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予測不能な時代を勝ち抜く「事業の創り方」とは――9/25 開催『INNOVATION SHIFT』

予測不能な時代を勝ち抜く「事業の創り方」とは――9/25 開催『INNOVATION SHIFT』

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第四次産業革命とも言われるテクノロジーの時代に突入した今、驚異的なスピードで既存産業のディスラプションが起こっている。経済環境や価値観が目まぐるしく変化する「VUCA」と呼ばれる世の中で、未来を予測することはもはや不可能に近い。このような状況下において企業が勝ち残っていくために、アジャイル経営へとシフトしていく必要性を訴えかけているのがストックマーク株式会社だ。

同社は、自然言語処理に特化したAl技術を活用し、「Anews(エーニュース)」、「Astrategy(エーストラテジー)」、「Asales(エーセールス)」という3つのプロダクトを展開している。世の中に溢れる膨大なテキスト情報の中から、各社のビジネスに必要な情報だけを厳選して提供する独自の技術が強みだ。AIによって選び抜かれた情報をインテリジェンスとして企業に届けることで、高速かつ高精度な意思決定をサポートしている。

事実、多くの企業のデジタル変革や新事業創出に寄与してきたストックマークは、「予測不能な時代を勝ち抜く、事業の作り方」をテーマにしたイベント『INNOVATION SHIFT』を9/25に大手町で開催する。

「既存の事業モデルが限界に近づいている。新事業にシフトしたいが、その方法が分からない」

「不確実性の高い時代に適応している企業から、そのヒントを得たい」

「データドリブン経営、アジャイル経営に関する知見を高めたい」

――このような課題感を持っている企業担当者には、価値のあるイベントになるという。実際に、セブン銀行、Sansan、xenodata lab.、ユーザーベースといった今注目を集める企業も登壇する『INNOVATION SHIFT』の開催背景や見どころとは?そしてストックマークがイベントを通して伝えたいこととは何か?――CEOの林氏とチーフアルケミストの森住氏に詳しくお伺いした。

▲ストックマーク株式会社 代表取締役 CEO 林 達(はやし たつ)氏

東京大学卒業後、伊藤忠商事に入社。統合リスクマネジメント部にて全社経営戦略策定業務後、食料カンパニーにおいて投資先の経営管理・新規M&A推進業務に従事。2016年4月ストックマーク株式会社を創設。

▲ストックマーク株式会社 チーフアルケミスト 森住 祐介(もりずみ ゆうすけ)氏

東京工業大学大学院卒業後、2009年に日本IBMに入社。金融機関向けの基幹システムの設計・開発に従事。その後、クラウドエバンジェリストとして、同社でスタートアップ支援を担当。2017年8月よりストックマーク株式会社に参画。

アジャイル経営にシフトできるか否かが、運命の分かれ道

――今回、「INNOVATION SHIFT」というイベントを主催されますが、まずイベント開催の背景にある課題感や想いについてお伺いしたいです。

森住氏 : 背景にあるのは、日本企業の意思決定のスピードに対する課題感です。ストックマークは、3つのプロダクトを提供しているのですが、プロダクトを通して実現したい世界観が、いわゆる「アジャイル経営」と呼ばれているものなんです。アジャイル経営というのは、データドリブン経営の少し先にあると我々は考えていて、データを活用して顧客への理解を深めながら、組織として素早く意思決定を行っていく経営手法のことを言います。

今、海外の先進的な企業はどんどんアジャイル経営にシフトしています。たとえば、アメリカの例を挙げると小売大手のウォルマート。アマゾンの台頭とともに小売事業者が潰れていく中で、ウォルマートは顧客のデータを積極的に分析・解析し、いまやアマゾンに対抗できる唯一の存在となっています。

また、インド発のホテルベンチャーOYO(※)も、データドリブンかつアジャイルな経営を行っていることで知られていますね。世界を舞台に最速かつ爆速で成長を続け、創業からわずか5年で時価総額が5500億円を超えるまでに成長しました。現在の日本において、あのように巧みにデータを操りながら、スピード感をもって事業を育てている企業はほとんどありません。

今、アジャイル経営を実践する企業が海外からひっきりなしに日本へと上陸し、既存の産業を破壊しつつあります。そんな状況下でも、他人事だと思っている日本企業はとても多いように感じています。

※OYO(オヨ)=2012年、当時19歳だったCEOのリテシュ・アガルワル氏が創業。創業からわずか5年で時価総額5500億円規模まで育てる。ソフトバンクグループが出資し、2019年3月に日本にも上陸。サービスを開始している。

――このままだと、アジャイル手法を体得した海外勢に、日本のマーケットがディスラプトされてしまう、と。

森住氏 : その通りです。先日お話しした、ある国内大手企業の経営者が言っていました。今の日本企業は「茹でガエル」だと。ゆっくりと進行する環境の変化に気づかず、次第に茹だっている状態です。この状況を抜け出すには、誰かが「毒蛇」にならないといけないのだそうです。その経営者は現在、CDO(Chief Digital Officer)を採用して、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進されています。ですが、トップがコミットしても、重厚長大でこりかたまった組織を変えていくのは非常に難しいと仰っていました。

――「茹でガエル」状態から脱却するために、海外の躍進企業に習って経営や組織を変えていく必要があるということですね。

森住氏 : はい。私たちは、データドリブンなアジャイル経営にシフトできるか否かが、企業にとって運命の分かれ道だと考えています。この流れに乗り遅れると、それこそ茹であがってしまいます。今回、「INNOVATION SHIFT」というイベントを企画したのは、今の日本の状態を何とかしたいとの想いからです。「INNOVATION SHIFT」では、データを活用してアジャイルに、既存事業の改革や新規事業の立案、あるいはオープンイノベーションを実践していくためのノウハウをシェアしていく予定です。

――なるほど。ちなみに、企業がデータドリブンなアジャイル経営にシフトしていくには、何が必要なのでしょうか。

森住氏 : 2つの軸があると思います。ひとつは、「技術の活用」です。データを活用していくための新しい技術を積極的に導入していくことが必要だと思います。もうひとつは、「文化の変革」。迅速な意思決定ができる社内文化、チャレンジを推奨する文化に変えていくことも重要でしょう。特に後者の社内の文化をどう変えていくかが、難しいように見受けられます。そういう意味では、今回、キーノートスピーチにご登壇いただくセブン銀行さんは、非常によい取り組みをされています。

「失敗していないことの方が、むしろ悪」

――金融業界は、フィンテックの登場によってスタートアップなど多様なプレイヤーが参入する一方、レガシーな銀行事業を展開するメガバンクなどはリストラを敢行。……まさに、ディスラプトが進んでいるマーケットだと言えるでしょう。そのような中、セブン銀行さんは「ATM」だけで高収益を実現しています。今回『INNOVATION SHIFT』に登壇されるセブン銀行さんは、ストックマークさんから見てどのような特徴を持つ企業なのですか。

林氏 : セブン銀行さんは、非常にテクノロジードリブンな会社です。銀行業に後発で参入されましたが、各地にATMを設置し、AIで紙幣の需要予測を行うなど、当初からオールド・レガシーな金融業界にありながらも「銀行ではなくテクノロジー・カンパニーである」と自ら仰っています。

情報収集をAIに任せていたり、既存のビジネスプロセスをすべてAIに置き換えるという試みもされています。データの活用にも非常に長けていらっしゃって、データをもとにお客さまの体験をデザインしたり、UI・UXを設計していらっしゃる。テクノロジーを本気で活用していこうというマインドの強い方々なんです。

――そのような新しい試みや仕掛けに次々と着手し、具体的にどのようなイノベーションが生まれているのか。セブン銀行さんによるスピーチは聞きどころが多くありそうですね。

森住氏 : そうですね。ただ、セブン銀行さんが優れているのはテクノロジー面だけではありません。社内文化の変革という意味でも、非常に参考になる企業だと思います。セブン銀行さんには、「失敗していないことの方がむしろ悪だ」というカルチャーがあって、失敗を恐れずにチャレンジをし続けることを大事にされています。「今週は何を失敗したの?え?何も失敗してないの?」と聞かれるような、そんな文化なんだそうです。

アジャイル経営を実践していくためには、小さな失敗に対して寛容であらねばなりません。セブン銀行さんのカルチャーは、アジャイルな文化・組織をつくっていく上でキーとなるはずです。

――先述の「技術の活用」と「文化の変革」の両軸において、セブン銀行さんは参考になる企業だということですね。スペシャルセッションに登壇される3社はどんな特徴があるのでしょうか。

森住氏 : スペシャルセッションには、名刺管理の「Sansan」さん、企業分析・業界分析のSPEEDAを展開する「ユーザベース」さん、ニュースを解析して株価予測などを行う「xenodata lab.」さんの3社をお呼びしています。

Sansanさんは「出会い」に関する非常におもしろいデータをお持ちです。新規事業を進める時、「この案件は誰が詳しい?誰に聞くべき?」という悩みは必ず発生します。従来は人づてに詳しい人を探していましたが、Sansanさんはデータとしてお持ちで、誰でも検索できるようになっています。これを有効に活用していけば、意思決定のスピードはもっと加速するのではないかと考えます。

林氏 : また、SPEEDAさんは当社の「Astrategy」と競合するサービスのように見えるかもしれませんが、むしろ補完し合うサービスだと思っています。「Astrategy」は、自分たちのマーケットにおける「兆し」を見つけるサービスです。たとえば、今どんな新しいサービスが生まれているのか、どんなプレイヤーが出始めているのかといったニュースをリアルタイムにAIで収集します。一方、SPEEDAさんはもっと深い分析レポートなどが収集できるサービスです。

当社のサービスが「兆しの察知」だとしたら、SPEEDAさんは「深い洞察」に強みを持つサービスだと言えます。いずれも、企業の意思決定をサポートする情報を提供しています。

――なるほど。

森住氏 : xenodata lab.さんは、AI×ニュースという点では当社と似ています。スペシャルセッションでは、「いかにデータを活用していくか」「活用していくにはどうすればいいか」といったhow-toについて、お呼びしている3社と当社で、詳しくご紹介していく予定です。データを使いこなし、意思決定の質とスピードを高めることが、これからの時代、企業に求められる要素。その手法について共有できる場にします。

事業を生み出す人たちにこそ、知ってほしい

――特にどんな層の人たちにとって、価値のあるイベントですか。

林氏 : 特に企業の経営企画や新規事業担当者の方たちに価値のあるイベントにしたいですね。事業の戦略を考えるうえで、データの分析は不可欠です。外部環境や競合、マーケットの理解、テクノロジーの動向や海外スタートアップの事例など、データの効率的な拾い方を知ることは、事業戦略担当者にとって必ず武器になるはずです。

森住氏 : オープンイノベーションの担当者にも参考になるでしょう。オープンイノベーション担当者は、既存の事業部やスタートアップとの連携が必要で、さまざまな人たちとコミュニケーションをとる機会が多いポジションです。情報収集や、既存事業部の情報感度を引き上げていくことも、ひとつのミッションなので、そういった部分でもご活用いただけると思います。

――イベントの最後には、ネットワーキングパーティの時間もありますね。

森住氏 : はい、ご来場される皆さんは、同じ悩みを抱えた人たちです。「どうアジャイル経営にシフトしていく?」「どうトップのマインドを変えていく?」「データドリブンの手法を取り入れていくにはどうしたらいい?」といった悩みを持つ仲間と情報共有をしていただき、ぜひ横のつながりを広げる機会にしてほしいです。

繰り返しになりますが、今、経営や組織のあり方を変えていかないと、本当に出遅れてしまいます。イベントでは、シフトすることの重要性や、その手法について詳しく紐解いていくので、ぜひご期待ください。

取材後記

今、爆速で成長する企業が体得しているといわれる「アジャイル経営」。そして、現代の石油とも称される「データ」。いずれも、これからのグローバル市場で勝ち残っていくためには欠かすことのできない要素だ。

ストックマーク社が主催する「INNOVATION SHIFT」は、環境や価値観が目まぐるしく変化する世の中で勝ち残っていくためのヒントになるイベントだという。事業をつくる人たちにとって、学びの多い場となるはずだ。少しでも興味のある方は、9月25(水)19:00~、大手町駅最寄りの「SPACES」に足を運んでみてはいかがだろうか。

INNOVATION SHIFT 開催概要】

■開催日時 …… 2019年9月25日(水)19:00〜(受付開始18:30)

■開催場所 …… 大手町SPACES(東京都千代田区大手町1-6-1 大手町ビル1F)

■参加費 …… 無料

■参加対象 …… 経営企画・イノベーション部門の方、新規事業創出・既存事業の変革に取り組む方

※イベントの詳細はコチラ

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