クボタがNVIDIAのエンドツーエンド AIプラットフォームを活用し、農業のスマート化を加速
NVIDIAは、株式会社クボタがNVIDIA のエンドツーエンド AIプラットフォームを採用し、農業機械のスマート化を加速させるために協業することを発表した。
日本の農業は高齢化に伴う離農が進む一方で、農作業の委託、経営効率化のための農地集積などにより、営農規模の拡大が進んでいる。大規模プロ農家が抱える人手不足や作業効率の向上、省力化などの課題解決のため、スマート農業の活用が急務になっているという。クボタは国内農機メーカーに先駆けて、スマート農業の本格的な研究を開始しており、「農機の自動化・無人化による超省力化」や「データ活用による精密農業」の普及を目指している。
その中でも「農機の自動化・無人化による超省力化」の実現にあたり、クボタはNVIDIAのエンドツーエンドAIプラットフォームを導入した。これまでクボタはコンピュータービジョンの実装で自動運転・無人化農機の開発を試みていたが、天候や生育状況などのデータから適切な農作業を判断し、これまで実現できていない作物の収穫などの作業まで適時に実行に移す完全無人農機の実現に向けて、今後はNVIDIA のエッジ デバイス向けの組み込みAIプラットフォーム、NVIDIA Jetsonを活用して研究開発を進めていくという。NVIDIA Jetson は高い計算処理能力、精度、電力効率に優れ、また産業向けNVIDIA Jetsonは高耐久設計のため、農業機械の過酷な環境に求められる要件を満たしている。さらにエッジ側では、高精細なスクリーンスティッチングやエッジ検出において、リアルタイムでスムーズな処理が求められるため、NVIDIA Jetsonは最適であると評価された。
AIの学習側の環境として、クボタは卓越したコンピューティングパフォーマンスのNVIDIA DGX AIシステムを導入し、研究開発を進めている。DGXシステムは、GPU向けに最適化されたディープラーニングソフトウェアのハブであるNGCをサポート。開発者はディープラーニングの開発に必要とされる、統合済みのフレームワーク コンテナーを使用することで、AIモデルの設計やトレーニング、実験、展開を容易に実施することができるため、研究開発から製品の市場導入までの時間を短縮することができるという。クボタは最適な推論パフォーマンスを引き出すための鍵となるライブラリ、NVIDIA TensorRTを活用し、高性能な推論用のAIモデルの開発に取り組んでいる。
このように、クボタは同一のコンピューティングアーキテクチャを持つNVIDIAのエンドツーエンド AIプラットフォームを学習から推論(エッジ)まで導入し、開発を効率化することで市場投入の短期化を図る。例えばDGX システムで農機に搭載された多数のカメラから入力される情報を解析し、AIモデルの学習を重ね、その結果をNVIDIA Jetsonに戻すことでモデルの精度を高めていくことができるという。
現在、クボタは日本において従来型農機の自動化・無人化を推進中だが、今後は、次世代の完全無人農機の実現を目指すとともに、海外展開や作物展開を推進していく予定だという。
各社コメント
■株式会社クボタ 取締役専務執行役員 研究開発本部長 佐々木 真治氏
クボタは、次世代の農業の在り方を見据えた取り組みを行っており、農業機械メーカーという枠組みを超えた、農業のトータルソリューションカンパニーとして、時代のニーズに適した農業の姿を先導しています。高い実績のあるNVIDIAのエンドツーエンド AIプラットフォームにて開発研究および製品化に取り組み、持続可能な未来の農業を創造していきます。
■NVIDIA 日本代表 兼 米国副社長 大崎真孝氏
NVIDIAのAIプラットフォームはAIの開発を加速させ、今後より高まるAIの需要にも十分応えることができるため、クボタの次世代の農業機械の開発において最適なプラットフォームといえます。クボタは現場のニーズに合った自動化・無人化された農業機械を開発し、国内外における農業を支え、農業労働力の創出に大きく貢献することでしょう。
<NVIDIAについて>
1999 年における NVIDIA (NASDAQ:NVDA)による GPU の発明は、PC ゲーミング市場の成⻑に爆発的な拍⾞をかけ、現代のコンピュータグラフィックスを再定義し、並列コンピューティングに⾰命的変化を起こした。最近では、GPU ディープラーニングが最新の AI (次世代コンピューティング) に⽕をつけ、世界を知覚し理解することができるコンピュータ、ロボット、⾃律⾛⾏⾞の脳として GPU は機能している。
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