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構造計画研究所×関東バス、路線バスの振動データを活用した「道路の見守りプロジェクト」の実証実験を開始

構造計画研究所×関東バス、路線バスの振動データを活用した「道路の見守りプロジェクト」の実証実験を開始

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技術コンサルティング企業の株式会社構造計画研究所は、バス事業者の関東バス株式会社と協働し、路線バスを活用した「道路の見守りプロジェクト」の実証実験を開始した。走行中のバスに搭載したセンサーで路面の振動データを収集・分析し、道路の劣化や陥没の危険箇所を検知する取り組みで、首都圏のバス事業者と連携した実証実験は今回が初めてとなる。

路線バスを活用したインフラ点検の新手法

今回のプロジェクトは、構造計画研究所が2012年から研究・開発を進めてきた道路維持管理のためのソーシャルビッグデータ活用技術を実装するものだ。日常的に運行する路線バスを「移動センサー」として活用し、路面状態の変化を継続的に計測することで、効率的なインフラ監視を実現する。

実証実験は2026年1月から5月までの約4か月間実施され、関東バス阿佐谷営業所に配置された一般路線バス1台を使用。車両は東京都の中野区・杉並区・新宿区の一部区間を走行し、道路状況のデータを収集する。

走行中のバスの後輪車軸中央には3軸加速度センサーが設置されており、車体に伝わる振動をリアルタイムで計測。これにより、舗装面の変形や劣化、地下埋設物の異常などに起因する路面変化を検知することを目指す。

乗務員や利用者に負担をかけないデータ収集

本システムの特徴は、日常運行に影響を与えることなくデータ収集が可能な点にある。振動計測用のセンサーは車体下部の見えない位置に固定されており、データロガーや電源ユニットなどの機器は座席後方の設備スペースに収納されている。

また、計測機器は走行中に常時稼働するものの、システムのメンテナンスやデータ回収はすべて遠隔操作で行われる。そのため、乗務員や乗客、地域住民に負担をかけることなく、通常通りの運行を維持したままデータ取得が可能だ。

この仕組みにより、道路管理者が頻繁に現地調査を行わなくても、広範囲の路面状況を継続的に把握できる可能性がある。

振動データをマッピングし道路の変化を可視化

取得した振動データは位置情報と紐づけて分析され、路線上の振動強度を色分けしたマップとして可視化される。これにより、路面の凹凸や劣化が進行している地点を直感的に把握できる。

さらに、分析は週単位・月単位で継続的に行われ、路面状態の経年変化を定量的に追跡することが可能となる。得られたデータを下水道管などの地下埋設物の情報と照合することで、地下構造物の劣化と路面振動の関連性を分析し、道路陥没の危険箇所を早期に特定できる可能性があるという。

老朽インフラと人手不足に対応するDX

近年、日本各地では下水道管や地下構造物の老朽化に伴う道路陥没事故が社会課題となっている。一方で、インフラ点検を担う技術者不足も深刻化しており、効率的な維持管理手法の確立が急務となっている。

今回の取り組みは、日常的に走行する公共交通を活用してデータを取得することで、低コストかつ高頻度なインフラモニタリングを実現する可能性を持つ。まさにインフラ維持管理のDXを象徴するアプローチといえる。

本実証実験の分析結果は2026年5月以降に関係者へ共有される予定で、道路管理者などへのヒアリングを通じて実用化に向けた検討を進める。

今後は産学官連携を強化し、データ分析コンサルティングの事業化や効率的な道路維持管理サイクルの構築を目指す方針だ。また、路線バスを活用した点検手法の全国普及も視野に入れる。構造計画研究所は、本プロジェクトを通じて老朽インフラ問題と人手不足という社会課題の解決を図り、持続可能なインフラ維持管理の実現に貢献していくとしている。

関連リンク:プレスリリース

(TOMORUBA編集部) 

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