船場とヤマハ発動機、バイク部品を活用したファニチャーを共創 「YAMAHA MOTOR Regenerative Lab」プロジェクト第2弾として展開
株式会社船場は2026年2月17日、ヤマハ発動機株式会社の共創スペース「YAMAHA MOTOR Regenerative Lab(以下、リジェラボ)」において、バイク部品を活用したファニチャーをヤマハ発動機と共創で企画・デザイン・制作したと発表した。今回の取り組みは同施設におけるプロジェクト第2弾であり、ヤマハ発動機のモノづくりの技術や思想を家具という形で可視化し、空間体験として伝えることを狙いとしている。
リジェラボは、自然・人間性・コミュニティをより良い状態へ再生する「Regenerative(再生)」の思想を掲げ、2024年10月に横浜・みなとみらいに開設された共創拠点。船場はこの施設の空間プロデュースを担当しており、家具の企画デザインや設計・施工、アートワークの企画・展示、ロゴやサインの制作などをトータルで手掛けている。
同施設は「共感がめぐり、共創が生まれ続ける拠点。」をコンセプトとしており、空間そのものもプロジェクトを通じて進化し続ける設計となっている。プロジェクト第1弾では、ヤマハ発動機がプール事業から撤退した際に発生したプール廃材をアップサイクルし、企業の歴史や技術を体感できる空間として再構成。その取り組みは高く評価され、「日本空間デザイン賞2025」企業プロモーション空間部門の最高賞である金賞とヤングタレント賞を受賞した。
バイクのモノづくりを家具で表現
第2弾プロジェクトのテーマは「バイク」。ヤマハ発動機のモーターサイクル事業が培ってきた高い品質や精密な部品加工技術、職人の手仕事など、通常は目にすることの少ないモノづくりの裏側を、空間の中で体験できるファニチャーとして表現した。
その代表例が「鍛造テーブル」だ。ヤマハ発動機のモノづくりを支える鍛造技術に着目し、バイク部品を透明度の高いレジンに封入した5層構造のテーブルを制作。厚さ50mmの内部に部材を立体的に配置することで、見る角度によって表情が変わるデザインとなっている。また一部にはレジンを染み込ませず、金属の質感に直接触れられる仕上げを施すことで、部品の精度や素材感を体感できるよう工夫されている。
▲鍛造テーブル
さらに、ヤマハの伝統的な塗装技術「サンバースト塗装」に着目した「塗装テーブル」シリーズも制作された。この塗装技術は熟練職人による手作業で仕上げられる高度な技法で、現在は限られた職人のみが担う技術とされる。船場はこの技術を家具として残す試みとして、テーブルシリーズをデザインした。
▲塗装テーブル
「SRシリーズモデル」は、ヤマハの名車SR400へのオマージュとして制作。7周年モデルや40周年モデル、ファイナルエディションなど象徴的なカラーリングをサンバースト塗装で再現し、SRの黄金比をデザインに取り入れることで、歴史的価値を感じさせる一脚に仕上げている。
また「R25モデル」では、スポーツモデル「YZF-R25」のデザインスケッチから着想を得て、天板にスピード感を表現する塗装を施した。テーブル脚部には実際にYZF-R25で使用されているフロントフォークを採用し、バイクの構造部品をファニチャーへと転用するユニークな設計となっている。
▲R25モデル
エンジンの鼓動を光で表現する「ギアチェーン照明」
今回のプロジェクトでは照明プロダクトも制作された。「ギアチェーン照明」は、ヤマハ発動機のエンジン構造の美しさを体験できるインタラクティブな照明だ。
8mm厚のアルミ一体成型の土台には、実際の4ストロークエンジンの機構を搭載。ハンドルを回すとギアが噛み合いピストンが往復運動を行い、圧縮や爆発のタイミングに合わせてLEDが点灯する仕組みとなっている。機械の動きと光が連動することで、エンジンの鼓動を視覚的に体験できる。
さらに、光を拡散するシェード部分には塗装工程で使用されるハンガー(吊り具)を骨組みに採用し、タンク用デカールの端材をパッチワーク状に配置。廃材の隙間から漏れる光が独特の表情を生み出し、機能美とアップサイクルの思想を融合させたデザインとなっている。
▲ギアチェーン照明
共創空間の進化と空間デザイン企業としての船場
船場は、商業施設やオフィス、教育施設、ヘルスケア施設などの空間づくりを手掛ける企業で、調査・企画からデザイン、設計、施工、メンテナンスまでを一貫して提供している。2021年にはビジョンとして「Good Ethical Company」を掲げ、環境や地域社会に配慮した「未来にやさしい空間」を共創するエシカルデザインを推進している。
今回のプロジェクトは、ヤマハ発動機のモノづくりの技術と船場の空間デザインの知見を掛け合わせることで、製造業の技術や文化を空間体験として伝える新たな試みと言える。リジェラボは今後もプロジェクトを重ねながら進化し、企業やクリエイター、コミュニティが交差する共創拠点としての役割を強めていく見込みだ。
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(TOMORUBA編集部)