「Galdieria」の可能性
ガルデリアは、温泉地などの極限環境に生息する微細藻類「Galdieria(ガルディエリア)」を活用し、環境保全や食糧問題、サーキュラーエコノミー推進といった社会課題の解決を目指している。
Galdieriaの特筆すべき点は、高温・高酸性といった過酷な環境下でも生育可能なことに加え、貴金属を選択的に吸着する能力を持つことだ。この特性を活かし、ガルデリアは都市鉱山や工場廃液からの貴金属リサイクル技術の開発を進めており、5000億円以上の市場規模を持つ国内貴金属回収市場への本格参入を計画している。
さらに、Galdieriaは高い栄養価を誇り、大豆を凌駕するタンパク質やグリコーゲン、抗酸化物質を含むことから、次世代のプラントベース食品としての可能性も秘めている。近年、世界的に深刻化する「タンパク質危機」への解決策の一つとして、食品分野への応用も積極的に推進している。
資金調達の目的と活用計画
今回の資金調達により、ガルデリアは以下の分野に注力する方針だ。
事業開発の推進:貴金属回収市場への参入および新規市場開拓。
生産能力の向上:食品対応可能な月産4トンレベルの工場開発。
人材確保と組織強化:研究員や事業開発メンバーの採用。
研究開発の強化:貴金属吸着技術の深化および食品分野など新領域への展開。
本資金調達に伴い、ガルデリアは出資企業である荒川化学および新日本電工との業務提携を強化し、貴金属回収技術やバイオマス応用分野の共同開発を進める。
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(TOMORUBA編集部)