AIで学習を個別最適化するatama plus、シリーズBラウンドで約51億円の資金調達
atama plus株式会社は、シリーズBラウンドで約51億円の資金調達を実施した。同ラウンドでは、既存投資家であるDCMベンチャーズ、ジャフコグループに加え、新たにシンガポールのテマセク・ホールディングス傘下のPavilion Capital、米運用会社大手のT. Rowe Priceなどを引受先としている。今回の増資により、2017年4月の創業以降、金融機関からの融資を含む累積調達額は約82億円となった。
atama plusは「基礎学力」習得にかかる時間を短くし、「社会でいきる力」を養う時間を増やすことを目指し、AIで学習を個別最適化する「atama+(アタマプラス)」を全国の塾・予備校に提供している。駿台グループやZ会グループなどで導入され、2017年7月の提供開始から4年で導入教室数は2500以上となった。
コロナ禍においては、自宅でも使えるWeb版のatama+を開発し、生徒の学びの継続を支援してきた。加えて、2020年7月に受験後すぐに復習につなげられるオンライン模試の提供を開始し、12月には立命館とともにatama+の学習データを活用した入試企画を検討する共同研究会を立ち上げた。
今回の資金調達により、プロダクト開発の速度をあげるとともに、顧客支援体制を強化することで、より多くの生徒によい学習体験を届けていく。また、マーケティング活動への投資により、生徒・保護者へのatama+の認知・利用拡大を目指すという。
投資家コメント
■Pavilion Capital /Head Japan Investments CHOUN Chee Kong氏
「コロナ禍でEdTechの需要が一層高まっており、アジアからもEdTechのユニコーン企業が次々と生まれています。彼らに続き、atama plusがグローバルにも通用するスタートアップとして急成長し、日本だけでなく世界中の生徒たちに欠かせない存在となることを期待しています。」
■T. Rowe Price/Portforlio Manager Archibald Ciganer氏
「世界的に見ても日本の教育市場は大きい上に、EdTechによって大きく変化するポテンシャルのある市場だと捉えています。atama plusは創業4年で急成長を遂げており、今後学習塾市場以外の領域にも展開しうる可能性を持ったスタートアップだと思っています。日本においては、atama plusがマーケットリーダーとなり、教育業界を大きく変えていくと信じています。」
■DCMベンチャーズ/日本代表 本多 央輔氏
「ミッションを実現するための強い組織・カルチャーを維持し続けていることが、様々なステークホルダーの信頼を集め、競争力の源泉となっていると思います。日本を代表するスタートアップに成長することを期待し、シードラウンドから続けて3回目の出資をさせていただきました。」
■ジャフコ グループ/パートナー 北澤 知丈氏
「atama plusは、前回出資させていただいた時から変わらず生徒や塾・予備校の方々と真摯に向き合い、よいプロダクトを届け続けています。コロナ禍の環境の変化にもすばやく対応し、私たちの期待を上回る事業成長を続けていることから、引き続き出資させていただきました。日本の教育を大きく変える存在になっていくことを楽しみにしています。」
新規投資家について
■Pavilion Capitalとは
シンガポールのテマセク・ホールディングス傘下のプライベート・エクイティ・ファンド。世界で最も高い評価を受けている投資会社のひとつで、アジアを中心に投資し、広い企業のネットワークを保有している。
■T. Rowe Priceとは
ティー・ロウ・プライスは、米国ボルティモアを本拠地とし、2021年6月末時点で1.62兆ドルの運用総額を誇るグローバルな資産運用会社。これまで、海外のEdTech領域ではインドのByju’sに、日本では上場前よりSansanやfreeeなどに投資してきた。
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