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【特集インタビュー】クックパッドの画像データを“料理”せよーー「AIチャレンジコンテスト」が目指すものとは?

【特集インタビュー】クックパッドの画像データを“料理”せよーー「AIチャレンジコンテスト」が目指すものとは?

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オープンイノベーションを実施する上でも、重要視されることの多い技術「AI」。——そんなAIの研究開発目標と産業化のロードマップ策定のため、産学官の叡知を集めて創設されたのが「人工知能技術戦略会議」だ。現在、同組織に加え、内閣府、文部科学省が主催する「第1回AIチャレンジコンテスト」が実施されている。これは、国内の学生・社会人を対象として、先端的な人工知能技術の開発とビッグデータ活用の能力を競うコンテストだ。

第1回目のテーマは「画像認識」。日本最大のレシピサービス「クックパッド」に投稿されている料理画像データを使用して、料理の領域検出・料理の分類の画像認識アルゴリズムの作成がタスクとして課されている。AIの世界では、ディープラーニング技術の台頭によって、画像認識の精度が急速に上昇しているが、「料理の画像認識」は同じ料理でも形状や使われている素材にばらつきが多く、比較的難しい領域。データサイエンティストが画像という素材をどう料理するのか注目が集まっている。(※コンテスト終了は3/31まで。5月上旬には入賞者が決定し、5/22に表彰式が開催される予定だ

今回は、「AIチャレンジコンテスト」開催にあたって技術的な支援やデータ提供などを手がけている、NVIDIA・クックパッド・オプトの3社の主要メンバーに集っていただき、トークセッションを開催。同コンテスト開催の詳しい背景や特徴などを伺った。

■日本国内で、AIやディープラーニングを活性化していきたい。

——最初に、NVIDIAさん・クックパッドさん・オプトさんのご紹介と今回のコンテストにおける役割を伺いたいと思います。それではまず、NVIDIAさんからお願いできますでしょうか。

▲NVIDIA CUDAエンジニア ディープラーニング・ソリューションアーキテクト 村上真奈氏

NVIDIA村上 : 私は、NVIDIA でディープラーニングとCUDA(並列コンピューティングプラットフォーム)のエンジニアをしています。今回のコンテストにおいては、技術的なサポートを担当しています。

▲NVIDIA エンタープライズマーケティング部 HPC/DL/Cloudマーケティングマネージャー 佐々木邦暢氏

NVIDIA佐々木 : 私は、NVIDIA でAIやディープラーニング関連領域のマーケティングを担当しています。日本国内でもAIやディープラーニングを活性化したいと思っており、(本コンテストの主催者でもある)文部科学省さんとそのような話をしている中で、コンテスト開催の話が来たのです。そこで以前からお付き合いのあったクックパッドさんにお声がけさせていただきました。

クックパッド原島 : クックパッドの研究開発部でマネジャーしている原島です。クックパッドでは、研究開発分野においてさらなるプレゼンスを高めたいと考えており、私たちの部署で学会のスポンサードを手がけていたりしています。そうした中でNVIDIAさんと出会い、今回お誘いを受けたのです。当社には、事業を通じて蓄積してきた多くのデータを保有しており、本コンテストのために料理画像のデータを提供させていただきました。

▲クックパッド株式会社 研究開発部 部長 原島純氏

——それでは最後に、オプトの浜野さん、よろしくお願いします。

オプト浜野 : 私はオプトのデータサイエンスラボのデータアナリティクスチームに所属しています。このチームでは、ディープアナリティクスというデータコンテストに活用できるプラットフォームを持っており、これまでも各種コンテストで実績を積んできました。そうした背景があり、今回、文部科学省さんからお声掛けをいただきました。

▲株式会社オプト データサイエンスラボ データサイエンティスト 浜野紘一氏

■最も神経を割いたのは、タスクの難易度設定。

——NVIDIAさんは、数々の大企業・先進企業とも繋がりがあると思います。今回、その中でもクックパッドさんに声をかけたのは、どのような理由からでしょうか?

NVIDIA村上 : ある学会で原島さんとお会いして、面識があったんです。その時に、クックパッド内に研究開発に特化した部署があることを知り、ぜひ一緒に仕事をしてみたいと思いました。それに加えて、スケジュールがタイトだったこともあり、フットワークの軽い風土の企業の方が、実現可能性が高いと思ったのです。

クックパッド原島 : お話をいただいた時、「日本の AI 関連分野を活性化しうる面白いコンテストだな」と思い、協力させていただきました。コンテストの準備を進める中で最も神経を割いたのは、実はタスクの難易度設定でした。簡単すぎてもダメですし、難しすぎてもコンテストになりません。最も参加者がワクワクする難易度を設けるために、クックパッドとNVIDIAさん、オプトさんの三者間でベースラインを作り、自分たちが参加者のつもりになってタスクを解いてみました。

オプト浜野 : 今回、NVIDIAさんもクックパッドさんも、データ分析についてかなり精通しているので、スケジュールは厳しかったのですが、スムーズに進めていくことができましたね。

■日本にもディープラーニングが根付き始めている。

——コンテストは1月10日から開催されています。(取材時には)まだエントリー締め切りまで日数がありますが、現時点のエントリー状況はいかがでしょうか?

NVIDIA村上 : 使っている技術の割合を見ると、予想していた以上にディープラーニングを使っている方が多かったですね。アメリカや中国といった技術先進国と同様に、国内にもディープラーニングに一生懸命取り組んでいる方がいると分かり、嬉しく思っています。

NVIDIA佐々木 : 10回以上エントリーしている方もいて、活発な印象ですね。

オプト浜野 : 2月末時点で、両タスク合わせると、予測結果の投稿者数で100人超、投稿回数で見ると既に1000回を超えています。予測精度も、多くの参加者が当初の基準値を大幅に超えてきていますね。

NVIDIA佐々木 : 今回のコンテストには、クックパッドさんから本物の画像データを万単位で提供してもらいました。企業の大事な資産であるデータを対象に、分析技術を試せる機会はそうそうないと思います。さらに、IDCフロンティアさんからGPUを搭載したかなりリッチなサーバもお借りしています。こうした環境で技術を存分に試せる機会は貴重だと思うので、いろいろな方にチャレンジしていただきたいですね。

クックパッド原島 : さらに5月に開催予定のコンテスト表彰式では、入賞者によるプレゼンテーションも実施される予定です。知見を共有できる場も用意されているので、ぜひ多くの方に挑戦してほしいと思います。

■継続的にコンテストになることを目指したい。

——最後になりますが、今回のコンテストの取り組みを通して、実現したいことを教えてください。

NVIDIA村上 : 1回だけではなく、2回目も開催したいですね。定期的にこうしたコンテストを開催することで、AIやディープラーニングに関わる人口を増やしていきたいと思います。

クックパッド原島 : 当社のように、データをオープン化する企業が増えれば、AIに関わる技術者がさらに増えると考えます。今回クックパッドからは画像を提供しましたが、例えば、金融・不動産・農業といった多種多様な領域の企業が独自のデータを提供すると面白いと思います。

オプト浜野 : オプトでは、オープンイノベーションというエコシステムを活用しながら社会全体のAI化のプロセス支援を手がけています。こうしたコンテストを通じて、データ分析に興味を持ってくれる人が増えて、結果として社会全体のAIの普及に繋がると嬉しいですね。

(構成・取材・文:眞田幸剛、撮影:加藤武俊)

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