【eiicon漫画劇場】オープンイノベーション街道~大企業がイノベーションを起こす道のり~ #1「オープンイノベーションをやれ」と言われて。
えい君 - ・・・という状況なんです。本当にどうすればいいか八方塞がりで。。。
eiicon - ご相談ありがとうございます。
えい君 - こんな状態お恥ずかしいんですが、どうしたらいいか教えてください!
eiicon - 恥ずかしいなんてとんでもありません!この段階でご相談いただけるのは非常にありがたいです。もう少し今の貴社の状況を教えていただけますか?
えい君 - というと?
eiicon - 今回のオープンイノベーションは、なにを目指すもので始まってらっしゃいますか?
えい君 - え。。。考えたこともありませんでした。とりあえず上から「オープンイノベーションやるぞ!」と言われて・・・。
eiicon - なるほどなるほど。プロジェクトのスタートに関して号令をかけたのは経営陣ですよね?おそらく。
えい君 - はい。経営会議で決まったから、と言われました。
eiicon - 経営会議の議事録等は共有してもらっていますか?
えい君 - いえ。。。そもそも参加した役員から、うちの課長が指示を受けて、その部下の私のところにこの話が来まして。。
eiicon - そうなんですね。ちなみに、エイさんの部署のミッションは何ですか?
えい君 - 僕の部署は昨年の10月に組成された、社長直轄の新規事業室でして、部署横断の新しい事業を立ち上げることがミッションです。
eiicon - 課長からはそのミッション内のお話として今回降りてきていますか?それとも別案件として考えていそうでしたか?
えい君 - いや・・・正直詳しいことは聞いてません。。
eiicon - だいたいわかりました!
まず今回の話が、経営会議のどの文脈で、何を目的に今回のプロジェクトが決まったのかは確認した方がよいと思います。その上で、エイさんの「新規事業室」が期待されていることを明らかにしていきましょう。
えい君 - 経営会議の文脈は確認できると思います。でも期待されていることってどういうことですか?
eiicon - 先ほどエイさんから伺った新規事業室のミッションが、今回のプロジェクトの目的であるか、否かということです。
①「部署横断の新しい事業を立ち上げる」方法として、「オープンイノベーション」という手法をとって展開してよいのか、
それとも、
②部署横断新規事業は社内のリソース等他の方法を模索しつつ、それとは別に「オープンイノベーション」という手法で別の目的を持つのか
ということです。
えい君 - なるほど!「オープンイノベーション」にとらわれていたんですけど、「オープンイノベーション」自体が手法・やり方であって目的ではないですもんね。誰の思惑で何を目指しているのか、目的がすっぽり抜けていることがわかってきました。
eiicon - ありがとうございます。おっしゃる通りです!思惑もいろんな方がいろいろ別のことを考えている可能性もあるので・・・そのあたりもなるべく可視化していきたいですね。
えい君 - 一旦やるべきことが見えてきました!ありがとうございます。
eiicon - あ!待ってください!笑 目的の確認は必要ですが決まっていないことも往々にしてあります。
えい君 - え、そうなんですか?!
eiicon - はい。笑 エイさんと同じように、「オープンイノベーション」をやることにとらわれている可能性はあります。
えい君 - ええええ!そんな、もしそうだったら本末転倒じゃないですか・・・!!!そしたら僕どうすればいいんです?
eiicon - 落ち着いてください。まだ大丈夫です。まだプロジェクトが走り出していない状態だからこそどんな風にも料理できますよ! もし懸念通りなら、一緒に決めていけばいいんですから。
それに、決まっている可能性だってありますよ!可能性は半々です。笑
すくなくとも確認することで今より状態がクリアになることは間違いありません。そして万が一、「オープンイノベーション」をやることにとらわれていたら、また連絡ください!
えい君 - わかりました!!!
eiiconは昨年オープンしてから1年間で6000社とお話しをしてきました。その中で、当初eiiconが想定していたよりずっと多くの企業様が上記のような罠に陥っていることを知りました。
「会社でオープンイノベーションをすることが決定した」。――その際にまず確認すべきことは「目的」です。もし同じような経験がある方、思い当たる節がある方は、既にプロジェクトが進んでいたとしても「目的」に立ち返り、一度整理してみることをお勧めします。
●eiiconは、2017年10月12日に”オープンイノベーションの手引き”というコンテンツを公開しました。経済産業省「事業会社と研究開発型ベンチャー企業の連携のための手引き(初版)」を元に、事業提携を成功させるための各種ノウハウをわかりやすくWEBコンテンツ化したものです。自身の課題感や、状態に合わせて検索、読み進めることが可能となっています。こちらもぜひご確認ください。
●"オープンイノベーションの手引き"をeiiconfounder中村が解説しているガイドのシリーズもお勧めです。