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JR東日本グループ×ペットウェルネスの「PETOKOTO」 | ペット専用新幹線の実証実験、乗客満足度は77%

JR東日本グループ×ペットウェルネスの「PETOKOTO」 | ペット専用新幹線の実証実験、乗客満足度は77%

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ペットウェルネス事業を展開する株式会社PETOKOTOは、JR東日本スタートアップ株式会社との協働で2022年5月21日に「ペット専用新幹線」の実証実験を行った。本検証では実証実験パートナーとしてパナソニック エコシステムズ株式会社が協力。実際に乗車したお客さまの満足度と、新幹線車内では次亜塩素酸 空間除菌脱臭機「ジアイーノ」を設置すると共に、ペットをケージから出して過ごす「ファミリータイム(ケージフリー)」時の粒子数等を計測することにより、定量検証を行った。

ペット専用新幹線の実証実験の実施背景

PETOKOTOは2021年に東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)とJR東日本スタートアップ株式会社が主催する、ビジネス創造活動 「JR東日本スタートアッププログラム2021」に地球共創(SDGs)のテーマ枠で採択された。

JR東日本グループが目指す「暮らしのプラットフォーム」への転換と、PETOKOTOが目指す「ペットを家族として愛せる社会」の実現。双方の目標を掛け合わせることで、新しい社会価値創造への一歩を目指し検討を進めてきた。

そして移動の際に、お客さまの愛犬が「手荷物」ではなく「家族」として過ごせる、「ペット専用新幹線」の実証実験に挑戦することができたという。


公共交通機関にて実証実験を行うにあたり、まずペットが苦手な人の不快感・アレルギーの不安要素など課題の抽出を実施。課題の可視化に伴い、実証実験パートナーとしてパナソニック エコシステムズ株式会社に賛同してもらい定量計測や「ジアイーノ」の設置に強力してもらったという。

検証内容

今回はJR東日本グループとの実証実験として、ペット専用新幹線として臨時列車を運行し3車両を活用。1車両のみお客さまと愛犬が乗車する車両としてパナソニック エコシステムズと3社共同で運用・計測検証を行った。


■検証前に挙がっていた具体的な課題例

騒音(吠え)、粗相、ニオイ、皮脂・被毛の滞留

■皮脂・被毛等に対しての対策

乗車前に全席にシートを被せ、座席に皮脂・被毛の付着を最低限にする準備を行う。また、下車後は特別清掃を入れ、小さなお客さま(犬たち)が触れた箇所の清掃を徹底。

■空気質に関する評価項目

空気浄化等の対策を施した車内にペットが乗車・解放した場合も含めた粉塵の発生量の評価、およびニオイ発生量の評価。

●使用機器

次亜塩素酸 空間除菌脱臭機「ジアイーノ」F-MV4300 6台

<計測器>

粉塵量評価:ハンドヘルドパーティクルカウンター 3888(日本カノマックス)

ニオイレベル評価:ポータブル型ニオイセンサ XP-329ⅢR(新コスモス電機)

検証条件

■お客さまペット専用車両

今回は2号車をペット専用車両として運用。当日は18組35名の飼い主さまと21匹の愛犬が同乗。

■「ジアイーノ」の設置場所

ペット専用車両(2号車)の2列目と14列目にそれぞれ「ジアイーノ」を3台ずつ設置。風向きはそれぞれ車両中心部に向かって吹き出すように設置。ホーム入線後車内に設置し、お客様降車直後まで稼働。


■計測場所

ペット専用車両(2号車)前方、後方、中央付近で粉塵・ニオイを計測。比較対象としてペットが乗っていない車両(3号車)にて同様に計測。

■計測タイミング

全部で6回計測

・上野駅ホーム上

・ホーム入線直後(お客さま乗車前)

・お客さま乗車後

・ファミリータイム(ケージフリー)中

・お客さま降車直後

・車両センターでの清掃後

検証結果

■検証結果①|【空気質評価】今回のペット車両への対策をとった専用新幹線車内では、ケージフリーの時間も、粉塵、ペット臭の発生は抑制

本検証では、パーティクルカウンターで0.3µmと0.5µmの大きさの粒子の数を計測。ペットの開放・人の活動による粉塵の発生が想定されたが、ペット同伴乗車でファミリータイム有の2号車と比較対象のペット同伴乗車なしの3号車の粉塵量に明確な差は見られず、今回の対策によって粉塵の発生が抑制されていると推測される。

また、ニオイについてはお客さまの一斉乗車後に数値が一時的に上がったものの、犬の活動量が増えるファミリータイムにおいては数値は徐々に低下した。「ジアイーノ」によるニオイの抑制効果もあったと考えられる。

■検証結果②|【参加者満足度】乗客の77%が満足し、支払い意欲も通常の2倍。マナー重視する傾向


今回のペット専用新幹線の運行は、軽井沢ペットツーリズムツアー「わん!ケーション」の移動手段として実施。参加者の65%はこのペット専用車両への乗車を目的に参加し、開催後のアンケート調査では77%のお客さまが満足と評価した。また、本ツアーを一般車両・従来ルールで乗車した場合は一人6,000円程度の支払いとなるが、ペットフレンドリー車両へ乗車できる場合、85%のお客さまが2倍の12,000円を支払い許容値として指定した。

また、「公共交通がペットフレンドリーになるために、何が必要だと思いますか?」という設問に対しては、飼い主のマナー向上や導線設計、啓発について多く言及された。

「ペット連れの人と普通の乗客の動線をできるだけ分けること(専用車両や専用待合場所など)」

「新幹線についてですが、ペットに限らず、あらゆるものを持ち込める自由車両があると良いなと思いました。自転車、ベビーカー、車椅子、大型犬、小型犬、なんでもありの車両です」

「飼い主さんの他のお客さんに対する気遣い。愛犬のトレーニング」

「(犬を)飼っていない方の固定概念をなくす(一匹が吠えたら大合唱になるのではないのかなど)」

「世の中の理解と飼い主さんのマナー」

本実証実験における各社のコメント

■ パナソニック エコシステムズ株式会社

『今回の実証実験においては、粉塵やペット臭の発生の抑制に対し、一定の効果があることが確認できたと考えられます。一方で、ペットが乗った車両(2号車)と、比較対象となったペットが乗っていない車両(3号車)の空間条件は、「ジアイーノ」の設置有無だけでなく、シートカバー有無、人の数、活動量などの異なる点が多く、対策効果の定量には至っておりません。

ペット専用車両空間の実用化に向けては、今後より細かい空気質の検証や開発を行っていきながら、対策効果の可視化を進めていく必要があります。日本で初めてのペット専用新幹線の実証実験は、ペット、ペットオーナー、そしてペットを飼っていない方々の快適な移動空間の実現に向けて、有意義な実験でした。

当社の「ジアイーノ」は今までも多くのペットオーナーの皆さまにご愛用いただいていますが、今後もペットと人が共存する空間の快適な空気づくりに様々な形で貢献をしてまいります。』

■ JR東日本スタートアップ株式会社

『今回ペット新幹線の実現に向けて、当日のオペレーションや使用した車両の運用を含め、ツアーのお客さまにとってお喜びいただくことはもちろん、いつも当社をご利用いただいているツアー外のお客さまにどのように安心を提供していくかに重きをおき企画設計を行いました。

その中でも上記にあげられる列車の清掃面に関しては社内外の専門家との検討を重ね、当日のオペレーションに対しても愛犬が列車から飛び出すことのないように途中駅を設けない特別な運行経路やファミリータイムの時間設定を設けています。

また、本取り組みはペットとの旅体験の先駆者であるエアライン系の会社さまとも同じ交通業界のペットフレンドリー化に向けてご知見をいただき、オールチームで実現に至りました。今回参加いただいたお客さまのお声や日程が合わず残念とのお声をいただきましたお客さま、可愛らしいわんちゃんが喜んでいる様子をみて、まだまだ公共交通として鉄道や駅へのポテンシャルを感じています。

まずは実証実験での結果をもとに検討を重ね、ペットと当たり前のよう鉄道でお出かけができる未来、家族として愛せる世界をPETOKOTOと共に実現していきたいと考えています。』

■ 株式会社PETOKOTO

『ペットの家族化が注目を集めている昨今、ペットと泊まれる宿やレストランなど、愛犬と家族として過ごせる場所も増えつつあります。しかし公共交通機関は、多様なバックグラウンド・目的を持った方々が日常的に利用している場所です。そのため、ペットが苦手な方・アレルギーのある方にも配慮が欠かせないことを鑑みると、今回ペットフレンドリーな車両として「ペット専用新幹線」の実証実験を実現できたことは、振り返ってみても大きな挑戦であったと感じています。

伴走いただいたJR東日本グループの皆さまやパナソニック エコシステムズ株式会社さま、そして日本初の取り組みにご参加いただいたお客さまのご協力あってこそでした。今回の実証実験では検証しきれなかったこと、課題もみえています。

マイノリティとして捉えられがちな「ペット」という存在は、一緒に暮らす方にとっては間違いなく家族であり、手荷物ではありません。ペットに限らず、現代では「多様性の受容」が一つテーマになっていると考えています。いろいろな家族のかたちが互いに尊重し合える社会に向けて、今後も「ペットを家族として愛せる世界へ」というPETOKOTOミッションの実現に向けて尽力してまいります。』

※関連リンク:プレスリリース 

TOMORUBA編集部) 

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コメント2件

  • 萩広史

    萩広史

    • Belle fleur
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