newmo、都内初の自動運転タクシー開発拠点を開設 大阪での実証とレベル4商用化を加速
「移動で地域をカラフルに」をミッションに掲げるnewmo株式会社は2026年5月、東京都大田区の東京流通センター(TRC)内に、自動運転タクシーの開発拠点「Autonomy Garage Tokyo」を開設した。都内初となる同社の自動運転タクシー専用開発拠点として、自社技術の研究開発から車両開発、実装、実証までを一貫して担う。現在約20名規模の開発チームを年内に40名体制へ拡大し、2028年のレベル4自動運転タクシーの商用化に向けた取り組みを加速する方針だ。
深刻化する移動課題に挑む自動運転タクシー事業
日本では人口減少や高齢化を背景に、タクシー乗務員不足が地方だけでなく都市部でも深刻な社会課題となっている。こうした状況を受け、newmoはタクシー事業や人材事業に加え、自動運転タクシー事業「newmo Autonomy」を展開し、次世代モビリティの実現を目指している。
同社は2025年7月に自動運転タクシー事業への本格参入を発表。その後、大阪府の堺市および大阪市と連携協定を締結し、自動運転タクシーの社会実装に向けた実証を進めてきた。特に堺市での取り組みは、国が推進する「自動運転社会実装先行的事業化地域」に選定されており、全国的にも注目を集めている。
今回の新拠点開設は、そうした実証を支える技術開発基盤を強化する狙いがある。
「フィジカルAI」の集積地・TRCを開発拠点に選定
新拠点が設置された東京流通センター(TRC)は、都心部に位置しながら広大な作業スペースを確保できる物流複合施設だ。近年は自動運転やロボティクスなど、いわゆる「フィジカルAI」分野のスタートアップが集積する拠点として注目を集めている。
2025年には、自動運転の実証実験や企業間連携を促進する「平和島自動運転協議会」も発足。newmoも同協議会へ参画しており、平和島エリアは自動運転技術の社会実装を目指す企業や研究機関が集うハブとして発展している。
Autonomy Garage Tokyoでは、自動運転システムの開発だけでなく、車両の組み立てや実装、性能検証までを一体的に行う。これまで十分な作業スペースを確保できず、屋外で車両開発を進める場面もあったというが、新拠点では屋内ガレージと執務スペースを整備し、より効率的な開発環境を実現した。
東京で開発し、大阪で実証する体制を構築
新拠点で開発された自動運転車両は、大阪エリアで進められている実証実験へ投入される予定だ。
大阪では、同社が保有するタクシー事業の運営基盤を活用しながら、実際の走行データを収集・分析し、技術改善を重ねていく。開発拠点と実証フィールドを連携させることで、自動運転技術の実用化サイクルを高速化する狙いがある。
また、newmoは首都圏でも事業展開を進めており、神奈川・東京エリアでは「うみかぜ交通」「湘葉交通」「虎ノ門交通」を設立・運営している。既存のタクシー事業とのシナジーを活かしながら、自動運転技術の社会実装を目指す。
年内に開発チームを倍増 人材採用を強化
拠点開設に合わせ、同社は採用活動も本格化させる。現在約20名の自動運転開発チームを2026年末までに40名体制へ拡大する計画で、ソフトウェア開発や車両開発、シミュレーション、データ解析など幅広い人材の採用を進める。
さらに、自動運転開発チームの活動や技術的な挑戦を発信するため、開発メンバーと交流できるイベント「Beer Bash」も開催予定だ。レベル4自動運転タクシーの実現に向けた技術課題や開発現場のリアルを共有し、業界内外から人材を呼び込む。
newmoの共同創業者兼CTOである曾川景介氏は、「都市型倉庫という環境は自動運転の研究開発に最適であり、近隣にはタクシー事業の拠点もあるためシナジーが期待できる。積極的に採用を進め、この場所から地域の未来を担うモビリティを開発していきたい」とコメントしている。
自動運転技術の開発競争が世界的に加速するなか、newmoは開発拠点の整備と人材強化を通じて、日本発の自動運転タクシーの社会実装に向けた歩みを本格化させている。2028年のレベル4商用化に向け、その動向に注目が集まりそうだ。
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(TOMORUBA編集部)