光量子コンピュータ開発のOptQCがシリーズA2で70億円を調達——NTTを筆頭に大手21社・機関が参画、累計調達・補助金は200億円超へ
光量子技術による持続可能な次世代計算基盤の実現を目指すディープテックスタートアップ、OptQC株式会社は、NTT株式会社をリードインベスターとする第三者割当増資(シリーズA2)を実施し、総額70億円の資金調達を完了した。今回の資金調達により、同社の累計資金調達額は91.5億円に達し、獲得済みの補助金を含めた累計獲得金額は200億円を突破した。
常温常圧で動作する「光量子」への圧倒的期待——クロスインダストリーの参画が加速
計算力の爆発的需要や既存半導体の電力限界が課題視される中、大規模な冷却設備を必要とせず常温常圧で動作可能な「光量子コンピュータ」は、次世代計算基盤の本命として世界的に開発競争が激化している。
本ラウンドには、リード投資家のNTTをはじめ、通信、エレクトロニクス、航空、精密機器、金融、不動産など、日本の産業界を牽引する主要プレイヤーやベンチャーキャピタル、公的機関を含めた計21社・機関が結集した。
本ラウンドに参加した投資家一覧
リード投資家
・NTT株式会社
事業会社(CVCからの出資を含む)
・キヤノンマーケティングジャパン株式会社
・京セラ株式会社
・株式会社島津製作所
・住商ベンチャー・パートナーズ株式会社
・ニッセイ・キャピタル株式会社
・みずほキャピタル株式会社
・三菱地所株式会社(BRICKS FUND TOKYO)
・三菱電機株式会社
・三菱UFJキャピタル株式会社
・ANAホールディングス株式会社
・KDDI株式会社
・NGK株式会社
・SBIホールディングス株式会社
・SMBCベンチャーキャピタル株式会社
独立系ベンチャーキャピタル
・グローバル・ブレイン株式会社
・デライト・ベンチャーズ
・未来創生3号ファンド(運営者:スパークス・アセット・マネジメント株式会社)
・モバイル・インターネットキャピタル株式会社
・SBIインベストメント株式会社
公的機関
・国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)
単なる財務的投資にとどまらず、将来的な産業利用(新素材開発、創薬、物流最適化、金融エンジニアリングなど)を見据えた多様な業界との連携・共同実証を見据えた強固なオープンイノベーション基盤が構築された形だ。
資金調達の目的と今後の展望
今回調達した70億円は、主に以下の重点分野へと充当される。
・次世代光量子プロセッサの開発加速: 常温常圧動作の強みを維持しつつ、量子ビット数の拡張および大規模スケールアップに向けたハードウェア・制御技術の研究開発を推進。
・多角的な優秀人材の獲得: 量子光学、電気・機械・制御工学、ソフトウェア/アルゴリズム開発などのエンジニアに加え、産業実装・事業開発を牽引するビジネス人材の採用を大幅に強化。
ディープテックのエコシステム構築と社会実装に向けた期待
大学・研究機関発の要素技術を実用化フェーズへと引き上げるためには、長期的かつ大規模な資本供給と、実証フィールドを提供する産業界との密接な連携が不可欠である。
今回のOptQCによる超大型資金調達は、日本発の量子技術がグローバルなデファクトスタンダードを獲得するための重要なマイルストーンとなる。産学官・多業種を巻き込んだ強力な共創体制のもと、光量子コンピュータが切り拓く新たな産業基盤の誕生に大きな注目が集まる。
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(TOMORUBA編集部)