AIアグリテック開発を手がけるABC、愛知県大府市に2万株規模の「イチゴ自動収穫ロボット」研究圃場を開設
ABC株式会社は2026年9月1日、開発を進めるイチゴ自動収穫ロボットの実証実験を目的とした約50aの研究用圃場を愛知県大府市に開設すると発表した。
2026年9月より圃場整備に着手し、高設栽培ハウスへ約2万株のイチゴ(品種:よつぼし)を定植。苗の育成から栽培管理、収穫までを同社が一貫して担い、2026年12月よりAIによる自動収穫の実証実験を開始する。なお、本事業は愛知県の「新あいち創造研究開発補助金」に採択されている。
収穫ロボット開発の障壁「実証環境の不足」を自社栽培で克服
農業就業人口の減少が進む中、収穫作業にかかる労働負荷が大きいイチゴ栽培において自動化への期待が高まっている。しかし、従来のロボット開発では、生産者の営利圃場を借りて試行錯誤を行う必要があるため、「果実を傷つける恐れのある実験ができない」「データの収集条件を統一しにくい」といった「実証の場」に関する課題が存在していた。
ABCはこの課題に対し、苗の育成段階から自社で完結する「自社育苗・自社栽培・自社実証」の一貫体制を採用。失敗を許容できる開発環境を自前で確保することで、以下のような強みを発揮する。
・徹底的な検証: 失敗を恐れず果実の損傷を伴う動作テストや境界条件の試行が可能。
・高精度な学習データの取得: 栽培履歴や条件を完全に把握・制御した状態でAI学習データを収集。
・現場目線の改善: 「ロボットが収穫しやすい栽培方法」の検討とロボット開発を同時に進行。
自律走行とAI認識で自律的な収穫を実現、他作物への展開も視野
同圃場で開発されるロボットは、カメラ画像から果実の位置や熟度をAIで認識し、収穫の可否判断から摘み取り動作までを一貫して行う。自走式車体と組み合わせることで、ハウス内での自律的な収穫を目指す。
今後は、実証データをもとにロボットの改良を進めるほか、開発したプロダクトの販売・普及は100%子会社のアグリノード株式会社が担当。グループ全体で開発から現場導入までのエコシステムを構築する。さらに将来的には、イチゴ以外の農作物にも対応可能な「汎用型AI自動収穫ロボット」のテスト場としても同圃場を活用していく方針だ。
関連リンク:プレスリリース
(TOMORUBA編集部)