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竹中工務店×アトムシステム×キッズウェイによる3社共創――無線型騒音・振動管理システム「DECIBERY」の共同開発ストーリーに迫る

竹中工務店×アトムシステム×キッズウェイによる3社共創――無線型騒音・振動管理システム「DECIBERY」の共同開発ストーリーに迫る

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日本を代表する大手総合建設会社として知られる竹中工務店は、近年、オープンイノベーションの手法を取り入れた技術開発を積極的に推進している。また、同社は建設業界全体の生産性・魅力向上の推進を目的に設立された「建設RXコンソーシアム」の幹事会社を務めるなど、企業の枠を超えた技術連携にも取り組んでいる。

今年3月に発表され、5月よりレンタルを開始した無線型騒音・振動管理システム「DECIBERY(デシベリー)」は、そのような竹中工務店の取り組みの成果の一つだ。「DECIBERY」は、竹中工務店とアトムシステム社がデジタルデバイスによる騒音・振動計測機構とクラウド関連システムを共同開発し、キッズウェイ社が量産・在庫保有・レンタル展開を担うなど、3社によるオープンイノベーションによって誕生したソリューション。これまでの騒音計・振動計で課題とされていたデータ回収や数値確認の非効率を解決できる手段として、多くの建設現場で導入が進んでいる。

今回、TOMORUBAでは「DECIBERY」の開発をリードした竹中工務店・アトムシステム社・キッズウェイ社の担当者への取材を実施した。竹中工務店がオープンイノベーションを推進する理由・意義についてお聞きするとともに、3社による共同開発が実施された背景、実用化に至るまでの開発エピソード、今後の「DECIBERY」の進化、ビジネスの展望などについて詳しくお話しいただいた。

竹中工務店がオープンイノベーションや社外連携に取り組む理由

――まずは竹中工務店がオープンイノベーションを推進している背景・理由についてお聞かせください。

竹中工務店・遠山氏 : 当社は自社で研究所を保有していることもあり、以前より様々な技術開発を自前で進めてきました。また、材料分野などの開発に関しては、他社との共同開発研究も行ってきました。

しかし、昨今では私たちの取り扱う課題が急速に高度化・複雑化しています。とくにIT・通信といった領域も含む開発となると、自社の研究所や通常の共同開発の枠を超えた連携が必要になります。さらに言えば、建設業界の枠を超えて取り組む必要のある脱炭素、資源循環や自然共生といった環境全般の課題に臨むには、これまで以上に幅広い方々と協力しなければ話が先に進みません。

そのような背景もあり、私たちはオープンイノベーションの手法に注目しました。当社にはない技術力・アイデアを持ったスタートアップやベンチャー企業の方々と協力し合うことで、高度化・複雑化した課題を解決していく必要があると考えたのです。

また、当社は「最良の作品を世に遺し、社会に貢献する」という経営理念を掲げています。当然、当社だけが利を得れば良いという話ではなく、獲得した技術を可能な限り広く展開することで世の中全体に還元していくことを目指しています。

▲株式会社竹中工務店 技術本部 シニアチーフエキスパート 遠山幸太郎氏

――竹中工務店では、いつ頃からオープンイノベーションの取り組みをスタートしたのですか?

竹中工務店・遠山氏 : 象徴的な出来事として、2017年からスタートしたアメリカ・シリコンバレーへの人材派遣が挙げられます。当時、シリコンバレーはスタートアップやベンチャーの聖地だったこともあり、自社の人材をシリコンバレーに派遣することは、社内外に対する当社からのメッセージでもあったと考えています。そのような意味で、当社のオープンイノベーションの取り組みは2017年頃から本格的にスタートとしたと言えるでしょう。

――他社との連携強化の一環として、竹中工務店が運営に参加している「建設RXコンソーシアム」についても教えてください。どのような経緯で立ち上げられたコンソーシアムなのでしょうか?

竹中工務店・井上氏 : 長い間、建設業界ではゼネコン各社がそれぞれに技術開発を進めてきました。しかし、昨今の少子高齢化に伴う労働人口の減少、それらを解決するためのツール開発など、各社が共通で抱えている課題に対し、一社一社が開発費を投じて対応するのは非効率です。そこで「各社が互いに手を取り合い、協調しながら課題を解決していこう」という考え方のもと、2021 年 にゼネコン16 社が集まって発足したのが建設RXコンソーシアムです。

その後、「コンソーシアムに参加するゼネコンからニーズを引き出せる」、「ゼネコンに対して自社の技術も紹介する場にもなる」ということで、協力会員の方々も次々と集まってきており、現在ではゼネコンの正会員が29社、協力会員が235社の計264社という規模にまで成長しています。ちなみに「DECIBERY」で協業しているキッズウェイさんも協力会員の一社です。

建設RXコンソーシアムでは、このような共創のプラットフォームを活かすことで、ロボティクスやIoTツールといった建設業界全体の生産性・安全性向上に資する共同開発を行っているほか、若い人たちが興味を持てるような魅力的な建設業界を作るための議論なども進めています。

▲株式会社竹中工務店 技術本部 技術戦略部 シニアチーフエキスパート 井上竜太氏

竹中工務店とアトムシステム社、キッズウェイ社との出会い

――ここからは3社で共同開発された無線型騒音・振動管理システム「DECIBERY」についてお聞きしていきます。まずは「DECIBERY」の開発を行うことになった背景や課題感についてお聞かせください。

竹中工務店・井上氏 : 建設業への苦情の中で、もっとも多いのが騒音と振動に関するものです。私たちは作った建物を地域・近隣の皆様に愛してもらわなければなりません。そのため、当社では以前から建設現場で発生する騒音・振動を管理し、軽減するための様々な取り組みを続けてきました。

竹中工務店・藤崎氏 : これまでは建設現場に騒音計・振動計を設置して管理を行ってきました。しかし、実際に騒音・振動の値を確認するためには、測定器に挿入されたSDカードを回収する必要があったり、仮囲いの外にある表示版を見に行ったりしなければならないなど、リアルタイムでの管理が難しく、現場の負担にもなっていました。

これらのデータを一元管理する方法として、騒音計・振動計にネットワーク機器をつなげる方法がありますが、騒音計・振動計のレンタル費用に通信費がそのまま上乗せされることになり、コスト的に導入しづらい状況がありました。そこで私たちは、「最初から通信機能を搭載している騒音・振動計測機構」を開発することで、このような課題を解決しようと考えたのです。

▲株式会社竹中工務店 東京本店 技術部 計画1グループ チーフエンジニア 藤崎幸市郎氏

――その後、どのように開発が進んでいったのですか?

竹中工務店・井上氏 : 私はもともと振動の研究を担当する研究員でした。研究員時代、振動を軽減する研究と並行して、振動を活かして発電を行う「振動発電」に関する研究開発も行っていました。しかし、振動発電で共同研究開発を行っていた会社が別事業に集中投資をするために撤退してしまいました。

竹中工務店・藤崎氏 : 井上さんと私も携わっていた振動発電の研究開発では、通信を介してある程度の振動に関するデータを取得できるところまで進んでいました。私たちは振動発電の研究成果を、通信機能を搭載した騒音・振動計測の開発に活かしたいと考えました。そして、そのときに撤退した会社から「優れた通信システムを開発する会社がある」と紹介されたのがアトムシステムさんだったのです。

アトムシステムさんとの最初の打ち合わせで、私たちの考えているプロダクトの方向性とアトムシステムさんの持っている技術がマッチしていることがわかったので、すぐに契約を結ばせていただき、共同開発に着手することが決まりました。それが2018年頃の話になります。

アトムシステム・新井氏 : 当社の「スマホIoTゲートウェイ」は、スマートフォンに様々なIoTセンサーをつないで使用することができます。そのため、私たち自身も竹中工務店さんが構想していたプロダクトにマッチするパッケージであると考えていました。

▲株式会社アトムシステム 執行役員 ソリューション開発部長 新井雄大氏

――2018年にアトムシステム社と出会ったとのことですが、キッズウェイ社とはどのように出会ったのでしょうか。その後の開発の流れも含めて教えてください。

竹中工務店・藤崎氏 : アトムシステムさんとお会いした後、両社で振動センサーの開発を進めていきました。その後、2019年の初頭にはこのセンサーが完成し、スマートフォンのイヤホンジャックを介して騒音のデータも取れる開発機が完成したため、現場への導入を開始しました。また、新しい現場に設置する度に受注生産を行うのは効率が悪いということで、量産の方法についても並行して議論・検討を行っていたのです。

時期としては2021年頃になると思いますが、量産方法についての結論がなかなか出ない中、開発機を設置するために訪れたある現場で、キッズウェイさんが開発したクラウド型環境センサー「WEATHERY(ウェザリー)」を目にする機会がありました。

▲キッズウェイ社のクラウド型環境センサー「WEATHERY」(画像出典:キッズウェイ社 HP

「WEATHERY」は、風速・温湿度計測と侵入者検知を1台で対応できるプロダクトです。私はその現場のある方から、「WEATHERY」の表示画面に計測した振動・騒音の測定値を「一緒に表示できたら便利だよね」と提案されたことで興味をもち、キッズウェイさんに連絡を取ってみることにしました。

そのような流れでキッズウェイさんとお会いし、実際にお話をさせていただいたところ、キッズウェイさんが「WEATHERY」をはじめとする自社のプロダクトを自前で量産し、自社で在庫を保有してレンタル会社に展開されていることを知ったのです。「DECIBERY」の量産・展開方法に悩んでいた私たちにとっては、非常に興味深い話であり、その場でキッズウェイさんに量産開発に加わっていただけるかの打診をさせていただきました。

キッズウェイ・多田氏 : 実はキッズウェイの社内では、竹中工務店さんからお声掛けをいただく以前から、「振動計・騒音計にもチャレンジしたい」という話が出ていました。

しかし、コスト面や市場環境の問題がクリアにならず、なかなか話が進まない状況だったのです。そんなタイミングでの竹中工務店さんからのお誘いだったので、当社としては、ほぼ即決で「やります」とご回答させていただいたと記憶しています。

▲株式会社キッズウェイ 営業統括販売2課長 多田有佑氏

様々なハードルを乗り越えた末に実現した「DECIBERY」の実用化

――2021年に「DECIBERY」の共同開発を行う3社がそろったことになりますが、それ以降の開発は順調に進んだのでしょうか。

竹中工務店・藤崎氏 : 実際はそこからも様々な苦労がありました。最初の開発機ではスマートフォンを使用していたため、夏場に現場で動かすと止まってしまうことがあり、暑熱対策を行う必要がありました。

また、「DECIBERY」の開発機を社内展示会で披露していたその日に、「DECIBERY」で使っていたスマートフォンの生産中止が発表されたほか、スマートフォンのイヤホンジャックにつないでいたマイクまで生産中止になってしまったのです。結局、私たちはその時点からスマートフォンやマイクの代替品を探さなくてはならなくなり、本当に大変な思いをしました。

アトムシステム・新井氏 : そのタイミングでマイクを無線化することも決めましたよね。もともと有線のマイクはノイズが入りやすく、物理的な制限も多かったので、「どうせ代替品を探すのであれば無線化してしまおう」ということになったのです。

――スマートフォンの代替品に関しては、一台一台検証しながら進めていったのですか?

竹中工務店・藤崎氏 : そうですね。暑熱の問題に関しては機器の稼働に支障が出る温度を確かめるために、当社の研究所の装置を使って地道に検証していきました。

一時期は「藤崎さんって研究所の人でしたっけ?」と言われるくらい研究所に入り浸っていたと思います(笑)。そのような形で様々な検証を重ねながら、最終的にはスマートフォンではなく、ディスプレイのないAndroid端末を採用することになりました。

▲3社による共創で誕生した「DECIBERY」。左側がマイク。右側の筐体内にAndroid端末が組み込まれている。

――キッズウェイ社の多田さんはいかがですか? 開発段階での印象的なエピソードがあれば教えてください。

キッズウェイ・多田氏 : 技術面に関しては、竹中工務店さんとアトムシステムさんが試行錯誤を重ねて検証されていたので、私たちの方ではそこまで苦しい思いをすることはありませんでした。ただし、建設業界の騒音計や振動計などに詳しい人材が社内にいなかったため、そのような知見のキャッチアップには苦労したかもしれません。

竹中工務店・藤崎氏 : キッズウェイさんには、展開開始の少し前にマイクの長さを作り直してもらったことがありました。すでに試作品ができていたのですが、ケース形状による音の反射によって音を拾う精度が少し下がっていたため、「マイクのケースの長さを5cm伸ばしてもらえますか」と細かいお願いさせていただき、精度を確保したということもありました。

――そのような様々なハードルを乗り越えての実用化だったと思いますが、実用化の判断については、どのようなことが決め手となったのですか?

竹中工務店・藤崎氏 : 実用化に向けて、3社による定例会を隔週ペースで開いていました。「このプロダクトを社内でとどめるか、オープンにしていくか」についての議論もありましたが、当社内だけでは使用台数が限られるためコストダウンも難しい。オープンにすることで建設業全体の生産性向上につなげていきたい思いもあったので、最初から「オープンでいこう」という話にまとまりました。

アトムシステムさんとキッズウェイさん両社の社長様にも定例会に参加いただき、あらゆる検討項目についてお互いにスピーディーな経営判断をしていったことも、実用化の大きなポイントになったと思っています。

3社の間で完成形のイメージを共有できていたことが成功につながった

――今年5月からレンタルがスタートした「DECIBERY」ですが、現状の導入実績や業界に対するインパクトなどについて教えてください。

竹中工務店・藤崎氏 : 竹中工務店内の状況から説明すると、5月の社外向けリリースに先立ち、1月末に社内への説明会を実施しました。その後、多数の現場からの引き合いがあり、3月から順次、第1期生産品の導入を進めています。現在は、弊社だけで国内約20カ所の建設現場への導入が完了しており、今後はさらに多くの現場へと導入を進めていく予定です。

キッズウェイ・多田氏 : 初回に確保できる在庫量に限りがあったため、5月のリリース時には一部の代理店さんに限って展開しましたが、現在はすべての代理店さんが取り扱える状態になっています。現状ではスーパーゼネコンさんから地場のゼネコンさんまで、20社ほどのお客様の現場に導入されています。

また、今年の5月に幕張メッセで行われた展示会で「DECIBERY」を発表した際には、想像以上に多くの方々からの反応があったため、今後はさらに幅広いお客様からの引き合いが増えると考えています。

アトムシステム・新井氏 : 導入に関する実績ではありませんが、「DECIBERY」はAWS(Amazon Web Services)のサービスで構成しているため、Amazonのセールスの人たちが参考にするような販売事例の一つとして取り上げられました。

また、今回の「DECIBERY」のように他社の方々と一緒にサービスをローンチする機会は当社にとって初めてのことだったので、様々な分野・領域での学びを得ることができたと感じています。

――今回の「DECIBERY」に関するオープンイノベーションや3社間での協業が成功したポイントについて、皆さんはどのようにお考えですか?

竹中工務店・井上氏 : 当社には振動・騒音に関する知見があり、様々な研究・検証ができる研究所があります。アトムシステムさんはIoTや通信に関する技術力があり、優秀なエンジニアも在籍されています。キッズウェイさんは「WEATHERY」をはじめとする様々なプロダクトを展開しており、プロダクトの量産やレンタル展開に関するリソースやノウハウをお持ちです。

このようにお互いが提供し合える”種”を持ち寄り、3社で一緒になって水を撒き、「DECIBERY」という果実を育てられたことが大きかったのだと考えています。

竹中工務店・藤崎氏 : 井上さんが話した通り、3社それぞれが得意とする基盤や技術を持ち寄った上で、完成形のイメージをしっかりと共有できていたことが成功につながった要因だと考えています。3社が共に「ゴールはここだよね」と同じ目線で話し合うことができ、それぞれが自社のフィールドでの責任を果たしながらゴールを目指せたことが製品化に繋がったポイントだったと思います。

アトムシステム・新井氏 : コロナ禍以降、オンライン上でスムーズに連絡が取り合える環境が整ったことも大きかったと思います。プロジェクトツールやコミュニケーションツールに関しても3社が共通のツールを使うことで、密に連絡を取り合いながら進められたことが成功のポイントになったと考えています。

キッズウェイ・多田氏 : 私も皆さんと同じ意見です。一つ付け加えるとするならば、建設RXコンソーシアムの設立に象徴される建設業界全体で協調し合う機運の盛り上がりや、社会全体で進んでいる働き方改革や労働者不足への対応など、社会や業界から「DECIBERY」のようなソリューションが求められているタイミングで開発・リリースができたことも大きかったのではないかと思います。

――今回の「DECIBERY」のような事例が生まれたことについて、遠山さんはどのような感想をお持ちですか?

竹中工務店・遠山氏 : 当社内でも様々な取り組みが進んでいるため、「DECIBERY」のように上手くいく取り組みもあれば、上手くいかない取り組みもたくさん存在しています。だからこそ、今回の「DECIBERY」の事例は貴重であり、今後も成功事例を増やしていくための支援を続けていくつもりです。

また、当社はニーズの源泉となるたくさんの現場や作業所を抱えています。今後も現場との協力・協調体制を大切にしながら、どんな小さな芽も捨てることなく正面から対応していくことで、多くのお客様や業界の課題、さらには社会全体の課題の解決につながる取り組みにつなげていきたいですね。

――最後になりますが、これから「DECIBERY」をどのように進化・発展させていきたいと考えていますか? 今後の展望についてお聞かせください。

キッズウェイ・多田氏 : 先に藤崎さんからお話いただいた「WEATHERY」との連携についてですが、現在では「DECIBERY」だけではなく、当社が扱っている監視カメラや環境センサー、入退場管理システムなど、様々なパッケージから得られる情報を一画面で確認できるダッシュボードとして開発を進めています。

また、今後は他社のツール・システムとの連携も積極的に進めていくことで、建設業界全体の効率化・省人化に貢献していきたいと考えています。

竹中工務店・藤崎氏 : 現在の「DECIBERY」では、クラウド上に騒音・振動のデータを集めることで、各現場の騒音・振動をリアルタイムで管理する機能を提供していますが、これは「DECIBERY」の一つ目のステップに過ぎません。

今後は「クラウド上に蓄積したデータをどのように活用するか」を検討していくステップに移行していく予定であり、集めたデータを様々な形で利活用することで、建築現場や建設業界の課題解決につながるようなソリューションを生み出していきたいと考えています。

取材後記

取材中に井上氏や藤崎氏が語っていたように、今回の3社による共同開発の成功要因は、互いが有する技術力・リソース・アセットを持ち寄った上で、明確なゴールを共有できていたことが大きいと言えるだろう。

また、竹中工務店とアトムシステム社が最初に出会った2018年から2024年の社外リリースまでに、少なくとも6年の歳月が流れていることにも注目したい。いかに完璧なパートナーを見つけたとしても、オープンイノベーションを一朝一夕で成功させることは難しく、それなりの時間を掛ける覚悟や熱意、信頼関係が重要になることは間違いない。

今回の取材では、竹中工務店、アトムシステム社、キッズウェイ社の3社の担当者が、どのような困難に直面しても互いを信じ合える強固な信頼関係で結ばれていることを感じ取ることができた。今後の「DECIBERY」の進化・発展、3社の取り組みについて引き続き注目していきたい。

(編集:眞田幸剛、文:佐藤直己、撮影:加藤武俊)

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