
VRデジタル治療のBiPSEE、シリーズAの1stクローズを完了。累計の資金調達金額は6.4億円に
株式会社BiPSEEは、シリーズAの1stクローズとして、京都大学イノベーションキャピタル、Beyond Next Ventures、Scrum Venturesより資金調達を実施した。
2023年に採択された、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「ディープテック・スタートアップ支援基金/ディープテック・スタートアップ支援事業」における助成金を合わせ、累計の資金調達金額は6.4億円となった。今回の資金調達を通じて、うつ病患者向けのVRデジタル療法の治験を実施し、市場への導入を目指す。
資金調達実施の目的と今後の展望
BiPSEEは、うつ病を中心とした精神疾患を対象として、VRとスマートフォンアプリを用いた新たな治療方法「VRデジタル療法(VRx)」(*1)の開発を行っている。
うつ病は日本で500万人、世界で3億人存在している(*2)一方で、抗うつ薬のみの治療では不十分なことも多く、新たな治療方法が模索されている。
BiPSEEは、抗うつ薬が奏功しにくいとされる、ネガティブな感情や事柄に対して繰り返し考えてしまう「反すう思考」の傾向に着目し、より有効な治療方法の開発を目指している。
2025年には、高知大学と共同で実施していた、うつ病患者を対象とした探索的試験を完了。今後、治験(検証的試験)を実施し、薬事承認を得ることを目指していく。さらに、2025年冬頃に予定しているシリーズA 2ndクローズにて、追加の資金調達を計画している。

*1 スマホアプリやVRなどデジタルツールを用いて疾患を治療する医療機器であるプログラム医療機器の一種(未承認)。プログラム医療機器は海外ではSaMD(Software as a Meidical Device)、DTx(Digital Therapeutics)と呼ばれ、従来は治療が難しかった疾患を治す可能性を秘めた最新治療として、国内外で注目を集めています。
*2 WHO, 2017
第三者割当増資の引受先
・京都イノベーションキャピタル株式会社(イノベーション京都2021投資事業有限責任組合)
・Beyond Next Ventures株式会社(Beyond Next Ventures2号投資事業有限責任組合)
・Scrum Ventures(Scrum Ventures Fund IV L.P.)
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(TOMORUBA編集部)