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【eiicon漫画劇場】オープンイノベーション街道~大企業がイノベーションを起こす道のり~ #3アクセラレータプログラム1年生

【eiicon漫画劇場】オープンイノベーション街道~大企業がイノベーションを起こす道のり~ #3アクセラレータプログラム1年生

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<前回までのあらすじ>

大企業に勤務する入社5年目の"えい君"。新規事業部署の立ち上げメンバーにアサインされ、上司から「オープンイノベーションに取り組んでほしい」と言われるものの右往左往…。そこで、オープンイノベーション成功企業に在籍する、飲み友達の"せい子ちゃん"に相談。そこで、えい君は「アクセラレータプログラム」というものを知るが……。


えい君 - ……eiiconさん、なんだかもうこんがらがってきまして……やってみないとわからないですよね??

eiicon - ご相談ありがとうございます!伊能先輩が言うこともごもっともですね、“オープンイノベーション”は単なる手段である。という認識が大切です。以前もお伝えしましたが、えいさん、「オープンイノベーションをやること」にとらわれていませんか?

えい君 - ええっ……そんなことは……でも有効なんですよね!?

eiicon - はい。目的次第では非常に有効な手段です。

えい君 - ほら、やっぱりやってみた方がいいですよね。善は急げ。まずはやってみる事が大切ですよね、初めてですし!?

eiicon - いえ、始める前に目的です。

えい君 - 目的……前も言われましたけど……なんかよくわかんないです

eiicon - では一旦整理してみましょう!そもそもえいさんの会社はなぜ、今、オープンイノベーションを考えているのでしょうか?

えい君 - 企業価値をあげていきたい。そのためには、新しい事業の柱、すなわち新規事業が必要である。より、スピーディに確率高く新規事業を創出する手法として社外連携(ないものを補い合って、さらに相乗効果を生み出すことができる)オープンイノベーションというやり方で実現……

eiicon - とても良い回答ですね!その通りです。

では、企業価値をあげるために「オープンイノベーション=社外と連携をして新規事業を生み出す」という方法で企業を募集することにしてみましょう。どんな風に募集しますか?

えい君 - え。。そりゃ、優れた最先端の技術を持った、尖ったイノベーティブなスタートアップ……。

eiicon - なるほど。想像してみましょう、『優れた最先端の技術を持った、尖ったイノベーティブなスタートアップ』募集してみました。そうして、例えば「食品加工の最先端技術を保有した企業」それから「フィンテック技術を保有した企業」から応募がありました。

えい君 - え。食品加工?

eiicon - はい。えいさんの会社では、食品事業を今後展開する可能性はありそうでしょうか。もしくは金融関連の技術を使えるイメージは?

えい君 - いや。食品事業は絶対ないですね……金融……あるのか!?いやないな……。

eiicon - そうなんです。「とりあえず新規事業を生み出す」で取組みをスタートしてしまうと、先ほど言っていた「新しい事業の柱」への道のりはとても遠くなります。

ただでさえ、新規事業はセンミツと言われるほど成功確率が低いと言われているのですから、そのやり方だと、「新規事業を生み出す」ことへたどり着けるかすら見えなくなります。

えい君 - え?じゃやっぱり自分たちだけでやれってことですか?

eiicon - いえ、「どんな新規事業を生み出すための出会いを求めるのか」を定義すればよいのです。

えい君 - なるほど。わかりましたよ!それが目的ですね。はいはい、なるほどね、「どんな新規事業を生み出すか」を定義して、アクセラレータープログラムで、スタートアップを募集して、提案プレゼンしてもらえば良いんですね!?

eiicon - 「提案プレゼン」?それはニュアンスが違いますね。今回アクセラレータープログラムの実施を検討されているんですよね?

えい君 - はい!…………ん?オープンイノベーションとアクセラレータープログラムってイコールですよね?

eiicon - アクセラレータープログラムは、「(オープンイノベーションに必要な)社外との連携を実践する仕組み」としてとらえてはどうでしょうか。よい機会なのでアクセラレータープログラムを簡単に説明しましょう。


◆アクセラレータープログラムとは

●特徴 :  「アクセラレーター(Accelerator)」とは、加速者、(自動車などの)加速装置、アクセル、促進剤といったことを意味する英単語です。そこから派生し、もともとはVCが3ヶ月間など期間が決まっているプログラムを設け、最初にビジネスプランのプレゼン選考などを通過したスタートアップに対してメンタリング・インキュベーション支援を行い、投資やリソース支援を実施しながら経営ノウハウを指導することでビジネス拡大を支援することを指していました。

●歴史 : 2005年に、シリコンバレーに拠点を置くY - Combinatorが ボストンのスタートアップ8社を対象として実施したのが始まりだと言われています。シードフェーズのスタートアップに投資するVCが中心となり拡大をしてきました。昨今はそこに大企業が加わって、現在は「スタートアップとつながりを作りたい」「スタートアップとオープンイノベーションを進めたい」と思った大企業が最も始めやすい施策の一つがアクセラレータープログラムであると言われています。

大企業が主催するビジネスコンテストといった形で実施されることが多く、応募企業がプログラムを通して事業プランをブラッシュアップさせ、最終ビジネスコンテストのピッチで優れたプランが選出され、大企業からの出資やリソースの提供といったインセンティブを手にします。

●国内市場 : 日本では、リーマンショック以降、「オープンイノベーション」すなわち「共創」の機運が盛り上がり、「CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)」と、「アクセラレータープログラム」が取り入れやすい手法として2015年以降、増え続けています。

・2017年実施 日本国内 アクセラレーター数 90強(※eiicon調べ)

・2017年 アクセラレータープログラム 実績例一部抜粋

・富士通アクセラレータプログラム(富士通)

・POST LOGITECH INNOVATION PROGRAM(日本郵便)

・CHUKYO-TV INNOVATION PROGRAM(中京テレビ)

・CHANGE and CHALLENGE IoT SCALERATOR

 PROGRAM (東京電力)

・TOKYU ACCELERATE PROGRAM(東急電鉄)

・TOYOTA NEXT(トヨタ自動車)

・野村アクセラレータープログラム VOYAGER(野村證券)

・JR EAST STRATUP PROGRAM(JR東日本)

・MUFG Digitalアクセラレータ(三菱東京UFJ銀行)

・T-VENTURE PROGRAM(カルチュア・コンビニエン・クラブ)

・Microsoft Japan Startup(マイクロソフトジャパン)

・MORINAGA ACCELERATOR 2017(森永乳業)

・コードリパブリック(Yahoo!Japan)

・ヤマハアクセラレーター(ヤマハ)

・アクセラレータープログラム(SBヒューマンキャピタル)

・ 三菱地所コーポレートアクセラレーター(三菱地所)

・MetLife Collab Japan アクセラレーター プログラム(メットライフ生命)

・セブン銀行アクセラレーター2017(セブン銀行) 他多数


えい君 - なるほど……!つまりアクセラレータープログラムは今、一種のビジネスコンテストの名称として使われてるってことですね。

eiicon - そうですね、イベントやプロジェクトとしてとらえるとイメージが湧きやすいかと!

えい君 - ふーん、なるほどなぁ。はぁ……。そうなるとやっぱりアクセラレータープログラムでも、結局判断基準にもなりうる、会社としての思惑、目的がとっても大事になるんですね。。

eiicon - そうですね!共創パートナー候補の応募動機となりうる「そもそものプログラムの目的・テーマ」も明らかにしなければなりませんね。加えてアクセラレータープログラム、オープンイノベーション双方に共通する注意すべき点は、WINWINの関係性を築ける設計にすることなのですが、アクセラレータープログラムという枠組みを利用すると、「WINWINの関係性」をわかりやすく設計できるのはメリットです。イベントとしてテーマを絞っていくため、応募してくれる相手企業の顔が見えやすくなり、そうすると相手視点・目線でのメリットが考えやすくなります。

えい君 - 前もeiiconさんに言われましたよね。。手段が目的化しているって……。今度こそオープンイノベーションの取組みの一環として、アクセラレータープログラムを実施する目的をしっかり考えてみます!!!

eiiconは昨年オープンしてから1年間で6000社とお話しをしてきました。その中でのあるあるが「言葉の独り歩き」。混乱をした場合には、改めてすべてを日本語に置き換えてみて、再考してみましょう。

<#4に続く>


●eiiconは、2017年10月12日に”オープンイノベーションの手引き”というコンテンツを公開しました。経済産業省「事業会社と研究開発型ベンチャー企業の連携のための手引き(初版)」を元に、事業提携を成功させるための各種ノウハウをわかりやすくWEBコンテンツ化したものです。自身の課題感や、状態に合わせて検索、読み進めることが可能となっています。こちらもぜひご確認ください。

●"オープンイノベーションの手引き"をeiiconfounder中村が解説しているガイドのシリーズもお勧めです。 

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