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フィジカルAIで布の自動化に挑む Tokyo Artisan IntelligenceとワタキューHDが資本業務提携

フィジカルAIで布の自動化に挑む Tokyo Artisan IntelligenceとワタキューHDが資本業務提携

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AIスタートアップのTokyo Artisan Intelligence株式会社(以下、TAI)は4月30日、ワタキューホールディングス株式会社(以下、ワタキューHD)と資本業務提携を締結したと発表した。両社は、フィジカルAIを活用したリネンサプライ工場の自動化に向けて共同プロジェクトを推進しており、今回の提携を通じて、工場DXの本格展開と医療・介護領域への応用拡大を目指す。

今回の提携では、リネンサプライ業界が直面する深刻な労働力不足を背景に、熟練工の技術や判断をAIとロボティクスで代替する取り組みを強化。TAIのフィジカルAI技術と、ワタキューHDが長年培ってきた現場知見を融合し、従来は人手に頼らざるを得なかった布製品の処理工程の機械化・自動化を推進する。

“布”はAIにとって難題——リネンサプライ業界が抱える構造課題

リネンサプライの現場では、シーツやタオル、衣類といった布製品を扱う。これらは素材ごとに質感やサイズが異なり、形状も一定ではないため、機械による安定的な処理が難しい領域とされてきた。

特に、布特有の「揺らぎ」はロボティクス分野における大きな技術的課題であり、現場では熟練作業者による瞬時の判断や繊細な操作が不可欠だった。一方で、少子高齢化に伴う人手不足が進むなか、こうした“人依存型”の生産体制をいかに維持するかが、業界全体の重要テーマとなっている。

こうした課題を受け、ワタキューHDとTAIは共同プロジェクトを立ち上げ、AIによる布製品の認識技術と、機械制御を組み合わせた自動化システムの開発を進めてきた。

実証で実運用レベルを確認、医療・介護分野へ展開も

両社によるこれまでの実証実験では、AIが布製品を個別に認識し、機械が適切に制御を行う一連のプロセスにおいて、実運用に耐えうる成果を確認したという。

今回の資本業務提携により、リネンサプライ工場における機械化・自動化をさらに加速させるとともに、そこで培われた「非定型物のハンドリング技術」を、医療・介護領域へ横展開していく方針だ。

医療・介護現場でも、人手不足や作業負荷の増大は大きな課題となっている。特に、柔軟物や不定形物を扱うオペレーションは自動化が難しく、多くが人力に依存しているのが現状だ。両社は今回の提携を通じ、リネンサプライ領域で確立した技術を応用し、医療・介護分野の業務効率化や生産性向上にも取り組む構えを見せる。

熟練工の技術をAIへ継承、日本の労働集約産業の変革へ

ワタキューHD 代表取締役社長の村田 清和氏は、「当社が長年培ってきたリネンサプライの工程は、繊細な感覚による人の手によって支えられてきた」としたうえで、「TAI社のフィジカルAI技術は、労働力不足に悩む当社の希望となった」とコメント。自動化による生産性向上に加え、その先にある医療・介護現場への価値提供にも挑戦していく考えを示した。

また、TAI 代表取締役社長 CEO・CTOの中原 啓貴氏は、「布製品のように形状が一定でない素材の扱いは、AI・ロボティクスにおいて最も難易度の高いタスクだった」と説明。そのうえで、「ワタキューホールディングス様が持つ高度な現場知見と、当社のフィジカルAIを融合させることで、従来は不可能とされていた作業の自動化において、実運用レベルの成果を創出することができた」と語った。

さらに、「リネンサプライのみならず、日本のあらゆる労働集約型産業の課題解決に貢献していく」と述べ、今後の技術展開への意欲を示している。

製造・物流・介護など、人手不足が構造課題となる産業領域において、フィジカルAIによる現場DXへの期待は高まっている。今回の提携は、熟練工の技術継承と生産性向上を両立する新たなモデルケースとしても注目を集めそうだ。

関連リンク:プレスリリース

(TOMORUBA編集部) 

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