凸版印刷×インフィック | センシング×AIで介護業務を支援
凸版印刷株式会社と介護総合支援事業を展開するインフィック株式会社は、少子高齢化の進行により介護従事者が不足しているという社会課題に対して、センシングとAIを活用した介護業務支援システム「LASHIC+」(ラシクプラス)を開発。2021年1月20日より販売を開始した。
▲上写真:「LASHIC+」のイメージと提供価値/© Toppan Printing Co., Ltd.
「LASHIC+」は、温度・人感等のセンシングが可能な簡易センサーと、それらの取得情報を統合解析できるAIにより、プライバシーを保護した状態で施設入居者の行動を把握することが可能。また、取得したデータをAIが学習することで、施設入居者の普段とは異なる行動(異常行動)を検知し、介護従事者に向けてアラート発報をすることができる。これにより、個々人の入居者に合わせた必要十分なアラート発報による介護従事者の業務負荷を軽減する。また、入居者の状態を可視化することで生活スタイルなどの中長期的な変化の可視化を実現する。また同システムは、インフィックが展開する高齢者生活支援見守りプラットフォームLASHICと連携が可能。
なお、同ソリューションは提供開始に先立ち、インフィックのグループ法人である株式会社まごころ介護サービスの介護施設「まごころの家*馬渕(静岡県静岡市駿河区馬渕4丁目4-20)」に導入されている。
開発の背景
近年、少子高齢化の進行による介護需要が拡大しており、それに伴う介護従事者数の不足が喫緊の社会課題となっている。
このような中で凸版印刷は、ICTを活用し介護業界の課題を解決することを目的とした、介護事業者・入居者(被介護者)・その家族の3者のコミュニケーションを円滑化する事業「トライアングルハート支援事業(以下 同事業)」を2017年度より推進。介護施設での実証実験等の実施によるデータ取得を実施してきた。
今回凸版印刷とインフィックは、同事業内のコアシステムとして、センシングとAIで介護業務を支援するシステム「LASHIC+」を開発。簡易センサーによる情報取得とAI学習により、施設入居者個々人に合わせた異常行動を検知、介護従事者の業務負荷軽減に貢献する。
「LASHIC+」の特長
・施設入居者のプライバシーを担保した状態で行動把握が可能
「LASHIC+」は、温度・湿度・照度・人感・ドア開閉等を検知する簡易センサーを利用した入居者の行動把握が可能なシステム。カメラ等の映像を取得する方法とは異なり、プライバシーを侵害することなく入居者の行動を正確に把握することができる。
・個々人に合わせた異常行動の検知が可能
「LASHIC+」は、個人ごとに収集したセンシングデータをAIが学習することで、入居者一人ひとりにとっての異常状態を検知することが可能。それにより、不必要・不十分なアラート発報による介護業務負荷を削減する。
・簡易にシステムの導入が可能
「LASHIC+」で使用する簡易センサー群は、追加施工の必要なく、居室への後付けが可能。またセンサー設置後、特殊な作業の必要はなく、一定期間の自動データ取得により、個々人に合わせた異常行動を検出する。
「LASHIC」について
高齢者生活支援見守りプラットフォームLASHIC(ラシク)は、「LASHIC+」をはじめ、様々なシステム、デバイス、アプリ、ヘルスケアサービス等が連携し、高齢者の生活を多角的に支援する。
■価格
・初期導入費:27,000円~/部屋
・月額ライセンス費:4,200円~/部屋
今後の目標
凸版印刷は、「LASHIC+」の展開を中心に、介護業界の課題を解決する「トライアングルハート支援事業」を推進する。また「LASHIC+」の特長である、簡易取り付け可能かつ安価なセンサーの利用により、施設介護や地域包括ケアを見据えた在宅介護の領域へ展開を進め、2022年度までに関連受注を含め10億円の売り上げを目指す。
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