レーザー加工ディープテックのQuantec、ごうぎんキャピタルから1億円を資金調達——次世代半導体やEV領域の大型案件本格化に向け生産・検証体制を強化
レーザープロセスを物理現象レベルから解析し、最適な加工条件を設計するスタートアップの株式会社Quantec(以下、Quantec)は、ごうぎんキャピタル株式会社が運営する「ごうぎんご縁結び1号投資事業有限責任組合」を引受先とした第三者割当増資を実施し、総額1億円の資金調達を完了したと発表した。
同社は2026年4月の資金調達以降、想定を上回るスピードで年間数億円規模の大型量産案件等の引き合いを複数獲得してきた。今回の調達を通じて、複数の大型プロジェクトを確実にデリバリーするための生産能力拡充やデモ・テスト加工環境の強化、それに伴うコア人材の確保を本格化させる方針だ。
Quantecの強み:「プロセス起点」のアプローチ
従来型のレーザー加工においては、手持ちの光源や装置を前提とした「装置ありき」の加工設計が一般的であった。これに対しQuantecは、目的とする加工結果から逆算して最適なレーザーパラメータ(波長、パルス幅、出力、照射条件)を設計する「プロセス起点」のアプローチを採用している。
特定メーカーに依存しないソースアグノスティック(光源フリー)な設計思想により、市販光源の最適組み合わせで高品質・低コスト・高生産性を同時に実現する。従来は高価な超短パルスレーザーが必須とされていた高難度加工に対しても、安価なナノ秒レーザー等の最適制御によって新たな選択肢を提示している点が同社の強みだ。
資金調達の目的と今後の展望
今回調達した資金は、急速な事業拡大に伴う生産基盤および実証体制の強化へ充当される。具体的な使途は以下の通りだ。
・大型受注に対応する生産能力・インフラの拡充
複数並行する大型量産装置の設計・組み上げ・検証をタイムリーに実行するため、電源系統の整備や評価用測定器の拡充など、製造に関わる設備インフラへ投資し生産キャパシティを大幅に向上させる。
・最先端レーザープロセスの検証(デモ環境)強化
次世代半導体パッケージ(次世代ABFやガラス基板等)やEVなどの最先端領域に向け、デモ・評価用のレーザー加工検証環境を強化する。
・事業拡大を支えるコア人材の確保・育成
同社のコア技術である「プロセスパラメータ設計」の最適化およびデータ蓄積を推進するため、プロセスエンジニアをはじめとする優秀な人材の獲得と育成を進める。
Quantecは、先端素材への対応や難加工領域における技術力を武器に、次世代インフラの構築とものづくり産業のアップデートを目指していく。
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(TOMORUBA編集部)