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リージョナルフィッシュ | NTTグループなど6社とのオープンイノベーションにより事業化を加速

リージョナルフィッシュ | NTTグループなど6社とのオープンイノベーションにより事業化を加速

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リージョナルフィッシュ株式会社は、日本電信電話株式会社(NTT)、東日本電信電話株式会社(NTT東日本)、株式会社NTTドコモ(NTTドコモ)、宇部興産株式会社、株式会社荏原製作所、株式会社電通とそれぞれ連携協定を締結したと発表した。

品種改良⇒スマート養殖⇒ブランディングのバリューチェーンで各社の強みを活かし、まずは京都府および富山県にて実証プロジェクトを開始する。また本連携に合わせ、株式会社NTTドコモ・ベンチャーズ、宇部興産、荏原製作所からは資金調達も行った。加えて、経済産業省近畿経済産業局による「J-Startup KANSAI」にも選定されたことも発表した。

共創の内容と今後の展開

京都府および富山県の養殖場にて、各社の強みとなる技術を導入し、品種改良⇒スマート養殖⇒ブランディングの全領域で技術提携の成果を検証する実証プロジェクトを開始する。具体的には、以下のような取り組みを実施する。


(1)生育データの取得、一元管理による最適飼育条件の特定

品種改良したマダイ・トラフグを陸上養殖施設で飼養し、⽔質、水温、飼料、衛生管理の記録などの情報をICT/IoTを活用して自動収集し、クラウド上で一元管理する。アカデミアにおける今日の養殖研究のなかでも、マダイ・トラフグの最適飼育条件は未だ特定できていない。今回の取り組みでは、生育データをもとに最適飼育条件(水温、塩分濃度、pH、溶存酸素量など)を特定することを目指す。


(2)成長性をリアルタイムで把握 カメラ画像等による魚体測定システムの検証

水産業においてIoT化・AI化が進展しない理由のひとつに、アウトプット(成長性)をリアルタイムで把握できていないことが挙げられる。今回の取り組みでは、カメラと⾳波を用いて⿂体の大きさを測定し、成長性をリアルタイムで把握することを目指す。これにより、インプット(給餌量)とアウトプット(成長性)を把握し、上記(1)の生育データと組み合わせることで、最適飼育条件をより多面的な視点から導出することが可能となる。


(3)持続可能な水産業へ 半閉鎖循環式陸上養殖の検証

流体・熱制御などの技術を活かした閉鎖循環式陸上養殖システムを構築し、品種改良された魚を用いて、収益性・効率性に係る検証を行う。上記(1)と(2)の生育データや最適飼育条件と合わせ、最適な飼育環境をコントロールすることで、持続可能であり、かつコストに見合う陸上養殖システムの実現を目指す。


(4)飼料の改良および養殖水の利活用

世界的な魚粉・魚油の高騰に伴い、代替飼料の利用が求められている。代替飼料と品種改良を組み合わせることで、魚粉・魚油に頼らない水産養殖の実現を目指す。また、化学的観点から、養殖における水質の改善、循環水の肥料への転用に関する研究開発を行う。これにより、陸上養殖における収益性を改善させることが可能となる。


(5)超高速の品種改良およびスマート養殖のブランディング

農産や畜産とは異なり、従来の水産においては品種改良がほとんど行われてこなかった。そのため、産地や飼料、飼育環境等によるブランディングは多くみられるが、新品種のブランディングに関する知見は蓄積されていない。「新品種×スマート養殖×地域」の特性を生かしたブランディングを図るのみならず、消費者への理解の促進、商品表示とトレーサビリティの確立により市場への浸透を目指す。

また今後の動きとして、京都府および富山県のみならず、全国的な展開を企図しているという。

各社の役割

(1)品種改良

<リージョナルフィッシュ>

・品種改良されたマダイ・トラフグの種苗および飼育ノウハウ、養殖場の提供

・アカデミアとの共同研究の知見、各地域の特性に合った新品種の開発


(2)スマート養殖

<荏原製作所>

・京都府における流体・熱制御などの技術を活かした閉鎖循環式陸上養殖システムの構築、運用

・品種改良された魚の最適飼育環境の再現実証

<宇部興産>

・有機・無機・高分子の素材設計や合成技術、プロセス解析力を最大限に活用した養殖水の浄化や廃棄物の削減・利活用(肥料化・飼料化など)、生育環境制御などの開発

<NTT東日本>

・京都府における、IoTセンサーによるモニタリング機器(水温、塩分濃度、pH、溶存酸素量などを測定)の提供、ステレオカメラとAIを用いた魚体サイズ推定システムの提供

・IoT機器の導入による、陸上養殖でのICT活用の利便性や使用における課題の抽出、IoTセンサーの計測技術・AI技術の効果検証

<NTTドコモ>

・富山県における養殖管理クラウドの実証、LPWAを活用した海洋モニタリング機器の提供

・これまでの海洋モニタリング実績から得た水産養殖のIoT化に向けたノウハウの提供

​<NTT>

・NTTグループ各社への技術の目利き

・課題解決に向けた研究開発


(3)ブランディング

<電通>

・ブランディング、コミュニケーションメッセージの策定や戦略PR支援

・自治体・企業などとのアライアンスおよびプロジェクト推進

※関連リンク:プレスリリース

TOMORUBA編集部

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