【ハタプロ×東京工業大学】 5GとAIロボットを活用した、高齢者の重大事故予防に向けて共同研究を開始
IoTデバイスなどを開発する株式会社ハタプロ(ハタプロ)は、東京工業大学 環境・社会理工学院 西條美紀研究室と共同研究を開始したことを発表した。共同研究のテーマは、高齢者の日常生活行動における、重大事故予防のためのセンシングとフィードバック方法の開発だという。
共同研究の背景
2025年には、日本の高齢化率(65歳以上の高齢者人口が総人口に占める割合)が30%に到達すると言われている。同時に、介護者が32万人不足すると予測されており、今後、介護者の負担がますます深刻になると予想される。そのため、高齢者へ行き届いたケアを実現することと、介護者の負担をできる限り低減することが喫緊の課題であり、これらの両立には技術によるサポートが不可欠だ。
東京工業大学 西條美紀研究室では、文部科学省「センター・オブ・イノベーション(COI)プログラム」内の『サイレントボイスとの共感』地球インクルーシブセンシング研究拠点において、高齢者の日常生活行動における重大事故予防に向けて、センシング技術の活用方法とフィードバック方法の開発を行っている。
一方、ハタプロは、同社に所属する人工知能(AI)を活用したロボット、およびIoTデバイスの開発分野のエンジニアがこの研究に参加し、5Gなど先端技術の活用も見据えた先進的なサービスの共創に取り組むことで、社会的に大きな意義を持つこの研究の推進に貢献できると考え、本共同研究契約の締結を決定した。
東京工業大学との共同研究開始にあたり、AIロボット技術を応用した次世代福祉機器の開発やデジタルヘルスケア事業の強化を行う。今後も産官学のイノベーションによる事業化を見据え、社会に役立つ新製品を生み出すべく尽力していくという。
共同研究のテーマ
「高齢者の日常生活行動における、重大事故予防のためのセンシングとフィードバック方法の開発」
●高齢者の日常生活行動における重大事故の予兆の定義とその検出方法の開発
●介護者・被介助者に対するフィードバック方法の開発
株式会社ハタプロについて
ハタプロは、「モノづくりとIT技術で、次の時代をつくる」を掲げ、2010年に東京で設立された通信機器メーカーだ。クラウドAIとハードウェアの技術を組み合わせ、最適な仕様策定、高速なプロトタイピング、知的財産や事業計画の策定、最終製品の適量生産を実現し、これまで様々な製品の開発を手掛けてきた。
次世代型モノづくりの知見を活かし、大企業や地方自治体との合弁会社の設立など、オープンイノベーションの実績が豊富で、近年は大学との共同研究や銀行を交えた産官金の共同出資でのIoT地域商社の設立、次世代通信「5G」による医療/介護AIロボット開発に力を入れている。
東工大・西條美紀研究室について
西條研究室では、「地域と学び、地域福祉を共にデザインする」をコンセプトに研究活動を推進している。子供から高齢者まで様々な人々が暮らす地域を誰もが幸福を追求できる場所にするには、地域単位での自助・共助・公助の仕組み作りが欠かせない。しかし、地域に存在する課題は複雑に絡み合っており、限られた専門性や役割からの近視眼的なアプローチは、地域全体の福祉に貢献しない。
そこで、同研究室では、地方自治体、産業、様々な専門性を有する研究者らと協働し、現実のフィールドでの事象に関与し、分析し、その結果を現場に戻しながら、地域とともに解決策を実装するアクションリサーチを行っている。近年の研究テーマは、「高齢者が自ら未病を改善するプラットフォームづくり」と「持続可能なスマート畜産の実現」だという。
※関連リンク:プレスリリース
(eiicon編集部)