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九州初、青果市場に鮮度保持技術「ZEROCO」導入──熊本・植木青果市場で実証実験スタート

九州初、青果市場に鮮度保持技術「ZEROCO」導入──熊本・植木青果市場で実証実験スタート

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食品の鮮度を長期間・高品質に保つ独自技術「ZEROCO」を開発・展開するZEROCO株式会社は、2025年5月19日より、熊本市北区の植木青果市場内に大型鮮度保持設備を導入し、九州初となる実証実験を開始した。

設備の規模は約70坪におよび、同技術の青果市場への導入は全国でも初めての取り組みとなる。

食材流通の起点に鮮度保持技術を──新たな地域産業モデルの構築へ

熊本は九州における農業の要所であり、植木青果市場は地域の生産者と消費地を結ぶ重要な流通拠点として知られている。今回の実証実験では、九州内で収穫された青果物を対象に、ZEROCO技術によって保存・流通期間を延ばすことで、生産者が在庫をコントロールしながら価格主導権を握る、新たなバリューチェーンの構築を目指す。

特に、収穫後すぐの出荷が求められる野菜や果物において、出荷タイミングの調整が可能になることで、価格の安定化や収益性の向上が期待されている。

「作り手善し、買い手善し、売り手善し、社会善し」──植木青果市場の理念と挑戦

実証実験の舞台となる植木青果市場は、昭和44年創業以来、「お役立ち精神」を理念に掲げ、持続可能な農業と流通の形を追求してきた。代表取締役社長・渡辺美佐子氏は「ZEROCOの導入は、生産者の努力を支え、消費者により新鮮で安心な青果物を届けるための大きな一歩。熊本から全国、さらには海外へと、新しい流通モデルを広げていきたい」と語る。

技術革新で「フードクライシス」に立ち向かう

日本の食産業は現在、担い手不足やフードロス、価格決定権の不在といった課題を抱え、「フードクライシス」とも言える状況にある。ZEROCOの鮮度保持技術は、こうした負のスパイラルからの脱却を目指す鍵となる。

生産地が自らの裁量で在庫を管理し、適切な価格で出荷できる体制が整えば、若手人材の参入意欲も高まり、一次産業全体の持続性が向上する。ZEROCOは、食品の「おいしさ」と「安全」を保ちながら、構造的課題の解決にも寄与する技術として注目されている。

九州から始まる、次世代型の食のエコシステム

今後は熊本を起点に、九州全域への展開、さらには海外輸出も視野に入れて、ZEROCOの活用範囲は拡大していく見通しだ。地域間連携による新たな物流モデルの構築や、冷凍食品などへの応用も進められており、鮮度保持技術が持つポテンシャルは計り知れない。

ZEROCOと植木青果市場の取り組みは、地方の青果流通を支えるだけでなく、日本の食産業全体に新たな希望を示すモデルケースとなりそうだ。今後の展開に注目が集まる。

関連リンク:プレスリリース

(TOMORUBA編集部) 

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  • 木元貴章

    木元貴章

    • 有限会社Sorgfalt
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  • 茂原 初谷

    茂原 初谷

    • feliz株式会社
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