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ソーシャルセクターのリディラバが、総額2.3億円の資金調達を完了

ソーシャルセクターのリディラバが、総額2.3億円の資金調達を完了

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株式会社Ridiloverは、2020年のコロナ禍以降、谷家衛氏(あすかホールディングス株式会社取締役会長)、高濱正伸氏(花まる学習会代表 株式会社こうゆう代表取締役)、吉田浩一郎氏(株式会社クラウドワークス代表取締役社長 兼 CEO)、大湯俊介氏(起業家)、小泉文明氏(株式会社メルカリ取締役会長 株式会社鹿島アントラーズFC代表取締役社長)、Sachiko Kuno, Ph.D.(SK Impact Fund Japan, LLC, Manager)、上野山勝也氏(PKSHA Technology創業者)、日本ベンチャー・フィランソロピー基金(JVPF)からの第三者増資割当、及びデットファイナンスでの増資など合わせて、総額2.3億円の資金調達を行った。

今回の資金調達を通じ、同社は今まで見過ごされてきた社会的価値を経済につなぎ直し、新たなマーケットを創出していくという。

こぼれ落ちる社会的価値を経済につなぐ

同社は、社会問題が解決しない原因にはその問題に対する社会の無関心があると考え「社会の無関心の打破」を理念に掲げ、事業を展開してきた。当事者だけでは解決しない問題に関心を集め、様々な資源を投入し、解決に向けてそのプロセスを進めていくことは、大きな社会的価値があるという。

一方で「社会の無関心を打破したい」というニーズを、元々個人や企業は持っていない。むしろ市場の大多数は社会問題への無関心層が占める。この状況において、同社の理念はマーケットインの市場原理とは相性が悪く、金銭的価値だけを目的とした投資対象になり難いものだった。

しかし、昨今のSDGsやESG投資の動きから「いくら売上が大きくても向社会的な取り組みに積極的でない企業とは取引しない」という価値観は、金融市場では一般的なものになった。この、社会的価値と金銭的価値を同時に実現するインパクト投資の流れは、マネーゲームと揶揄される行き過ぎた資本主義に歯止めをかけ、社会的価値と資本主義が新しい関係を築く端緒になったと言える。同社は、この関係を更に発展させたいと考えている。

例えば現在のインパクト投資は、必ずしもすべての社会的価値をカバーできているわけではない。まず対象となる価値は測定可能なものであり、かつ金銭的価値に置き換え得るものだという。そして実際は、その対象から更にリスクとリターンがバランスしているものが投資先として優先される。同社は、このプロセスの中でこぼれ落ちていく多くの社会的価値を、経済的な価値につなぎ直し、新たなマーケットが立ち上がる未来を創っていきたいと考えているという。そのためには、まず社会的価値を総合的に整理した上で、測定可能なものを増やし、正当に評価することが必要となる。また、社会的価値が高いと評価された投資のリスクプレミアムは、ある程度パブリックセクターが担うことで社会実装が進む。こういった要素は、社会の無関心の打破が進み、官民織り交ぜたステークホルダーを巻き込む同社の事業が、今後拡大する中で実現していくという。

今回同社に投資をした人々は、これまで投資家・実業家として大きな成果を残している。一方で、同社が見据えている社会的価値に対しては、現代の経済的・金融的な仕組みにおけるリターンの形は存在しておらず、資金を流入させる方法は寄付だけだった。それでも、資本主義をアップデートするという意思を込め、継続的に関与して行く仲間として今回『投資』という形を取った。今後は株主として同社の活動に参画してもらい、共に議論を深めていきたいという。

関係者のコメント

■株式会社Ridilover 代表取締役 一般社団法人リディラバ 代表理事 安部 敏樹氏

「我々がどれだけ社会に必要な活動に育っても、今の時点で、このお金に出口はない。その意味では、投資とは呼べないかもしれない。しかし、市場のそういった現状自体を変えなくてはいけないと思っている」

今回の資金調達に関わっていただいた皆さんに、そう問題提起させていただきました。

綺麗事としては正しい。だけどなかなかこの綺麗事に、身銭を切って乗っかることはそう簡単なことではありません。それでも、この無謀な枠組みに、仲間として参画してもらった皆様に心の底から感謝しています。

経済とは、評価とインセンティブのシステムです。言い換えると、経済とは人間の主体性を促す環境設計でなければならない。何のために生きていくか実感しづらい現代において、人が主体的になれる為にはシステムの設計全体を変えていかねばなりません。

リディラバは社会問題の現場での出会いを作り続けて13年目になりますが、誰かの困りごとが、別の誰かの主体性のきっかけであり、世の中の未来への手がかりであることを日々実感してきました。そういった優しい関心に溢れる社会を皆さんと一緒に作っていければと思っています。

■あすかホールディングス株式会社 取締役会長 谷家衛氏

安部ちゃんの実体験に基づいた「社会的弱者が生まれるのは、社会の環境によって起こり、環境さえ変われば、現在の社会的弱者の彼らも全然違う自分を表現できる」という考えと安部ちゃん自身にとても共感しています。

「全ての人がマイノリティ」というように私も考えており、その意味でリディラバの「社会課題を自分事として考える人を増やす」というミッションは素晴らしく、リディラバは、このミッションに共感する人を増やして社会をより良い方向に変えていけると強く信じています。

■花まる学習会代表 株式会社こうゆう代表取締役 高濱正伸氏

ここ数年、起業家育成のムーブメントの中で、様々な若者を見てきたが、バイアウトだのバリエーションだの小儲けを夢として語る人をたくさん見てきた。安部敏樹はその点で、全く別種の人格だし、エネルギーが傑出していた。結果の数値ではなく、彼自身の不動のビジョンに向かって邁進していることは、「ここまで拾うか!」というくらい、見過ごされがちな社会課題を、細やかに取材し続けていることで分かる。凄いと心から思う。投資という参画をできたことを幸いに思っている。

■株式会社クラウドワークス 代表取締役社長 兼 CEO 吉田浩一郎氏

世界中のあらゆる社会課題を世の中に伝え、社会課題について考える機会や関わる機会を作っているリディラバは日本でも稀有なベンチャー企業であり、非常に社会的意義を感じています。

代表の安部さんは一つ一つの物事を深く掘り下げて理解した上で、人々にはわかりやすく噛み砕いて説明してくれる方ですので、ぜひリディラバを通じて一人でも多くの方々に社会課題に触れてもらいたいと考えています。期待しています!

■起業家 大湯俊介氏

あべちゃんとは、リディラバ主催のR-SIC第一回をお手伝いさせてもらう以前から、10年来の旧友です。

そんな長きに渡り彼が「社会課題」という途方もなく深く複雑なテーマに対し、「無関心の打破」を叫び続け、そして少しずつ周りを熱狂させていく姿をみてきました。その道程で、彼のような人こそが次なる100年で求められるリーダー像なのだろうと思い至り、出資という形で応援させて頂くことになりました。

自身も起業家として、今までもこれからも、良き戦友でありたいなと思っています。

※ R-SIC:2013年からリディラバが主催する、様々な社会課題をテーマにしたカンファレンス。2020年には『リディフェス』としてフルオンラインで実施し、会期中のべ1000人を動員した。

■株式会社メルカリ 取締役会長 株式会社鹿島アントラーズFC 代表取締役社長 小泉文明氏

リディラバ社や安部さんが向き合っている課題はとても大きい。誰かがやらなければならないが、課題が大きすぎて誰もやらないかもしれない。

そこに正面からチャレンジしている安部さんを尊敬し、応援したくなった。

社会を少しでも着実に前進させていくリディラバ社をこれからも僕なりに応援していく。

■PKSHA Technology 創業者 上野山勝也氏

世代/境遇/国籍が全く異なる他者の存在を知ることは「自分自身」をより良く知る為の、最短経路です。現状の社会システムでは構造的に取り残される諸問題に、私たちはどう向き合うべきか?という難問への一つのスタンスは

「拙速な介入や、表面的な解決ではなく、自分自身の存在を『浮き彫り』にする為(つまり、まずは自分自身の為)に、境遇の異なる他者の存在を知り、そして、想いを馳せる」

と言うことではないでしょうか。安部ちゃんとリデイラバの活動を陰ながら応援しています。

■日本ベンチャー・フィランソロピー基金(JVPF) 鈴木栄氏

(JVPF 選定委員 一般社団法人ソーシャル・インベストメント・パートナーズ 代表理事)

日本ベンチャーフィランソロピー基金は、社会インパクトのある事業の持続的成長を支援し、社会的リターンを追求する寄付基金です。しかし敢えて、基金としてリターンを求めていること、そして、そのリターンは経済的ではなく、社会的なものであることを強調するため「投資」という言葉を使います。社会として重要なものを得るため、資金だけではなく、プロボノパートナーや私たち自身の有限資源である時間も投資し、多くのリターンを得ることを目指しております。

Ridiloverへの投資は社会的リターンがあること、また、このような投資を社会に実装しようとする事業でもあると受け止め、今回Ridiloverに投資をいたしました。

Ridiloverの皆さんと共に、社会の無関心の打破に取り組んでいきたいと思います。

関連リンク:プレスリリース 

TOMORUBA編集部) 

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