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【eiicon漫画劇場】オープンイノベーション街道~大企業がイノベーションを起こす道のり~ #5アクセラレータプログラムの罠に見事つまずく。

【eiicon漫画劇場】オープンイノベーション街道~大企業がイノベーションを起こす道のり~ #5アクセラレータプログラムの罠に見事つまずく。

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<前回までのあらすじ>

大企業に勤務する入社5年目の"えい君"。新規事業部署の立ち上げメンバーにアサインされ、上司から「オープンイノベーションに取り組んでほしい」と言われるものの右往左往…。えい君は「アクセラレータプログラム」というものを実施することになり、目的を定めた。「提供できるリソース」は対象企業にとって魅力的であること、かつ本当に活用できることが大切、そう前回理解したが…。 


えい君 - ……eiiconさん、結局…結局失敗してしまいました。。。もはや収拾がつきません。上司に言われて、初めてだから幅広く募集しようってなって、僕も確かにしっかり絞る自信もなくて…。

そしたら企業数が集まるには集まったんですが、本当にまだアイデアベースの起業家の卵の方や、政治団体の方、筆ペンで20枚程度の原稿用紙で事業計画を送ってくれるおじいちゃんなんかも混じってて…泣

eiicon - 泣かないでください。大丈夫、よくあることです。今は一旦募集を締め切られて…選考フェーズでしょうか?

えい君 - はい。選考しようと思っているんですが、どの部署と合うかもわからないし、本当に「誰でも」という風に募集してしまったものですから、選考基準ももともとしっかり作っていなくって。。。会社の数だけで言うと100社を超える企業に募集をいただいてしまって、まず選考するの僕一人なんです。

eiicon - 大丈夫です。今からでも遅くありません。選考基準をしっかり定めていきましょう。選考後のフローは定めていますか?

えい君 - まず、僕が書類審査をして10社くらいに絞り、そこから10社と面談をして、共創する想定の現場との面談もセットしていこうかと。

eiicon - いいですね。その後は?

えい君 - あ。その後は決めてません。。経営会議にかける感じですかね?

eiicon - なるほど。それは少し飛躍しすぎていますね。今からでも遅くないので、選考基準・選考フローをしっかり定めていきましょう。

えい君 - そうですよね。。せっかく出島形式の手法をとったのに、そこのフローが既存フローのままだったら本末転倒だ。。。今気づきました。

eiicon - 今ならまだ大丈夫!しっかり立て直しましょう。まず、選考基準ですが貴社の意思決定プロセスにおけるキーマンも納得の上決定していくことが大切です。

"~性、~力、~度"の罠

eiicon - 経営陣から出る無理難題の要注意ワードは「新規性」、「収益性」です。

社外と連携による新たな事業を生み出そうとしている取組のため「新規性」があるか、そして企業価値向上を目指すための取り組みですから「収益性」があるのか、という点が気になるのは当然です。

ただ、これはどういう意味合いで選考基準に組みこむかは明確にしていきましょう。

例えば、「新しくないとだめだよね」 には「既存ビジネスの延長はつまらない」という否定が入る場合があります。

そして、「収益性は?」と問う背景には、「リスクを冒したくない」という「絶対成功する盤石な新規事業」を期待しているケースがあり、過去の例でいうと、「今年連携し、初期投資は1000万以下に収めつつ来年には10億円以上のビジネスでないと収益性がない」と経営陣が考えていることが判明したケースもありました。

そのため「新規性」とは何を指すのか。収益性はいつまでに、どれくらいの投資でどれくらいのリターンを見込めれば○なのか。このあたりは選考基準の際に明確にしていきましょう。

えい君 - わかりました。ありがとうございます。あと、気を付けた方がいいワードってありますか?

eiicon - 簡単な見分け方は「~性」や「~力」、「~度」といった言葉はすべて要注意ですね。

えい君 - ああ。よくありますよね。「~志向」とかもそうですかね?

eiicon - そうですね。

具体的な数値・イメージに置き換える

eiicon - そういう曖昧なワードはすべて具体的な数値やイメージに置き換えていくのがよいでしょう。「SMART(スマート)の法則※」にあてはめて、具体的、かつ測定できるように設計していくのは有効です。

えい君 - ありがとうございます。選考基準は具体的にしていって、あとは選考フローを設計するということですよね。

eiicon - はい。たとえば、プロトタイプの制作開始のタイミングで、資金提供をすることにし、そこで1次チェックゲートを設ける、などですね。(1)書類審査 → (2)現場面談 → (3)経営陣チェックゲート → 【通過の場合は資金獲得・プロトタイピング開始】 → (4)プロトタイピングの成果発表・選考により事業化ジャッジ のようなフローを設計していきます。

えい君 - ふむふむ……ありがとうございます。経営陣と話してみます!!!

※SMART(スマート)の法則

S:Specific(具体的である)

M:Measurable(測定可能である)

A:Achievable(達成可能である)

R:Related(経営目標に関連した内容である)

T:Time-bound(いつまでに達成するか、その期限・時間制約を持たせている)

<#6に続く>


●eiiconは、2017年10月12日に”オープンイノベーションの手引き”というコンテンツを公開しました。経済産業省「事業会社と研究開発型ベンチャー企業の連携のための手引き(初版)」を元に、事業提携を成功させるための各種ノウハウをわかりやすくWEBコンテンツ化したものです。自身の課題感や、状態に合わせて検索、読み進めることが可能となっています。こちらもぜひご確認ください。

●"オープンイノベーションの手引き"をeiicon founder中村が解説しているガイドのシリーズもお勧めです。

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