産直アプリ「ポケットマルシェ」を運営する雨風太陽がタイミーと業務提携 ポケットマルシェ生産者の“繁忙期の人手不足”を解消へ
全国の農家や漁師と消費者をつなぐ産直アプリ「ポケットマルシェ」を運営する株式会社雨風太陽は、スキマバイトサービス「タイミー」を提供する株式会社タイミーと業務提携契約を締結した。ポケットマルシェに登録する生産者にタイミーを紹介し、繁忙期を中心とした生産現場の労働力不足の解消を支援する。
提携の狙い 柔軟な人員確保を後押し
今回の提携では、雨風太陽がポケットマルシェに登録する農家・漁師などの生産者に対し、タイミーが提供するスキマバイトサービスの活用方法を含めて紹介する。季節・天候で大きく振れる繁忙期に、必要なタイミングで短期人員を確保しやすくすることで、人手不足が慢性化する一次産業の現場を支える仕組みだ。
近年、タイミーにおける一次産業の求人掲載は急増しており、2023年4月〜2025年4月の2年間で掲載数が約8.7倍に増加している。農業・漁業におけるスポットワーク活用が広がるなか、今回の連携は生産者のニーズに合致したものといえる。
農業従事者は20年で“半減”、収穫期には深刻な人手不足
国内の基幹的農業従事者は減少の一途をたどる。2000年に約240万人いた従事者は、2024年には111万人まで減少(農林水産省調査)。この20年あまりでほぼ半減し、現場では高齢化と担い手不足が深刻さを増している。
雨風太陽がポケットマルシェ登録生産者を対象に行ったアンケート*では、「繁忙期など短期の人員確保に課題がある」と回答した生産者が約7割に上った。特に収穫期の不足感が強く、「どうしても人が足りない日がある」「家族だけではまわらない」といった声が寄せられている。
収穫作業は天候に左右されやすく、短期で柔軟に働ける人を確保できるかどうかが、作業効率や収量に直結する。タイミーとの連携は、こうした構造的な課題に対応する“即戦力の新しい選択肢”として期待されている。
生産者と消費者をつなぐ“地域のインフラ”へ
ポケットマルシェは、農家・漁師から旬の食材を直接購入し、背景にあるストーリーごと楽しめる国内最大級の産直プラットフォーム。2025年9月時点で約8,900名の生産者が登録し、提供する食材は約13,000品にのぼる。ユーザー数も約88万人に拡大し、生産者にとっては販売だけでなく「都市とのつながり」を生む生活基盤となりつつある。
今回の提携は、販売面だけでなく“働き手”の課題解決にも踏み込むもので、雨風太陽が掲げる「都市と地方をかきまぜる」ビジョンを体現する取り組みだ。同社では今後も、自治体連携や新規サービス開発を含め、地域の持続可能性を高める取り組みを加速させる考えだ。
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(TOMORUBA編集部)