日本農業が総額約11億円の資金調達、農産業のグローバル展開に向けた積極投資を進める
日本の農産物や品種の輸出を通じて「日本の農業で世界を驚かす」ことをミッションとする株式会社日本農業は、アグリビジネス投資育成株式会社、オイシックス・ラ・大地株式会社、センコーグループホールディングス株式会社、株式会社ニチリウ永瀬、株式会社福岡ソノリク、ラクスルCOO福島広造氏等を引受先とする第三者割当増資による総額約11億円の資金調達を完了した。
今回調達した資金を下記4つの目的で活用し、日本政府が掲げる農林水産物・食品の輸出額5兆円達成の牽引役として事業拡大を進める計画だ。
・りんご、キウイ、さつまいも等の国内での大規模輸出産地形成
・輸出用の大規模選果場への設備投資
・東南アジアでの自社ブランドESSENCEのブランディング強化
・品種知財を活用した海外生産の強化
また、ラクスル取締役COO福島広造氏がアドバイザーに就任。ラクスルは、日本農業と同様、旧態依然とした業界に一石を投じ革新を起こしたスタートアップ。福島氏のラクスル、印刷業界での産業変革の経験は農産業に当てはまるものも多く、福島氏をアドバイザーとして迎えることで、よりダイナミックに日本の農産業の改革を進めていくという。
日本農業は、これまで様々な日本産農産物の輸出に取り組んでおり、タイを始めとした現地にマーケティング人員を置き、日本産農産物の魅力を効果的に海外一般消費者へ伝えられるよう市場調査、ブランドの推進、コンサインメント契約による棚作り等様々な施策に取り組んでいる。自社ブランド「ESSENCE」を通し、限定的だった日本産りんご市場をタイやインドネシア等の東南アジア諸国を中心に開拓・拡大し、特にタイ・ベトナム・インドネシアについては2016年の日本農業参入以降日本産りんご輸出総額は約2倍に増加した。日本農業はりんごを始めとした日本産農産物の魅力を海外の消費者に伝え、日本の農産物全体の需要を高めるとともに、付加価値を高めることをミッションとしている。また、日本の優良な農産物の品種を活用したビジネス機会を模索すべく、知財保護策の実施と合わせた海外生産も展開している。
なお、2022年2月に「農林漁業法人等への投資の円滑化に対する特別措置法」(以下「改正投資円滑化法」)が拡大改正され、アグリビジネス投資育成は投資対象とする事業領域を漁業・林業法人、国内外の「食のバリューチェーン」に参加する広範な企業、ベンチャーに拡大した。同件は、アグリビジネス投資育成における改正投資円滑化法の適用第一号案件となった。
資金調達先各社からのコメント (五十音順)
■アグリビジネス投資育成株式会社:取締役代表執行役 松本 恭幸氏
当社の事業は農産物輸出による海外マーケットの獲得、国内農業の生産性向上等に資するものであり、弊社の最大の目的である”日本の食農バリューチェーンの拡大・強化”に合致すると考え今回投資いたしました。今回の調達資金も活用して当社が、日本の農業に変革を起こすことを大いに期待しております。また、弊社としても株主である日本政策金融公庫や農林中央金庫等のネットワークを総動員して、当社の成長を支援して参ります。
■オイシックス・ラ・大地株式会社:取締役執行役員 経営企画本部 本部長 松本 浩平氏
日本の農産物・品種の質の高さは世界に誇れるものだと思っています。当社は日本農業社の設立直後から、その着眼点と志に共感し、支援を行ってまいりました。今回の増資によってさらに事業展開が加速するものと期待しています。
■センコーグループホールディングス株式会社:取締役 国際事業担当 高梨 利雄氏
日本の高品質の農産物を世界に広げ、日本の農業の成長に繋げるという考えに賛同しました。私たちの物流ノウハウを活用して、高鮮度の農作物を世界の消費者にお届けすることは社会的意義も大きいと考えております。
■株式会社ニチリウ永瀬:代表取締役社長 金尾 佳文氏
日本農業の「日本の農産物や品種の輸出を通じて”日本の農業で世界を驚かす”」という視点、とその実際の取組に強く共感しています。我々も儲かる農業を具現化したいという一念のもと、様々な協業を通し、新たな農業ビジネスの可能性を生み出し共に道を切り開いていけるものと確信しています。今後も可能な限り支援を続けてまいります。
■株式会社福岡ソノリク:取締役 経営管理本部 本部長 園田 裕輔氏
日本農業は今後の日本の農業をより良い時代へ導く熱い想いと想いだけにとどまらない行動力を持ったチームだと感じています。今回の出資を機に、同じ価値観を持った同志として交わり、それぞれの強みを活かしながら連携することで、最高のパフォーマンスを発揮できると確信しています。目指す世界の実現に向け、全力で連携させていただきます。
■福島広造氏
日本は世界に誇る食文化を持っているが、それを支える農産業は世界に存在感が示せてない現状で、日本農業の農産業課題に真正面から向き合う覚悟と10年スパンで産業全体をアップデートしていく気概に魅力を感じて、ご支援をさせていただきました。エネルギー溢れる経営チームの飛躍に大いに期待しています!
日本の農産業の現状
日本の農業は、高品質な農産物を作ることにおいて、世界でも抜きん出た存在だ。
限られた土地の中で創意工夫を凝らし品質向上に努めてきた農家の方々の存在があってこその強みに他ならない。
一方で、販売先市場が国内に限定されていた日本の農業は今、コスト優位性のある海外産品目の流入による競争の激化や、日本の人口減少に伴う需要減に立ち向かっている。
同時に、日本の優良品種に目を付けた海外の業者が、知財を国外へ持ち出し無断で栽培・販売し、日本の農家に入るはずの利益ごと、国外へ流出しているのが現状だ。
日本農業が目指す世界
日本農業は、以下を実現することにより、日本の優良品種を世界に届け日本の農業で世界を驚かすことを目指す。
・海外の輸出販路を開拓し、付加価値のある商品が作った分だけ適切な価格で販売できる環境を創る
・優良なメイドインジャパンの品種を保護し、それらを栽培したいと思う海外農家を開拓
・農産物のライセンスビジネスを推進することにより、日本の農業を「儲かる産業」へ転換
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