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経産省×東京科学大学×Magic Shieldsの共同研究 転倒による骨折を防ぐ床材「ころやわ」が国際誌掲載で医学的エビデンスを獲得

経産省×東京科学大学×Magic Shieldsの共同研究 転倒による骨折を防ぐ床材「ころやわ」が国際誌掲載で医学的エビデンスを獲得

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高齢化の進展に伴い、転倒による骨折予防が世界共通の課題となるなか、転倒衝撃吸収床材「ころやわ®」の骨折予防効果を示す研究成果が国際的な学術誌に掲載された。株式会社Magic Shieldsは2026年6月8日、東京科学大学および経済産業省の支援のもと進めてきた共同研究の論文が、国際学術誌『Biocybernetics and Biomedical Engineering』に掲載されたと発表した。

今回掲載された論文は、「転倒しても骨折しにくい環境づくり」という新たな発想の有効性を科学的に検証したものだ。高齢者の転倒骨折という社会課題に対し、日本発の技術と研究成果が国際的な評価を獲得した形となる。

年間20万件発生する大腿骨近位部骨折

高齢者の転倒事故は、要介護化や寝たきりにつながる重大な要因の一つである。なかでも大腿骨近位部骨折は深刻で、日本国内では年間約20万件発生しており、2040年には32万件に達すると推計されている。

骨折後は自宅での生活継続が難しくなり、介護サービスへの移行を余儀なくされるケースも少なくない。医療費や介護費の増大は社会全体の負担となっており、超高齢社会を迎えた日本にとって喫緊の課題となっている。

これまで骨折予防策として、骨粗しょう症治療薬や運動療法、ヒッププロテクターなどが活用されてきた。しかし、継続利用の難しさや転倒そのものを完全に防げないという課題があり、決定的な解決策には至っていなかった。

「転ばせない」から「転んでも骨折させない」へ

こうした状況のなか、Magic Shieldsが開発したのが転倒衝撃吸収床材「ころやわ®」だ。

同製品は、独自のメカニカルメタマテリアル構造を採用。通常歩行時や車椅子利用時には硬く安定した床として機能する一方、転倒時には衝撃に応じて変形し、人体への衝撃を吸収する仕組みを備えている。

従来のスポンジマットは衝撃吸収性能が高い反面、歩行時の不安定さが課題だった。「ころやわ®」は安全性と日常利用のしやすさを両立する点が特徴で、2021年には経済産業省主催のジャパンヘルスケアビジネスコンテスト(JHeC)でグランプリを受賞し注目を集めた。

その後、医学的エビデンスの構築を目的として、東京医科歯科大学(現・東京科学大学)との共同研究がスタートした。

CTデータを活用し骨折予防効果を検証

研究チームは有限要素法(Finite Element Method)と呼ばれる数値解析技術を活用し、実際に大腿骨近位部骨折を受傷した高齢女性のCTデータから三次元骨モデルを作成した。

さらに、転倒時の衝撃を再現する解析モデルを構築し、コンクリート床の上に異なる床材を設置した場合の骨への影響を比較した。

解析の結果、医療・介護施設で一般的に使用される2ミリ厚のビニルシートでは、大腿骨近位部に大きな負荷が加わり、骨形状が破壊されることが確認された。

一方、「ころやわ®」は転倒時の最大反力を抑制し、弾性反発によって骨形状を維持することが判明。骨折予防効果は40ミリ厚のスポンジマットと同等でありながら、歩行時の安定性も確保できることが示された。

また、本研究で構築された解析モデルは、実際の被験者に危険を伴う転倒実験を行うことなく、床材の性能を評価できる点でも大きな意義を持つ。素材や形状、厚みなどを変更したシミュレーションも可能であり、今後の次世代床材開発を加速する基盤技術としての活用が期待されている。

産官学連携から生まれた日本発の高齢社会ソリューション

今回の成果は、経済産業省が運営するHealthcare Innovation Hub(InnoHub)を通じて実現した産官学連携プロジェクトでもある。スタートアップ、大学、行政が連携し、社会課題解決に向けた研究開発を推進した好事例として注目される。

大腿骨近位部骨折に関連する医療費・介護費は年間約2兆円にのぼるともいわれる。高齢者のQOL向上に加え、社会保障費の抑制という観点からも、「ころやわ®」のような環境側からのアプローチへの期待は大きい。

世界でも類を見ないスピードで高齢化が進む日本。その最前線で生まれた技術と科学的エビデンスが、国際社会に向けて発信された意義は大きい。今回の国際誌掲載は、日本発の高齢者支援技術が世界標準へと発展する可能性を示す重要な一歩となりそうだ。

関連リンク:プレスリリース

(TOMORUBA編集部) 

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