サイバーエージェントの研究開発組織「AI Lab」、大阪の商業施設でロボットによる接客・広告の実証実験を実施
株式会社サイバーエージェントにおける研究開発組織「AI Lab」は、大阪市(委託先:AIDOR共同体)が開催するIoT・ロボットビジネス実証実験支援プログラム「AIDOR(アイドル)エクスペリメンテーション」において、大阪大学・立命館大学との3者共同研究グループによる接客ロボットの実証実験を、2019年7月16日(火)から8月4日(日)にかけて、大阪南港の複合商業施設「アジア太平洋トレードセンター(ATC)」にて実施する。
近年、生産年齢人口の減少による人手不足などの社会課題に対し、ロボットを活用したサービスに期待が集まっている。このような背景のもと、接客や広告媒体としてロボットを活用することで、店舗の省力・省人化や広告効果向上を目指し、共同研究グループではAIを活用した研究に取り組んでいる。
このたび、共同研究グループでは人が行き交う商業施設を実証フィールドに、心理学的な知見に基づいた動作を実装したロボットを設置し、通行人に対して協力店舗を推薦し誘導を行う実証実験を実施する。今回は主に、「通行人をロボットの前に立ち止まらせる動作生成」と「通行人をロボットの前で滞留させる動作生成」についての検証を行う。
<実施イメージ>
今後、共同研究グループでは実証実験を通して得た結果をもとに、ロボットによる接客・広告技術の研究を進め、実用化に向けて取り組んでいくという。
■IoT・ロボットビジネス実証実験支援プログラム 「AIDOR(アイドル)エクスペリメンテーション」
大阪市が開催。「未来社会の実験場」をコンセプトとする2025年の大阪・関西万博に向けて、実証事業支援を行い、大阪における新たなビジネス創出に取り組んでいる。
https://teqs.jp/experimentation
■実施概要
<実施名称>
公共空間における接客ロボットの実証実験
<実施主体>
共同研究グループ
○株式会社サイバーエージェント AI Lab(代表:馬場 惇氏)
○大阪大学 大学院 基礎工学研究科 石黒研究室 (代表:石黒 浩氏)
○立命館大学 情報理工学部 ヒューマンロボティクス研究室(代表:岡藤 勇希氏)
株式会社サイバーエージェントと大阪大学大学院基礎工学研究科では、これまでも先端知能システム共同研究講座を発足させ、ロボットなど対話エージェントによる接客対話の自動化に関する研究開発を進めてきた。そこに立命館大学情報理工学部ヒューマンロボティクス研究室も参画し、3者による共同研究としてロボットなど対話エージェントによる接客・広告技術の確立や科学的知見の獲得を目的とした研究開発を行っている。
<内容>
共同研究グループでは、接客ロボットに必要な要素技術として「通行人の行動の認識・予測」「通行人の注意を惹き付けるロボットの動作生成」があるという仮説を設定し、今までにホテルのロビーやオフィスで実証実験を重ね、接客ロボットに必要な技術についての効果検証を行ってきた。
今回の実証実験では、ロボットが通行する人に株式会社サイバーエージェントのノベルティグッズの推薦を行う中で、主に「通行人をロボットの前に立ち止まらせる動作生成」と「通行人をロボットの前で滞留させる動作生成」についての検証を行う。
また、ロボットは卓上型のコミュニケーションロボット「Sota®(ソータ)」※1を使用。小型で場所を選ばずに設置できることから、狭い店舗での導入にもつなげていくことが可能になるという。
※1 「Sota®(ソータ)」はヴイストン株式会社の登録商標です。
<検証項目>
・商業施設における通行人の行動や属性を認識する技術の実用性検証
・ロボット動作に対する通行人の行動変化(興味を示す、立ち止まる、ロボットとのコミュニケーション)
※実証実験の実施にあたっては、ATC内の店舗である「めんたいパーク大阪ATC」の協力のもと、同店舗への誘導を行う。
<実施期間>
2019年7月16日(火)~8月4日(日)
<実施場所>
大阪南港ATC ITM棟2F
※関連リンク:プレスリリース
(eiicon編集部)