JFE商事エレクトロニクス×traevo、物流データ連携を開始 異種デバイスを跨ぐ車両情報管理で“全車可視化”を実現
2025年11月6日、JFE商事エレクトロニクス株式会社と物流サプライチェーン向け業界横断型動態管理プラットフォームを運営する株式会社traevoは、物流トラッキングサービス「Jiot」と車両動態管理プラットフォーム「traevo Platform」のシステム連携を発表した。これにより、通信型・非通信型デジタルタコグラフ（デジタコ）やアナログ式タコグラフ（アナタコ）など、車載機器の種類にとらわれず、位置・温度・稼働ステータスなどの輸配送データを統合的に可視化するサービス提供が開始される。
今回の連携は、デバイス環境やITリテラシーの差が大きい物流業界において、“既存環境を変えずにDXを進められる仕組み”として期待が高まる。
制度改正と現場課題から生まれた連携
物流業界では、2024年以降施行が進む「新物流二法」により、長時間労働是正や荷待ち削減、輸配送データの可視化などが急務となっている。しかし、現場には通信型デジタコ・非通信型機器・紙管理が混在しており、データ収集方法の標準化が進まない点が課題となっていた。
両社はそれぞれが強みとするセンシング技術（JFE商事エレクトロニクス）と、業界横断型動態データ基盤（traevo）を掛け合わせることで、環境依存ゼロでデータ活用を可能にする仕組みを構築。輸送品質管理、トレーサビリティ、業務効率化を一体で実現する。
温度・位置・稼働状況をリアルタイム監視
連携の実装方法はシンプルだ。非通信型デジタコやアナログ式タコグラフ搭載車両には小型GPSデバイス「Jiot」を設置し、取得データを「traevo Platform」に自動送信。これにより、以下の機能がワンプラットフォームで利用可能となる。
位置情報・稼働状況のリアルタイム表示
荷待ち・荷役時間の自動計測
輸送中庫内温度の監視・記録
荷主・運送会社・協力会社間での共有管理
特に温度管理が必須の食品・医薬品輸送では、品質保証とコンプライアンス対応の両立が期待される。
見える化から“利益を生む現場DX”へ
今回の連携により、既存システムを置き換えることなくデータ活用を始められる点は、慢性的な人手不足と設備投資負担に悩む物流現場において大きな利点となる。今後の動きによっては業務改善・コスト削減・品質保証を同時に実現する物流DX基盤となるだろう。
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（TOMORUBA編集部）
