葬儀ベンチャーの「よりそう」、6社から総額20億円の資金調達を実施、ライフエンディング・プラットフォームの構築を目指す
株式会社よりそう(以下、よりそう)は、SBIインベストメントなど金融機関系ベンチャーキャピタル計6社を引受先とする第三者割当増資により、総額20億円の資金調達を行ったと発表した。今回の調達を通じ、事業の成長を加速するための人材採用、および提供サービスの認知向上、時代のニーズに合った葬儀プランの提案、ライフエンディング・プラットフォーム確立に向けた新規事業開発に取り組み、人々の老後の不安を一元的に解消するサービスの構築を目指していくという。
よりそうの提供サービス
よりそうは、「よりそうのお葬式」「お坊さん便」「よりそう」の3つのサービスを提供している。「よりそうのお葬式」は、全国一律プランで提供する葬儀サービスで、一日葬や家族葬といった新たな葬儀形式をはじめとした13プランを、必要十分で明瞭な内容で提供しているのが特長だ。また、「お坊さん便」は、全国1,300名のお坊さんと提携し、菩提寺がない人でも電話一本で法要を手配することができるサービスだ。さらに、2018年3月に発表した「よりそう」は、終活から供養にかけて事前に備えることができる、ライフエンディングの総合ブランドだという。
高齢化や核家族化による葬儀・供養の価値観の変化等を取り入れたサービス内容が支持され、2018年度末の累積問い合わせ件数は、2014年度末に比べ「よりそうのお葬式」が約8倍、「お坊さん便」は約13倍にまで達しているという。近年は、終活、葬儀、相続などのすべてが「ライフエンディング」を構成する要素であるという前提のもと、ビジネス構築を進めている。2019年8月現在、加入することで葬儀・供養の特典が受けられる「よりそうメンバー制度」の会員は数万人規模まで成長しているとのことだ。
今回の資金調達の引受先
今回、同社の引受先となったのは以下の6社だ。
■SBIインベストメント
■ジャパン・コインベスト(運営者:三井住友トラスト・インベストメント株式会社)
■新生企業投資
■ナントCVC2号ファンド(南都銀行とベンチャーラボインベストメントが共同で設立したファンド)
■山口キャピタル
■AGキャピタル
今後の目標と投資領域
既存サービスの強化に加え、相続や保険、ゆくゆくは介護などの幅広く老後に関わる領域への事業拡大を通じて、ライフエンディングを一連でカバーし、「老後がこわい」を解消するプラットフォームの構築を目指す。この目標に向け、今回調達した資金をもとに、(1)事業成長を加速するための人材採用 (2)提供サービスの認知向上(3)時代のニーズに合った葬儀プランの提案 (4)ライフエンディング・プラットフォーム確立に向けた事業領域の拡張 に注力していくという。
出資者からのコメント
<SBIインベストメント 廣田 航輝氏>
「少子高齢化が進む中、ライフエンディング・プラットフォームという壮大なビジョンを掲げるよりそうの成長を確信しております。今回の出資以降、当社グループの有する金融機関のネットワークを活用し、ネット葬儀社からライフエンディング・プラットフォーマーへとよりそうの更なる展開へと支援させて頂きます。」
<新生企業投資 郡司 亮氏>
「ライフエンディング市場は日本で確実に伸びていく市場であり、ユーザーである中高年の情報リテラシーの向上に伴い、価格の透明性が求められています。核家族化が進んでいく中で、家族葬などシンプルなお葬式への需要も高まっており、よりそうが提供するサービスに対するニーズは大きいと考えております。よりそう社は芦沢CEOをはじめとして、これまで不透明であったレガシー業界にインパクトを与え、健全なライフエンディング市場の発展を促す強い使命感に溢れたメンバーで運営されています。当社としましては、社会的な意義も大きい会社として、今後の成長をご支援していきたいと考えております。」
<ナントCVC2号ファンド>
「よりそう社は、芦沢社長をはじめとする強力な経営陣の下、ライフエンディング市場におけるプラットフォーマーとして大きく成長していくと確信しています。レガシー業界にテクノロジーを導入し、顧客が不安になる点とパートナー企業が不安になる点を丁寧に解消していくことで、より透明性のある葬儀を実現しています。彼らの人の気持ちによりそうビジネススタイルは、これからも多くの共感を生んでいくと思います。当ファンドとしては、今後の更なる成長の一助となるべく支援させて頂きます。」
<AGキャピタル 羽生 広氏>
「人生に終わりが有る限り、よりそうの事業に終わりは有りません。弊社はよりそうと金融分野での協業を視野に投資を決定しました。今回の増資でよりそうはお葬式の会社から金融を含む総合的なプラットフォーム企業に成長する事を期待しています。また、よりそうは『五反田バレー』発起人の一社でもあり、周辺のベンチャー企業との繋がりも職場環境の大きな魅力です。」
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(eiicon編集部)