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住友生命×スタートアップなど4社 | プレコンセプションケア領域での企業向けソリューションの共同開発に向けた実証実験をスタート

住友生命×スタートアップなど4社 | プレコンセプションケア領域での企業向けソリューションの共同開発に向けた実証実験をスタート

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住友生命保険相互会社は、企業における「不妊治療と仕事の両立のサポート」および「将来妊活に取り組む人のサポート」など、プレコンセプションケア(※1)領域のソリューション開発に向けて、スタートアップ企業や関連団体と事業共創に向けた検討を進めている。同社は、本ソリューションのニーズ調査や効果検証のため、住友生命社内での実証実験を実施すると発表した。

※1 プレコンセプションケア(Preconception Care)とは、女性やカップルが自分たちの生活や健康に向き合うこと、そして、元気な赤ちゃんをさずかるチャンスを増やす、女性や将来の家族がより健康な生活を送れるようにする一連の取り組みのこと。

実証実験に取り組む背景

住友生命は、「一人ひとりのよりよく生きる=ウェルビーイング(Well-being(※2))」に貢献することで、「なくてはならない」生命保険会社を目指している。この目標を実現するために、Vitality健康プログラムを中心とする WaaS(Well-being as a Service)(※3)エコシステムを構築し、様々な Well-beingサービスでお客さまとつながり、そこから得られる多様なデータを活かして、一人ひとりのお客さまにより適したサービス、最適な保障を届けていきたい考えだ。

こうした構想のもと、WaaSを構成するサービスの1つである「プレコンセプションケア」のサポートを通じ、「不妊治療と仕事の両立」という大きな社会問題の解決および、将来妊活に取り組む人への介入による社会問題そのものの縮小に向け、協業するスタートアップ企業や関連団体と連携して事業共創を図り、企業や自治体へのサービス提供を検討していくという。

※2 Well-being とは、「健康」に対する新たな価値観であり、「身体的・精神的・社会的・経済的に幸せと感じる状態」、ひいては「そうあるための行動、選択、ライフスタイルを積極的に追求すること」。

※3 WaaS(Well-being as a Service)とは、Well-being に資するサービスエコシステムのこと。

不妊治療を取り巻く現状と課題

晩婚化や晩産化の進展などにより、不妊に悩む人は増加しており、5.5組に1組(※4)の夫婦が不妊の検査や治療を経験している。また、14人に1人(※5)の子供は高度な不妊治療を経て生まれている。

このため、働きながら不妊治療に取り組む人も増加していると考えられるが、企業の支援制度や職場の理解が十分でないケースがあり、仕事との両立が難しいため、退職したり治療を諦めたりする人が多くいると言われている。

2022年度より不妊治療が保険適用化される方針も発表され、社会的な関心の高まりが追い風となる中、実際に制度が利活用されるには職場環境との両輪でサポートしていく必要がある。

自身の望む「理想のライフプラン」実現のために、不妊症や不妊治療は密接に関わることから、特に若年層に向けての情報発信や気付きの提供も重要な課題となる。

※4 国立社会保障・人口問題研究所「平成27(2015)年第15回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」
※5 日本産科婦人科学会「ARTデータブック2019」

本ソリューション開発に向けた協業概要

以下のスタートアップ企業や関連団体と事業共創に向けた検討を進めているという。

■株式会社ファミワン

「すべての人に専門家のサポートを届ける」「妊活を再定義する」というミッションを掲げ、「妊活コンシェルジュ」という妊娠を希望する方に向けたLINEによるパーソナルサポートサービスを提供。

■株式会社Vitalogue Health(バイタログヘルス)

自分の手で人生を描き続けたいと願うすべてのひとの、あらゆるライフスタイルを叶えるための自宅でできるホルモン検査「canvas」をはじめとする「ホルモンケア」サービスを提供。

■NPO法人Fine

「不妊治療患者が正しい情報に基づき、自分で納得して選択した治療を安心して受けられる」環境、また「不妊体験者が社会から孤立することなく、健全な精神を持ち続けられる」環境を整えることを目指して設立された不妊治療当事者団体。

■株式会社フェアワーク

従業員サーベイ「FairWork survey」や法定ストレスチェックサービス「Fair-lead」を展開。多くの中央省庁や一部上場企業が採用。

▼事業共創イメージ


実証実験の内容

2021年11月1日から11月19日の3週間にわたり、住友生命の全従業員向けの知識付与や風土醸成のためのイベント、不妊を不安に思う人などに寄り添うことを目的とした各種相談窓口(社外設置)を試験的に導入する。具体的な実施内容は以下のとおりだ。

a.不妊治療と仕事の両立に関するアンケート

不妊症や不妊治療の実態を把握するため、住友生命の全従業員を対象とした匿名のアンケート調査を実施。アンケート基盤として株式会社フェアワークの「FairWork survey」を活用する。

b.オンラインセミナー

妊活全般の基本的な知識から、仕事と不妊治療を両立、妊活・不妊治療に対する職場サポート、女性特有の健康課題などをテーマにした多様なオンラインセミナーを開催する。各セミナーの講師には株式会社ファミワンおよびNPO法人Fineから派遣してもらう。

c.卵巣年齢チェック&アドバイス

若年層を中心に、将来のライフイベントを自分ごととして受け止めてもらえるよう、希望者に対して、株式会社Vitalogue Healthの卵巣予備能(卵子の残り数)を測定する検査キット「canvas」を配付する。

d.妊活等に関するLINE相談

不妊専門の看護師や臨床心理士、胚培養士などの専門家に相談できるLINEによる無料相談窓口を導入する。希望者に対して、株式会社ファミワンの「妊活コンシェルジュ」サービスを無償提供する。

e.妊活等に関する対面相談(オンライン)

LINE相談では話しにくい疑問、ストレスやキャリアについての不安など、株式会社ファミワンによる予約制のオンライン相談窓口を設置する。

各実施内容について、利用者数や利用者の属性(年齢構成や男女比)、行動変容などについて検証・評価を行い、今後の事業展開に活用する。なお、実証実験の実施にあたっては、不妊症や不妊治療が非常にセンシティブなテーマであることをプロジェクトチームのメンバー全員が深く理解したうえで、「プライバシー情報の秘匿性」「個人の尊厳」「選択の自由」について最大限配慮し、外部の専門家の監修も受けながら検討を進めていく予定だ。

本ソリューション開発に向けたプロジェクトの背景

住友生命では、新規事業創出を目的とした社内提言制度「スミセイInnovation Challenge」を2020年度から開催している。今回のプロジェクトは、その第1回となる「2020年度スミセイInnovation Challenge」において最終審査を通過した6案件のうち、プレコンセプションケアに関連する2案件が共同で検討を進めているものだという。

※関連リンク:プレスリリース

TOMORUBA編集部

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