データマーケティングプラットフォーム「b→dash」開発のフロムスクラッチ、100億円の資金調達を実施
データマーケティングプラットフォーム「b→dash(ビーダッシュ)」の開発・提供を行う、株式会社フロムスクラッチは、米大手投資会社のKKRと、米大手投資銀行のゴールドマン・サックス、既存株主などを割当先とする第三者割当増資等により総額約100億円の資金調達の契約締結が完了した。
そして経営体制およびガバナンス強化のため、新たにKKRパートナーの谷田川英治氏と株式会社START 代表取締役社長(株式会社LITALICO 元取締役)の中俣博之氏2名が社外取締役に、森・濱田松本法律事務所 パートナーの堀天子氏が社外監査役に、同社矢矧利太郎氏が取締役COOに就任したことを発表した。
今回のシリーズD投資ラウンドにおける調達は、アジア最大級のKKRアジアIII号ファンド(運用額93億米ドル)から同投資ラウンドにおいて、リード投資家として40億円の出資を受けている。KKRから日本のスタートアップへの投資は、今回のフロムスクラッチが初めてという。
同社はこれまでに、日米を拠点に活動するDNX Venturesをはじめ、INCJ(旧 産業革新機構)や楽天株式会社(楽天ベンチャーズ)、グローバル・ブレインなどから約45億円の資金調達を実施しており、「b→dash」をリリースした2014年10月以降の累計調達総額は約145億円になった。
■引受先一覧(順不同)
<同第三者割当増資における新規引受先一覧>
・KKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)
・ジー・エス・グロース・インベストメント合同会社
・ジャパン・コインベスト2号 投資事業有限責任組合
・大和企業投資
・SFV・GB投資事業有限責任組合
・JPインベストメント1号投資事業有限責任組合
<同第三者割当増資における既存引受先一覧>
・DNX Ventures
・楽天株式会社(楽天ベンチャーズ)
・株式会社リンクアンドモチベーション
■資金調達の目的
①世界初のデータ統合技術「Data Palette」の開発強化
②世界展開の加速
③新規事業の本格始動
④人材採用の強化
①世界初のデータ統合技術「Data Palette」の開発強化
フロムスクラッチは「スマートデータ社会」の実現を目指し、ビジネスプロセス上に存在するあらゆるマルチビッグデータを一元的に取得・統合・活用・分析するためのSaaS型(Software as a Service)データマーケティングプラットフォーム「b→dash」の開発・提供を行っている。昨今、デジタルシフトの急速な進展により、各企業は膨大なデータを取得・活用するために、MA(マーケティングオートメーション)や、CDP(カスタマーデータプラットフォーム)といったマーケティングツールを導入することで、データマーケティングに注力しようとしている一方で、現場ではデータの準備に時間がかかるという課題が顕在化していた。
データを活用したマーケティングを行う際、施策に応じたデータが必要になるが、データを活用できる状態に変換するためにはSQLなどデータベース言語に代表される専門的な知識が必要不可欠。そのため、データサイエンスの知見、経験のないマーケターは都度要件を社内の情報システム部や社外のITベンダーに、データの抽出や設計、クレンジングやインテグレーションを依頼しないと、データ活用を実装することが出来なかった。それにより、リアルタイムで施策を実行することや、ユーザーにとってベストなタイミングで思い描いていた施策を実現させることが難しい現状がある。
これらの課題を受けて、CDPを更に進化させた、世界初のノンプログラミングでデータの統合や変換がGUI上で実現できる新たなデータ統合技術、『Data Palette』を開発。UI/UXが分かりやすく設計されており、SQLやプログラミングの知識がなくとも、取得したデータの統合や変換など、データを活用したい人は誰でもb→dashの操作画面上で直感的にデータを使いこなすことができるようになる。
これにより、これまで一部の人しか扱うことができなかったデータを民主化し、誰でもデータの持つ力にアクセスできるようになることで、よりハイレベルな社会を実現することが可能になるという。
先行的に『Data Palette』を導入した企業では、これまで36時間かかっていたデータの統合や変換作業が、3時間にまで短縮したという実績も生まれている。今後、この『Data Palette』の機能開発をさらに強化し、1社でも多くのデータ活用経営を支援していくという。
②世界展開の加速
今後、世界での事業拡大の第一歩としてアジア市場へ進出する。アジアにおけるビッグデータ市場は、日本以上に拡大傾向にある一方、日本が抱えているデータ活用に関する課題が同様に存在している。データマーケティングプラットフォーム「b→dash」であれば、データ活用におけるそれらの課題に対して、包括的にアプローチすることが可能であるため、世界進出の第一歩として、アジア市場に展開していくという。
③新規事業の本格始動
さらに、来年にはデータマーケティングプラットフォーム「b→dash」から派生した、”企業と個人のデータのあり方、およびその価値を変える”新規事業を開始予定。同新規事業の開発への投資を実施する。
④人材採用の強化
b→dash事業の更なる成長、世界展開、新規事業をそれぞれ推進させるため、これまで以上に新卒採用、中途採用活動を積極的に実施。中途採用においては、業務経験の浅いジュニア層から、経営幹部を担えるシニア層まで多岐に渡る層の採用を行い、企業成長を牽引する人材採用を強化する。
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(eiicon編集部)