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製造業×AIのアダコテック、シリーズBで11億円の資金調達を実施

製造業×AIのアダコテック、シリーズBで11億円の資金調達を実施

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株式会社アダコテックは、新規引受先としてリアルテックファンド、Spiral Capitalを共同リード、東京大学協創プラットフォーム開発(以下、東大IPC)及び既存投資家である東京大学エッジキャピタルパートナーズ(以下、UTEC)、DNX Venturesを引受先とした第三者割当増資により合計11億円の資金調達を実施した。

同社はこれまで4億円の資金調達を実施しており、今回の調達により累計調達額は15億円となる。

アダコテックは、「モノづくりの進化と革新を支える」というミッションを掲げ、国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下、産総研)が開発した「高次局所自己相関(以下、HLAC)特徴抽出法※1」を用いた画像解析技術を16年に渡って研究開発してきた。従来よりも効率的な異常検知を可能とする世界的に唯一無二のソフトウェアを提供しており、大手自動車会社をはじめ累計145社へ提供し、昨年度はドイツへの海外進出も果たした。

今後はさらなる事業拡大を図るべく、今回の資金調達は開発およびグローバルも含めた人材採用に充当し、組織基盤の強化に取り組む。対象業界のさらなる拡大とグローバル進出を図ると同時に、新規事業の立ち上げも行うことを予定している。

アダコテックは今後、日本発のディープテックカンパニーとして、製造業の検品分野における技術的なグローバルスタンダードを確立し、業界全体のDXを推進していくという。

※1 HLAC特徴抽出法:画像の解析や認識等に用いられる認識精度に優れた汎用かつ高速な特徴抽出法。検査対象の形状や大きさを計算する際、複雑な処理を行うDeep Learning技術とは対照的に、画素値(各画素の色の濃淡や明るさを表す値)を積和演算するのみで算出可能なので、汎用PCで瞬時に計算が可能。また、位置不変性(認識対象の位置が変わっていても同じものだと認識できること)及び、加法性(対象が2つある場合にそれぞれの特徴の和が全体の特徴となること)という特性から、画像のなかで同じものを表す領域の境界線を見つける必要がないことや(セグメンテーションフリー)、画像に複数の異常が発生した場合も個別に特徴を認識することができるといった、画像認識にとって好ましい性質を備えた特徴抽出法。

資金調達概要

<シリーズB調達額>

11億円

<累計資金調達額>

15億円

<新規投資家(順不同)>

リアルテックファンド

Spiral Capital

東大IPC

<既存投資家(順不同)>

UTEC

DNX Ventures

資金調達の背景

■アダコテックが取り組む課題

製造業の検品市場は30兆円と言われており、その検品作業の95%はAI未導入で人の目で実施されているとも言われている。少子高齢化による人材不足、COVID-19の影響による工場への入場人数制限、人材難の中での高い品質保証など多くの課題を抱えている。これまで数々のAIベンダーが課題解決へ挑んだが、少ないデータサンプルで高精度を求められる検品の画像解析は実現が困難であった。

■アダコテックの技術・ソリューション

アダコテックの技術は、産総研の特許技術(HLAC)を活用している。特徴として、

・100枚という少ない正常データサンプルのみで開始でき(教師なし学習)、Deep Learningと比べ400倍以上高速に処理することが可能

・汎用PCで検品が可能なため、低コストで導入障壁が低い

・説明可能なロジックのため、Deep Learningのブラックボックス化問題を解決できる

といった強みがあり、エンジンなどの自動車部品、プリント基板などの電子部品・半導体製品などにおいて、高精度な欠陥検出率を実現し、多くの生産ラインで評価・運用している。

また、上記課題への技術的アプローチが評価され、国内最大級のピッチ・コンテストであるICCサミット スタートアップ・カタパルト、IVS Launch Padの両方にて過去優勝しており、今年の2月に行われたICCサミット カタパルト・グランプリにおいても入賞を果たした。


■調達資金の使途

新規事業として組み込み型の提供モデルを立ち上げ、アダコテックの技術と他社製品連携によるシナジー効果を発生させることで売上規模の拡大を進める。既存事業については、提供領域の拡大やグローバル展開を推進させるため、開発・セールス・カスタマーサクセスなどの体制拡充を実施し、組織規模を3倍の60名まで増員する計画を進めていくという。また、中長期的な目標である検品AIを起点とした工場内データ活用プラットフォーム構築に向けて、これまで難しいとされてきた工場のデータ活用を促進し、製造業DXを加速させていくという。

関連リンク:プレスリリース 

TOMORUBA編集部) 

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