セーフィー、清水建設など4社が「AI施工管理システム」を共同検証 映像×AI×BIM/CIM連携で“自律型現場”の実現へ
クラウド録画サービスを展開するセーフィー株式会社は、清水建設株式会社、株式会社ウェッブアイ、株式会社コルクの4社で協業し、映像データとAIを活用した「AI施工管理システム」の実証実験を実施したと発表した。
実証は、2025年12月より横浜市内で施工が進む「鶴ヶ峰駅付近連続立体交差工事 第1工区」にて実施。リアルタイム映像から施工サイクルを自動判定し、工程管理や資機材手配までを一気通貫で最適化することで、建設現場の高度な施工管理と業務負荷軽減を目指す。
建設現場で深刻化する“施工管理負荷”
建設業界では、施工管理担当者の業務負荷が大きな課題となっている。現場では日々の進捗確認に加え、写真記録、巡回、報告書入力など多岐にわたる業務が発生しており、品質管理や安全管理といった本来重視すべき業務への集中を妨げる要因となっている。
特に若手施工担当者は、日中の現場対応や移動時間に追われ、施工実績の分析や工程調整、資機材手配の検討といった業務に十分な時間を割けないケースも多い。こうした背景から、現場情報をリアルタイムで取得・分析し、施工管理業務を自動化する仕組みへのニーズが高まっていた。
リアルタイム映像をAI解析し施工状況を自動判定
今回構築された「AI施工管理システム」では、施工箇所付近に設置したウェアラブルクラウドカメラ「Safie Pocket2 Plus」の映像を活用。映像データをAPI経由でAI解析サーバーへ送信し、清水建設が独自開発したAI解析技術によって施工状況を自動判定する。
対象となったのは山留め工事などの工程で、「段取り・マシンセット」「削孔」「H鋼建込み」「モルタル注入」の4工程について、所要時間や必要人工を逐次計測。これらを構造化データとして出力し、施工実績データとして蓄積する。
さらに、作業予定と実績に乖離が生じた場合には、システムが翌日以降の最適な工程計画や資機材手配の修正案を自動提示。現場管理の意思決定を支援する。
BIM/CIMや工程管理ソフトとも連携 工程変更をワンストップで自動反映
本システムの特徴は、単なる映像分析にとどまらず、BIM/CIMや工程管理ツールと高度に連携している点にある。
AI解析によって得られた施工実績データは、コルクが提供するBIM/CIM共有クラウド「KOLC+」および、ウェッブアイの工程管理ツール「工程's Orario」と連携。施工進捗をもとに工事完了時期をシミュレーションし、工程表の後ろ倒し補正や、次工程に必要な資材発注タイミングの修正までを自動実行する。
これにより、これまで分散管理されていた工程情報や施工実績を一元化。従来は工程変更が発生するたびに各システムを個別に修正する必要があったが、その作業負荷を大幅に削減できるという。
4社は今回の取り組みについて、「人の目による確認」と「手入力」に依存してきた従来型の施工管理から脱却し、現場自らが状況を判断して最適な対応を導き出す“自律型現場”のプロトタイプを構築したとしている。
AIエージェントや四足歩行ロボット活用も視野に
今回の実証では、杭打ち作業のサイクル判定から歩掛り計測、工程表自動修正、4Dシミュレーションまでを一貫して自動化する仕組みを構築し、良好な結果を確認したという。
また、施工実績データを継続的に蓄積するプラットフォーム基盤も整備。今後はAI検出精度の向上に加え、省力化効果の定量評価や、他工種への展開も進める方針だ。
さらに将来的には、四足歩行ロボットなどの自律移動体を活用した現場巡回やデータ収集の自動化、AIエージェントによる資材自動発注や協力会社への連絡機能なども検討している。
映像、AI、BIM/CIM、工程管理を連携させた今回の取り組みは、建設現場のAX(AI Transformation)を加速させる事例として注目されそうだ。現場監督が安全性や品質向上といった本質的業務へ集中できる環境整備が進む中、建設業界における“自律型現場”実現への動きが本格化している。
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(TOMORUBA編集部)