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貿易プラットフォームを運営する「トレードワルツ」、9億円の資金調達を実施。累計調達額は30億円に

貿易プラットフォームを運営する「トレードワルツ」、9億円の資金調達を実施。累計調達額は30億円に

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東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(以下、東大IPC)、三井倉庫ホールディングス株式会社、株式会社日新、株式会社TW Linkの4社と、貿易情報連携プラットフォーム「TradeWaltz®」を運営する株式会社トレードワルツは、トレードワルツへの共同出資に合意し、上述4社は合計で9億円の追加出資を発表。これによりトレードワルツの資金調達累計は30億円となる。

日本と世界の貿易手続きに含まれるアナログコミュニケーションの完全電子化を目指すトレードワルツは、2020年11月に株式会社エヌ・ティ・ティ・データをはじめとする7社の共同出資で事業を開始した。貿易コンソーシアム活動を通じ50%以上の貿易実務効率化を実証した貿易情報連携プラットフォーム「TradeWaltz」 の国内普及を、政府と連携して進めているという。しかし、TradeWaltzの国内普及を進める上では、貿易DXを目指す物流会社の協力を得る必要がある。また、真にALL JAPANで貿易DXを実現するには官民に加え「学」が持つ知見を取り込み、産官学で貿易の未来ビジョンやデータを起点とした様々な付加価値サービスを考えていく必要がある。

そのため、トレードワルツは今回、三井倉庫HD、日新、TW Linkといった物流会社を新たな株主として迎え、国内物流会社への普及と新たな物流DXサービスの検討へ着手すると共に、東大IPCを新たな株主として迎え、TradeWaltzに蓄積・許諾を頂いたデータを活用し、どのような付加価値サービスを生み出せるか、東京大学と検討していくという。

東大IPCとの取組

東大IPCは、「企業とアカデミアとの連携によるベンチャーの育成・投資」をコンセプトとするAOI1号ファンドを運営しており、各業界のリーディングカンパニーからのカーブアウトやJV設立など、新しいベンチャー設立手法や投資に挑戦している投資会社。今回、高い技術力・事業構想力と日本中の大企業によるバックアップを受けられるトレードワルツを通じ、貿易立国である日本を支える国際物流のDX化を実現すべく、同社への出資を決定したという。投資後は、同社唯一のファイナンシャルインベスターとして、数多くのベンチャー投資とIPO実績を通じて培ったノウハウを生かした株式公開支援を実施していくという。また、同投資に先立ち、スタンフォードから帰国して東大のマーケットデザインセンター長に着任された小島武仁教授が、トレードワルツアドバイザリーボードへ着任した。東大IPCは引き続き、同社の産学連携活動も支援していくという。

※小島武仁教授:世界トップレベルの経済学者。専門は「マーケットデザイン」で、データのマッチングによる新規市場の構想・社会実装に強みを持つ。トレードワルツに今後蓄積され、ユーザーの利用許諾を頂いたデータを基に、マーケットプレイス(商流マッチング)、カーゴマッチング・物流最適化(物流マッチング)など様々な機能・分野でのアドバイス、および必要な世界中の研究者ネットワークを提供予定。

三井倉庫HDとの取組

三井倉庫HDは、「物流」という重要な社会インフラを支える総合物流企業。物流デジタルトランスフォーメーションは、利用者を始めとする各企業のDX実現に必要不可欠な基盤であり、三井倉庫HDは、物流DXによるSCMの最適化・効率化に資するプラットフォームの構築を通じ、多様化する世の中に対する新たな価値の創出と提供を目指している。その取り組みの一環として、今般の協業を通じトレードワルツの持つ高度な技術力と三井倉庫HDの持つ物流の知見を融合することで、国際貿易における書類の電子化、業務の自動化などを実現していくという。

日新との取組

日新は本年度4月に物流DX推進室を設置し、国際物流の進化を目指して新たな物流サービスの開発に取り組んでいる。トレードワルツの貿易プラットフォーム基盤を活用することで、フォワーディングサービスのデジタル化を進め、荷主に分かりやすく、よりスピーティーな国際物流ポータルサービスの提供を目指すという。また、IoT技術を活用した国際物流の可視化に取り組んでおり、トレードワルツが持つブロックチェーン技術と組み合わせることで、円滑で効率的なグローバルサプライチェーンの実現に向けてチャレンジしていくという。

TW Linkとの取組

TW Linkはトレードワルツの既存株主である総合商社兼松株式会社が、関係の深い物流会社4社(※)と共に、TradeWaltz導入を契機とした物流DXを共同推進し、トレードワルツの企業価値向上を目指し、本年7月に設立したジョイントベンチャー。現状の兼松持ち分はTW Linkへ移管し、それに加えてTW Linkからトレードワルツへ追加出資を行います。物流関係の知見提供、荷主・物流会社への利用促進に加え、物流系プラットフォームとの連携などを協力予定。

(※)川西倉庫株式会社、鈴江コーポレーション株式会社、大東港運株式会社、富士倉庫株式会社

関係者のコメント

■東京大学協創プラットフォーム開発株式会社  代表取締役社長 大泉 克彦 氏

「貿易実務の電子化は社会的ニーズが高い反面、実現が非常に難しい分野です。トレードワルツ社は高い技術力、事業構想力を持つチームで構成されており、かつ大企業の連合体で組成されていることで実現の可能性が高いと考えます。また東京大学大学院経済学研究科の小島武仁教授のアドバイザリーボード着任により、得られた貿易データより新たなサービスが生まれることも期待できます。東大IPCとしても産業全体に対する波及効果の高い案件として応援したく、この度株主としてご一緒できることを非常に嬉しく思います。」

■三井倉庫ホールディングス株式会社  代表取締役社長 古賀 博文 氏

「当社グループは、物流サービスを通じた新たな価値の創出と持続可能な社会の実現に貢献することを価値創造プロセスにおいて重視しています。物流DXなくして各企業のDXの実現は困難であるとの認識のもと、トレードワルツ様、株主の皆様、アカデミアの皆様のご協力を得ながら世の中のDX化に貢献し、社会インフラを支える企業としての責任を果たして参ります。」

■株式会社日新  代表取締役社長 筒井 雅洋 氏

「貿易実務の電子化だけにとどまらず、貿易プロセスの変革まで踏み込んだ貿易プラットフォームを目指すトレードワルツに賛同し、この度、出資・参画いたしました。 当社の国際物流の知見と経験を活かし、トレードワルツを通じて国際物流DXに貢献して参りたいと思います。」

■株式会社TW Link  代表取締役社長 重田 和康 氏

「これまで貿易実務の電子化が進まなかったのは、物流の現場レベルの理解と協力が得られなかったことが要因と考え、そのボトルネックを解消するべく、荷主と物流会社が一体となったTW Linkを設立しました。TradeWaltzを安全・安心・円滑な貿易プラットフォームに成長させるべく、物流の幅広い見地から貢献していく所存です。」

■株式会社トレードワルツ  代表取締役社長 小島 裕 氏 

「アカデミアから東大IPC様、物流業界から三井倉庫HD様、日新様、TW Link様に出資参画頂けたことに心より感謝申し上げます。今回迎え入れた新しい株主の皆様と共に、国内でのサービス普及に努めると共に、アカデミアの皆様と産学官ALL JAPANで貿易の未来やサービス構想を深めていければと思います。」

※関連リンク:プレスリリース 

TOMORUBA編集部

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