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【イベントレポート】「OPEN INNOVATIONコンソーシアム」初のミートアップイベントを開催!

【イベントレポート】「OPEN INNOVATIONコンソーシアム」初のミートアップイベントを開催!

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2017年6月にcreww、ビザスク、リンカーズの3社によりスタートした「OPEN INNOVATIONコンソーシアム」。その初のミートアップイベント「OPEN INNOVATIONコンソーシアム MeetUp Vol.1」が9月15日(金)に開催された。

本イベントでは、コンソーシアム立ち上げの3社に加え、新たにコンソーシアムの運営に参画した企業を紹介。さらに後半は、大企業3社によるオープンイノベーション事例や、パネルディスカッションが行われた。会場である「31VENTURES Clipニホンバシ」には多くの人が詰めかけ、オープンイノベーションに対する関心の高さと、同コンソーシアムに対する期待の大きさを伺わせた。

オープニング 〜コンソーシアムについて〜

イベントはCreww株式会社 取締役 水野智之氏による、開催の挨拶からスタートした。

オープンイノベーションに対する関心は、日に日に高まっている。しかし欧米と比較すると、かなり取り組みが遅れていると言われている。従来、自前主義で成長してきた日本企業にとって、オープンイノベーションは馴染みがない。「だからこそ、オープンイノベーションを正しい方法で推進していくための団体が必要。情報やアイデアの提供だけではなく、実行まで支援し、イノベーション創出を加速できるような場にしたい」と、水野氏は熱を込めて語った。

OPEN INNOVATIONコンソーシアム運営チーム

続いて、コンソーシアム設立に携わった3社(Creww、ビザスク、リンカーズ)の紹介が行われた。

Creww株式会社 水野氏

「スタートアップコミュニティ」として始まったCrewwは、数々の大企業のアクセラレータープログラムを運営し、スタートアップの成長を後押ししている。「単に大企業とスタートアップをマッチングするだけでは、オープンイノベーションとは言えない」と、水野氏。マッチング後の実証実験~事業化までしっかりとサポートをしていく。3,100社のスタートアップが登録し、これまで行われたアクセラレータープログラムは91、これまで約390のコラボレーションが創出されたという。(※2017年10月時点)

株式会社ビザスク オープンイノベーション推進室 室長  宮川 晶行氏

スポットコンサルティングプラットフォームを運営するビザスク。新規事業の仮説検証や、ニッチな製品・技術のニーズを探るための調査などに利用されている。登録しているアドバイザーは、現役の役職者を中心に約4万2000名。クロスボーダー案件にも対応し、既に30カ国以上でマッチングを成立させている。新規事業創出の伴走支援サービスや、人材育成といった新たな事業展開も行う。「世界中の知見をつなぎ、イノベーションの創出支援を行っていきたい」と締めくくった。

リンカーズ株式会社 取締役副社長  加福 秀亙氏

中小企業の技術を大企業のニーズにマッチングする、日本最大級のものづくり系マッチングサービス「Linkers」を運営するリンカーズ。東日本大震災を契機に「東北のものづくり企業の復興を支援したい」と、2012年に東北で活動をスタートした。

リンカーズのサービスの核となるのが、全国の産業支援機関に所属する「コーディネーター」の存在。地場産業や企業に精通した彼らの力により、関係者しか知りえない非公開の情報を収集することが可能だ。これにより、従来開発パートナー探しに費やしていた時間・労力・コストを大幅に削減できる、と語った。

新たに運営チームに参画した企業

次に、コンソーシアム運営チームに新たに加わった企業の紹介が行われた。

◆アスタミューゼ株式会社 事業開発部 部長  嶋崎 真太郎氏

2005年設立のアスタミューゼは、技術革新を生み出す「知」にフォーカスした事業を展開している。世界にはイノベーティブな技術や事業アイデアが生み出され続けているが、それらを必要とする人に届かず、多くが埋もれてしまっている。そこでアスタミューゼは、世界80カ国の新事業・新技術・新製品と投資情報データを網羅的に整理している。さらにそのデータベースを専門チームが分析することで、未来の成長産業を独自定義。これらをもとに、新規事業創出やオープンイノベーションを支援している。

◆パーソルキャリア株式会社 eiicon co-founder  富田 直

オープンイノベーションプラットフォームeiiconは、2017年2月のカットオーバー後、既に1700社が登録、450を超えるコンタクトが発生。大企業とスタートアップ間の協業もスタートしている。パーソルキャリアが求人メディアを運営する中で培った、ターゲティングのノウハウを活用した情報掲載が可能だ。Webプラットフォームだからこそ、多様な属性の企業が登録していることも特徴的。特に地方企業が登録社数の40%を占めるという。また、10月13日に開催したイベント「JAPAN OPEN INNOVATION FES 2017」の告知も行った。

◆Aniwo 松山英嗣氏

2014年にイスラエルのテルアビブでスタートしたAniwo。イスラエルで初めて、日本人が創業した会社だという。産官学、そして軍が連携し発展してきたイスラエルは、6000社ものスタートアップが活動している、シリコンバレーに次ぐイノベーション大国だ。インテル、グーグル、マイクロソフトも、重要な開発拠点を置いている。同社は、「Million Times」というスタートアップとインベスターをつなぐマッチングシステムをイスラエルで開発し、日系企業とイスラエルスタートアップの連携を支援している。実際に、上場システム開発企業向けのブレインテック領域における連携先スタートアップの探索~連携支援のプロジェクトが進行中だ。なお、同社は2015年には日本支社創業しており、これまで累計80+のプロジェクトを日系企業に提供している。

◆三井不動産株式会社 ベンチャー共創事業部 事業グループ 主事  光村 圭一郎氏

今回のイベント会場である「31VENTURES Clipニホンバシ」を運営している三井不動産。光村氏が所属するベンチャー共創事業部は、国内市場の成長が頭打ちという状況の中で、三井不動産グループのリソースを活用しながら新規事業を創出すべく、2015年にスタートした組織だ。国内外スタートアップへの出資、ベンチャー向けオフィス運営、オープンイノベーションの取り組みを推進している。

2018年3月オープン予定の「東京ミッドタウン日比谷」では、大企業とベンチャー企業の共創を支援。日本企業のイノベーションを徹底的にサポートしていく。

オープンイノベーション実施企業3社からの事例

次に、スタートアップとの連携を実現している大企業3社が登壇し、実例と共にオープンイノベーションへの取り組みを紹介した。

◆株式会社セブン銀行 常務執行役員 セブン・ラボ  松橋 正明氏

全国2万3000台以上のATMネットワークを擁し、600社を超える金融機関と提携する、セブン銀行。そのATMの開発に携わり「ネジの1本まで自分で全部選んでいた」という松橋氏。Crewwと出会い、外部の新しい風を取り入れていくことの大切さに気が付いたという。そこで同社は、2016年からアクセラレーターをスタート。同年採択したドレミング株式会社との「即払い給与サービス」が、実現に向けて進んでいる。

アクセラレーターを進めていく中で、社内も明らかに変わったという。活性化し、組織や会社を超えた動きがみられるようになった。今後は、次世代ATMの開発に着手するという。そこには、オープンイノベーションが欠かせない。松橋氏は最後に、「イノベーション創出のために、一緒に挑戦し続けましょう」と、呼びかけた。

◆コニカミノルタ株式会社 ビジネスイノベーションセンタージャパン(BIC Japan)インキュベーションリード  甲田 大介氏

コニカミノルタ社のアセットをあえて使わず、新たなものを開発するというミッションを担うBIC Japan。組織が小さいが故に、外部の力を借りざるを得なく、それがオープンイノベーションを加速させている。

「とんでもないものを生み出してしまいました(笑)」と、甲田氏が紹介したのは、大阪工業大学と共同開発した「世界初ニオイ見える化チェッカーKunkun body(クンクン ボディ)」。センサーと機械学習によるパターンマッチングで汗臭・ミドル脂臭・加齢臭を測定、独自のシステムで定量化させ、スマホでチェックできる画期的な製品だ。

通常、製品開発は閉じた環境で進められることが多いが、Kunkun bodyはプロトタイプの段階で2000人ほどの人に体験してもらい、オープンに意見を募りながら製品化させていった。そしてクラウドファンディングでは、3600万円もの支援を集めた。今後は、人だけではなく、空間やモノなどに展開していくという。

◆ヤンマー株式会社 事業創出部 企画部 部長  鶴 英明氏

1912年創業のヤンマー。次の100年を創るために、ブランドイメージの再構築や事業領域の再定義に取り組んでいる。そして、変わっていくためには外部との共創が欠かせないと考え、オープンイノベーションをステートメントに組み込んだという。

「100年ずっと、自前主義でやってきた」という同社では、変革も急には進まないのが現実だ。まずは各事業でどのような課題を抱えているのか、洗い出すところからスタートした。現場の研究開発社員からは当初は反発もあったという。しかしトップダウンで進めていったこともあり、徐々にオープンイノベーションへ理解が進み、相談も寄せられるようになっている。

今後、農業と先進テクノロジーを組み合わせた「アグリテック」領域にも積極的に取り組もうとしている。「農業を変える。ビジネスを変える。変わるのを待つのではなく、自ら変えていかねば」と、鶴氏は決意を語った。

オープンイノベーションの最前線を走る3社によるパネルディスカッション

オープンイノベーションを推進させていく上で、各社どのようなことを行っているのだろうか。ビザスク宮川氏がモデレーターとなり、オープンイノベーション実施企業3社によるパネルディスカッションが行われた。

「オープンイノベーションを実施する上で気を付けるポイント」として、セブン銀行の松橋氏は、「共感」を挙げた。既存事業に携わる人を巻き込み、共感を得ていかねば、何も進まない。また、「やりたい人にやらせる」ことも重要だと話した。セブン銀行のアクセラレータープログラムでは、フラットに良いアイデアを具現化するために、社外のスタートアップだけではなく、社内のメンバーもプレゼンテーションを行う。社員が当事者意識を持ち、自然と「やり切る意欲の高い人材」が残っていく空気ができているという。

「取り組み始める前後で、社内で変化はあったか」という問いかけに対し、セブン銀行、コニカミノルタの2社は「協力的。みんな新しいものを探していたのだろう」と答えたのに対して、ヤンマーの鶴氏は「未だ苦労している、道半ばだ」と変わることの難しさを語った。ただ、クローズドな会社の雰囲気が徐々にオープンになってきている肌感覚は持っている。「各事業や開発に面倒事を押し付けるのではなく、私たちが率先して汗をかき、協力を仰ぐことが大事だ」と、組織を変える意気込みを語った。

「オープンイノベーションを継続させるためのポイント」として、コニカミノルタ 甲田氏は、「人と会うこと」を強調した。誰がどんな技術やアイデアを持っているのか、実際に会ってみないと分からない。だから、会いたいと思ったからには会いに行く。また、会いに行くのは共創パートナーだけではない。「お客様に会うことも重要です。作ったものを実際に使ってもらい、反応を直に見なければ。様々な面でオープンであることが大事ですね」

パネルディスカッション終了後は、懇親会が行われた。会場がとても狭く感じられるほど集まった人々の熱気は鎮まることなく、オープンイノベーションに関する活発な議論が繰り広げられた。

取材後記

最後に、コンソーシアムに期待することとして、ヤンマー 鶴氏が語った言葉が印象的だった。「オープンイノベーションに限らず、様々な人と会うことで何かが起こる。そんな場に引きずり込む力が、コンソーシアムにはあるのではないだろうか。ここに来ると、元気になれる。その元気を糧として、会社の中でまた戦う。エネルギーに満ちた場であって欲しい」

OPEN INNOVATIONコンソーシアムで生まれた共創事例やノウハウをオープンに活用できれば、日本のイノベーションはより加速していくだろう。

(構成:眞田幸剛、取材・文:佐藤瑞恵、撮影:加藤武俊)

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