トラックの完全自動運転システムを開発するロボトラック――シリーズAラウンド ファーストクローズでエクイティ52億円を調達
大型トラック向け完全自動運転システムを開発する株式会社ロボトラックは、シリーズAラウンドのファーストクローズとして、第三者割当増資により約52億円の資金調達を実施した。今後セカンドクローズでの資金調達も予定している。
本第三者割当増資では、株式会社産業革新投資機構傘下のベンチャーキャピタルであるJICベンチャー・グロース・インベストメンツ株式会社をリード投資家として、トヨタ自動車株式会社・株式会社三井住友銀行等が参画する「未来創生3号ファンド」を運営するスパークス・アセット・マネジメント株式会社、三菱UFJキャピタル株式会社を新規投資家として迎えた。また、既存投資家であるグロービス・キャピタル・パートナーズ株式会社、Archetype Ventures株式会社、Mizuho Leaguer Investment、SMBCベンチャーキャピタル株式会社も引き続き、引受先として参画している。
資金調達の背景
日本政府は、「総合物流施策大綱」において2030年までに自動運転トラック1,000台を導入する目標を掲げるなど、物流危機への対応策として自動運転トラックの社会実装を推進している。また、自動運転技術は「日本成長戦略」における戦略17分野の一つである「デジタル・サイバーセキュリティ分野」の主要な製品・技術等に位置づけられるなど、日本の成長力と経済安全保障を支える重要な戦略的投資領域の一つとして位置づけられている。
こうした背景のもと、ロボトラックは、2024年問題に代表される物流危機に対し、物流事業者が自らの輸送網や車両に導入し、主体的に運用できる大型トラック向け自動運転システムの実現を目指している。海外の自動運転技術基盤に依存するのではなく、日本の道路・物流環境に適合したシステムを国内で開発し、既存の物流オペレーションに実装できる点も特徴だ。
2024年4月の設立以来、経済産業省「モビリティDX促進のための無人自動運転開発・実証支援事業や、国土交通省「自動運転トラックによる幹線輸送の社会実装に向けた実証事業」への参画を通じて、レベル4自動運転システムの社会実装に向け、セーフティドライバー同乗のもと、関東-中部間における公道走行実績を積み重ねてきた。
2026年5月には、関係省庁および投資家の視察のもと、神奈川県・厚木南ICから愛知県・豊田JCTまでの高速道路約260kmの全区間において、セーフティドライバーによる介入操作を一切行うことなく自動運転で走破した。
2026年度は、経済産業省およびNEDOによる「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/ロボット基盤モデルの研究開発(GENIAC)」のロボット基盤モデル研究開発支援事業や、豊田通商株式会社を代表事業者とし物流事業者7社・日野自動車株式会社等の計11社で構成する「豊田通商コンソーシアム」、そしてオリックス自動車を代表事業者とし物流事業者2社含む計4社で構成する「L4物流自動運転トレーラー推進協議会」による2026年度国土交通省「自動運転トラック実装支援事業」にも採択されている。
今後はこれらの枠組みを通じて、物流事業者、車両メーカーをはじめとするパートナーの皆様とともに、完全自動運転トラックの社会実装に向けた開発・実証を進めていく。
資金使途と今後の展望
ロボトラックは、自動運転トラックを、センサーから得られる情報をもとに現実世界を理解・予測し、車両の行動を生成・制御する「フィジカルAI」の代表的な社会実装領域の一つと位置づけている。これまで開発・検証してきたモジュール型AIベースの技術と、E2E AIや世界モデル等を活用したフィジカルAI技術と、車両の冗長化、安全性評価および運用体制を一体的に開発することで、安全性を最優先に、開発速度と実用性を高い水準で両立するレベル4自動運転システムの構築を行っていく。
これらの取り組みを通じて、高速道路における幹線輸送から物流施設に接続する一般道、そして物流施設内までを、一体的にカバーする国産レベル4自動運転システムの実装を目指す。
今回調達した資金の主な用途は以下のとおりだ。
・実証車両の増備、自動運転システムの冗長化
・走行ODDおよび検証シナリオの拡大、安全性評価・認証取得に向けた対応
・E2E AIや世界モデル等を活用したフィジカルAI技術の開発、計算資源、シミュレーションおよび走行データ基盤への投資
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(TOMORUBA編集部)