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日本発の「IP × AI Enabler」を掲げるVisual Bank、シリーズBで約11億円を調達

日本発の「IP × AI Enabler」を掲げるVisual Bank、シリーズBで約11億円を調達

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日本発の「IP × AI Enabler」を掲げるVisual Bank株式会社は、三井住友海上キャピタルをリード投資家として、CDIB クロスボーダー・イノベーション・ファンド、インキュベイトファンド、あおぞら企業投資、SMBCベンチャーキャピタル、W fundなどから、シリーズBラウンドで総額約11億円の資金調達を実施した。

「創造性の黒子(くろこ)」として、IPとAIの共存を支える

Visual Bankは、「創造性の黒子(くろこ)」を理念に掲げ、漫画やアニメなどの知的財産(IP)とAIの共存を支える存在を目指している。今回の資金調達は、IPとAIの融合が生み出す新しい価値創造を支えるための基盤整備と、次世代型の産業構造を築くことを目的とする。

中核事業のひとつであるTHE PEN(IP × AI)事業では、漫画家の「もっと描きたい!」という想いを支えるAI補助ツールを開発中。創作現場に寄り添うプロダクト開発を加速させ、クリエイターの表現力を高める環境づくりを進めるという。

IP産業に特化したAIデータ基盤を強化

さらにVisual Bankは、経済産業省およびNEDOによる「GENIAC」プロジェクトに採択されており、国内のIP産業に特化したAI開発用データライブラリを構築中だ。今回の資金はこの基盤をさらに拡張し、戦略的M&Aや中核人材の採用に投じることで、IP × AI領域におけるグループ機能を強化する。

この取り組みは、AIが著作権やクリエイティブ分野と共存していくための“信頼できるデータ基盤”を整える挑戦であり、Visual Bankが「権利処理済みデータ」という独自の強みを活かす領域でもある。

M&Aによる創業、既存産業とAIをつなぐ戦略

Visual Bankは2022年、M&Aによる起業(Entrepreneurship Through Acquisition=ETA)という異例の手法で誕生。創業と同時に、40年以上の歴史を持つアマナイメージズを買収し、IP産業への参入基盤を確立。ストックフォト事業を通じて蓄積された権利処理やデータ管理の知見を活かし、AI学習用データセット「Qlean Dataset」事業を立ち上げた。

また、漫画家支援のTHE PEN株式会社を設立し、コルクの佐渡島庸平氏やTHE GUILDの深津貴之氏らと共にジョイントベンチャーを展開。

アマナイメージズのVisual Library事業、AIデータセット開発のQlean Dataset事業、そしてAI作画支援のTHE PEN事業という3本柱を軸に、既存の枠にとらわれないコラボレーションを重ねながら、日本のIP産業に新たな価値をもたらしている。

各投資家も「創造産業の新たな土台」に期待

今回のシリーズBラウンドには、既存および新規の複数VCが参加。三井住友海上キャピタルの島﨑卓也氏は「生成AIと著作者の間にある複雑な課題に真正面から挑む姿勢に惚れ込んだ」と評価。

また、インキュベイトファンドの和田圭祐氏も「IP産業の構造的課題に正面から向き合う覚悟と実行力を感じる」と述べるなど、Visual Bankが日本の創造産業における“次の基盤”となることへの期待が寄せられている。共同創業者・取締役の飯塚文貴氏は、「幼い頃、異国の地で日本のIPコンテンツに救われた経験がある。だからこそ、創造者の方々に恩返しをしたい」と語る。

Visual Bankは、AI時代の中で“創造する人を支える”ことを自らの使命とし、黒子的に産業構造を下支えすることで、IPとAIの健全な共存を実現していく構えだ。

関連リンク:プレスリリース 

(TOMORUBA編集部) 

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  • teijiro handa

    teijiro handa

    • ウェブディレクター
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