防災テックベンチャーの「Spectee」 | 福井県で発生した浸水状況を、AIでリアルタイムに地図上で再現
防災テックベンチャーの株式会社Spectee(スペクティ)は、福井県で2021年7月29日に発生した河川の氾濫による周辺地域の浸水状況について、AIでリアルタイムに解析し地図上にシミュレーションを行ったと発表した。
取り組みの背景
台風や線状降水帯による集中豪雨など、近年多発する水災害において災害発生時に被害状況をいち早く把握することは喫緊の課題となっている。スペクティでは、河川の氾濫直後に、ほぼリアルタイムに浸水範囲と浸水深を推定し、2Dおよび3Dのマップ上に再現する技術の開発を進めており、被害状況をわかりやすく可視化することで、災害対応の迅速化に役立てていくことを目指している。
福井県での取り組み
7月29日に発生した福井県を流れる志津川、九頭竜川の氾濫は、流域の広範囲で浸水・冠水による被害をもたらした。スペクティでは、現在開発を進めているAIによるリアルタイム浸水推定技術を用いて、SNSに投稿された画像をもとに、浸水の推定範囲および深さを解析し、地図上にシミュレーションした。(なお、図は本技術に基づいた推定値。現在、本技術の開発と並行して精度検証を行っている。)
▼福井県志津川、九頭竜川周辺の浸水推定図(2021年7月29日)- SNSの投稿画像をもとにAIで解析し作成
株式会社Specteeについて
スペクティでは、AIを活用したデジタルツイン技術を用いて、SNSに投稿された画像や河川カメラ・道路カメラ、ドローン画像等の映像から浸水した場所や深さを自動的に割り出し、降水量、地形データ等と組み合わせて統合的に解析し、2Dおよび3Dの地図上に再現する技術の開発を進めている。
現在、氾濫発生から10分以内に浸水範囲と各地の浸水深を地図上に表示することが可能になっており、被害が進行した場合の予測値や予想最大被害範囲など、浸水による被害を多角的に可視化し、迅速な災害対応に役立てることを目指している。(同社は、本技術を通じて得られる各地点における詳細な緯度経度情報や浸水深(推定値)などのデータの提供を行っている。学術研究や企業の実証実験等で使用可能だという。)
なお、スペクティが提供するAI防災・危機管理情報ソリューション『Spectee Pro』では、SNSからの投稿や気象データ、停電や交通状況など100以上のカテゴリーで、災害・緊急情報をリアルタイムに配信している。無料トライアルも受け付けているという。
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