京急電鉄×ジョサンシーズ、ホテルステイ型産後ケアの実証実験を横浜で実施 助産師常駐の新たな子育て支援モデルの検証へ
株式会社Josan-she's(ジョサンシーズ)は2026年6月5日、京浜急行電鉄株式会社と連携し、ホテルステイ型産後ケアサービス「ヨリドコロ。」の第2弾実証を、7月7日から17日までの期間限定で実施すると発表した。会場は横浜・みなとみらいエリアの「京急EXホテル みなとみらい横浜」。助産師や看護師、保育士などの専門スタッフによる育児支援を受けながら、産後の母親や父親が心身を休められる環境を提供する。
ホテルを活用した、ちょうどよい産後ケア
今回の実証は、「産後つらくなった時に頼れる、“ちょうどよい”ホテルステイ産後ケア」をコンセプトに掲げる。産後ケア施設と自宅育児の中間に位置するサービスとして、必要な時に必要な分だけ利用できる柔軟な仕組みを目指す。
サービス提供期間中は、ホテル内に助産師などの専門スタッフが常駐。利用者は託児サービスや授乳・育児相談を受けながら、ホテル客室で休息することができる。近年、産後うつや「孤育て」が社会課題として注目されるなか、家族や地域から十分な支援を得られない家庭に向けた新たなサポートモデルとして期待される。
第1弾実証で見えた高いニーズ
ジョサンシーズと京急電鉄は2026年1月、京急蒲田駅前のホテルで第1弾実証を実施した。募集開始後、多くの応募が集まり、利用者からは「こんなサービスが欲しかった」といった声が寄せられたという。
この結果を受け、第2弾では利用者の声を反映し、日帰りプランを新設。さらに利用者自身が必要なサービスを選択できる「セレクトスタイル」を採用し、多様なニーズへの対応を図る。
駅徒歩1分 必要なケアを自由に選択
今回の実証の特徴の一つが高い利便性だ。会場となる京急EXホテル みなとみらい横浜は、みなとみらい線・新高島駅から徒歩約1分、横浜駅からも徒歩約8分というアクセスの良さを誇る。公共交通機関で気軽に利用できることから、宿泊だけでなく日帰り利用のハードルも低い。
また、基本料金に加えて必要なケアメニューを追加する仕組みを採用。短時間利用や夜間利用など、それぞれの家庭事情や予算に合わせた利用が可能となる。
基本サービスにはホテル客室での滞在、赤ちゃんの託児、ミルクや沐浴対応、助産師などへの育児相談・授乳相談が含まれる。さらに利用者は自身の状況に応じてオプションサービスを選択できる。
有資格者による安心の育児サポート
託児を担当するのは助産師、看護師、保育士などの有資格者のみ。生後0〜12カ月までの乳児を対象に、月齢に応じた育児相談や見守りを実施する。
育児の悩みや不安を専門家に直接相談できることに加え、赤ちゃんを預けて睡眠や休息を確保できる点も大きな特徴だ。産後の疲労や睡眠不足が深刻化しやすい時期だからこそ、「少しだけ誰かに頼りたい」というニーズに応える仕組みとなっている。
京急グループの新規事業創出から誕生
「ヨリドコロ。」は、京急グループ社員発の新規事業創出プログラム「ICHIRYU(一粒)」から生まれたプロジェクトでもある。
同プログラムは社員一人ひとりのアイデアを事業化につなげる取り組みで、「産後ケアをもっと身近な存在にしたい」という社員の提案が今回の実証につながった。2024年のリニューアル以降、すでに複数の事業案が検証フェーズに進んでいるという。
潜在助産師の活躍機会創出も
ジョサンシーズは、助産師を中心とした専門職の新たな働き方を創出するスタートアップだ。訪問ケアや産後ケア施設運営、人材サービスなどを展開し、妊娠・出産・育児を支える仕組みづくりを進めている。
国内では約6万人の潜在助産師が存在するとされる一方、産科・周産期医療の現場では人材不足が課題となっている。同社はこうした専門人材の活躍機会を広げることで、妊娠から産後まで切れ目のない支援体制の構築を目指している。
少子化対策や子育て支援の重要性が高まるなか、行政主導の産後ケアに加え、民間企業による新たなサービスモデルへの期待も高まっている。今回の実証は、ホテルという既存インフラを活用しながら、産後ケアをより身近な選択肢へと広げる取り組みとして注目されそうだ。
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(TOMORUBA編集部)