掘削工事不要の“置くだけ”で時間貸し駐車場を開設 首都高速道路サービス×Raku-Pが、「置くだけパーキング」提供開始
株式会社Raku-Pは5月25日、首都高速道路サービス株式会社と共同で、土木・掘削工事を必要としないAIナンバー認識対応の時間貸し駐車場システム「置くだけパーキング」の提供を開始したと発表した。
同システムは、高精度なAIナンバー認識技術とオンライン決済機能を組み合わせることで、短期間かつ低コストで無人駐車場の開設・運営を可能にするもの。これまで時間貸し駐車場として活用しづらかった狭小地や遊休地、暫定利用地などにおいても導入しやすい仕組みとなっている。
現在は、首都高速道路サービスが運営する「天現寺橋(1)駐車場」(東京都港区南麻布)において実証運用を開始しており、今後の本格展開に向けて運用データの収集と検証を進めていく。
駐車場開設に伴う工事負担を解消
近年、都市部では再開発待ちの土地や小規模な空き地など、短期間のみ活用可能な土地が増加している。一方で、従来の時間貸し駐車場を開設するためには、精算機や関連設備の設置に伴う土木工事や掘削工事が必要となり、導入コストや工期が障壁となっていた。
特に狭小地や短期利用予定地では、設備投資を回収できる期間が限られることから、駐車場事業化を断念するケースも少なくなかった。
今回提供が始まった「置くだけパーキング」は、こうした課題に対応するために開発された。設備を設置するだけで運用を開始できるため、工事期間を大幅に短縮できるほか、撤去や移設も容易で、土地の利用計画変更にも柔軟に対応できる点が特徴だ。
AIナンバー認識とキャッシュレス決済で無人運営を実現
システムの中核となるのが、AIによる車両ナンバー認識技術である。
駐車場利用者は、入出庫時に車両ナンバーをAIカメラで認識されることで利用状況が自動管理される。利用料金の支払いはオンライン上で完結し、キャッシュレス決済にも対応。これにより、従来のようなロック板や現地精算機に依存しない運営モデルを実現した。
さらに、売上データや利用状況はクラウド上で一元管理されるため、管理者は遠隔から運営状況を把握できる。省人化や運営効率化にもつながり、駐車場事業者にとっては管理コスト削減効果も期待される。
人手不足が深刻化するなか、無人化・デジタル化を前提とした駐車場運営モデルへのニーズは高まっており、同システムはその有力な選択肢となりそうだ。
独自機構により“置くだけ設置”を実現
「置くだけパーキング」のもう一つの特徴は、AIカメラの設置を容易にする独自機構にある。一般的にナンバー認識カメラは、認識精度を確保するために細かな角度調整や専門的な設置作業が必要とされる。しかし同システムでは、簡易的な設置環境でも最適な認識精度を確保できる独自機構を採用。この技術については現在、特許出願中としている。
専門工事への依存度を下げることで導入ハードルを低減し、より幅広い土地への展開を可能にした点は大きな特徴といえる。
遊休地活用と都市空間の有効利用に期待
今後Raku-Pは、土地オーナーや不動産会社、駐車場運営事業者などに向けて「置くだけパーキング」の展開を進める方針だ。
人口減少や土地利用ニーズの多様化が進む中、遊休地や未利用地をいかに有効活用するかは全国的な課題となっている。短期間でも収益化できる駐車場ソリューションは、こうした土地活用ニーズに応える手段として注目を集めそうだ。
また、Raku-Pは「移動が楽しい世界にする」をミッションに掲げている。同社は駐車場を単なる車両保管スペースとしてではなく、人や地域をつなぐ場として再定義することを目指している。
例えば、駐車場スペースを地域イベントや縁日の会場として活用したり、子どもたちが自由に絵を描ける空間として開放したりするなど、駐車場の新たな価値創出も構想しているという。
AIやクラウド技術を活用した効率的な運営モデルに加え、都市空間の有効活用や地域コミュニティ形成への可能性も視野に入れる「置くだけパーキング」。今後の実証結果と全国展開の動向が注目される。
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(TOMORUBA編集部)