行政システム×パナソニック|投票所においてAI画像センシング技術を用いた混雑可視化の実証実験を実施
行政システム株式会社とパナソニック システムソリューションズ ジャパン株式会社(以下、パナソニック)は、2021年4月9日(金)~24日(土)に長野県で実施された「参議院長野県選出議員補欠選挙」の期日前投票において、長野市役所及び長野市選挙管理委員会協力のもと、パナソニックのAI画像センシング技術を用いた投票所混雑可視化の実証実験を実施した。
▲上写真:投票所においてAI画像センシング技術を用いた混雑可視化の実証実験
各投票所はより多くの有権者の投票を促したい一方で、混雑回避など新型コロナウイルス感染症の感染リスク対策が求められている。その対策の一つとして、行政システムでは混雑状況を職員の手で簡易に配信し、自治体のウェブサイトなどにその情報を反映させるシステム「OTÁZKA投票所混雑状況配信システム」を導入してきたが、現場では職員が目視で待機列人数をカウント、配信する必要があるため、更新作業の負担や混雑状況案内のリアルタイム性に課題があった。
今回の実証実験では、パナソニックの「人密集度可視化ソリューション」を用い、待機列付近に設置のネットワークカメラで撮影した画像から投票所における待機列の人数を自動的に、かつリアルタイムに計測することで、職員による人数カウント業務が代替可能かを検証した。システムの認識精度を測定するため、並行して目視での人数カウントを実施し、実際の待機列人数と相違のない結果が得られたことから、行政システムのOTÁZKA投票所混雑状況配信基盤とパナソニックのAI画像センシング技術を掛け合わせることで、職員の負担軽減とリアルタイム性の向上を実現し、投票所における混雑回避と有権者投票の促進が期待できる。
今後両社は、選挙以外にも催事やイベントでの活用を推進し、自治体職員の業務効率化や生産性向上、働き方DXを実現するサービス展開を見据え、引き続き技術検証を進めていくという。
▲OTÁZKA投票所混雑状況配信システム
▲(左)実証実験カメラの設置全景(右)計測アプリケーション処理結果画像(閉庁後に関係者のみで撮影)
映像データの取得・解析について
人密集度可視化ソリューションでは、取得した画像データをパソコンやサーバーの内部に残すことなく、人数カウントのデータのみを抽出、保存することで、個人情報を端末に残さない仕様を実現している。画像データを取得する際、個人認証は行わないが、個人を撮像する作業は行うため、現場およびウェブサイト等で事前告知や通知を行っている。
これらの対応は、経済産業省・総務省が公開している、IoT推進コンソーシアム カメラ画像利活用サブワーキングで検討された「カメラ画像利活用ガイドブック」の事例・運用を参考にしており、事前告知や通知を行うことで、行政と市民の間での相互理解に努めていくという。
▲「カメラ画像利活用ガイドブック」に則った通知文の掲示
行政システムのOTÁZKA投票所混雑状況配信システムについて
OTÁZKA(オタースカ)投票所混雑状況配信システムは、投票所の感染症予防対策の一環として、混雑状況を自治体職員の手でカンタンに配信でき、自治体のホームページなどにその情報を反映させることができる。専用機器を必要とせず、スマートフォンやタブレット端末、ノートパソコンなど、インターネットに接続された環境であればすぐに利用可能なシステムとなっている。
パナソニックの現場センシングソリューションについて
パナソニックは、高性能で使いやすいエッジデバイスと、世界最高水準の顔認証技術、画像解析を中心としたセンシング技術を融合し、顧客の「現場課題の見える化」や「現場での対応の効率化をサポート」する事業として2020年7月より「現場センシングソリューション」事業を推進している。ソリューション提案、構築から、システム開発、アフターサービスまでEnd-to-Endのソリューションを提供し、顧客の現場に寄り添い、顧客と共にその経営課題の解決を目指すという。
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